「テレビシアター」の切り口から魅力を探る
テレビにつなげるプリメインvs高級サウンドバー。マランツ「NR1200」とB&W「Panorama 3」を比較視聴!
Monitor SE Atomに換えてまず組み合わせたのはKEF LS50 Meta。定価は176,000円。
同軸スピーカーらしい定位の良さが魅力で、個々の音が明確に、かつ立体的に空間に定位する様は2chステレオ再生の醍醐味といえる。実体感に富む中低域の表現なども、やはりクラスの違いが感じられる。一方、Monitor SE Atomに比べて空間の広がりは控えめであり、設置スペースが許すなら、スピーカーの左右の間隔を広めにしたいところだ。
続いて組み合わせたのはB&W 706S2。定価は256,300円(ピアノブラック仕上げは269,500円)。
Monitor SE Atom以上の空間の広がりとLS50 Meta以上の精緻な空間表現を両立し、解像力やダイナミックレンジの広さといった点も段違いだ。効果音における「硬さ」や「鋭さ」といった要素の再現力にも秀逸で、映像音響のリアリティも別物のように高まる。ここまでスピーカーのレベルが上がると、映像再生においてもPanorama 3の満足度をトータルで越えるようになる。
様々なスピーカーと組み合わせた際にそれぞれの美点がしっかりと感じられるのは、NR1200が純粋にアンプとして優れた能力を有していることの証拠でもある。NR1200と上位クラスのスピーカーの組み合わせは、価格面ではPanorama 3を越えてしまうものの、「様々なスピーカーと組み合わせることで体験の質を向上できる」ということは、やはりNR1200ならではの魅力であり無視できない。
NR1200とPanorama 3、「どちらを選んでも後悔しない」
ここまで、「テレビシアター」という切り口でNR1200とPanorama 3の魅力について深掘りしてきた。
結論として、あくまで「映像コンテンツを楽しむことが目的」で、なおかつ「同じ金額を出す」なら、Panorama 3を選んだ方が満足度は高い。リアルにスピーカーを配置するマルチチャンネル・サラウンドのシステムと比べるのは酷だが、少なくとも同価格帯の2chステレオとは一味違う映像体験が可能だ。
それに対し、「映像も音楽も同じレベルで楽しみたい」もしくは「複数のソース機器を繋ぎたい」とすれば、NR1200に優位性がある。そして単品コンポーネントとしての組み合わせの自由度の高さ、発展性こそNR1200の最大の強みといえる。将来的にもっと上位のスピーカーを導入したいという欲求が少しでもあるなら、それを見越してNR1200を選ぶべきだ。
結局のところ、「テレビシアターに適するのはどちらか」を決めるのは読者自身であり、「自分に適するのはどちらか」を考えるにあたり、今回の記事が参考になれば幸いだ。
そして最後に、NR1200とPanorama 3、「どちらを選んでも後悔しない」ということも強調しておきたい。
(提供:ディーアンドエムホールディングス)