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PRメール・インタビューでポイントを深掘り

こだわり抜かれた“三角形”!Campfire Audio「Trifecta」は美しくも大迫力のイヤホン

公開日 2022/12/16 06:30 高橋 敦
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シェル材はナイロン樹脂。しかも見ての通り、極めて透明度の高いクリアナイロンだ。本モデルの思想や性能を、外観の美しさによっても表現する狙いからだろう。内部が透けて見えることで「ダイナミック型3基の三角形配置」がビジュアル的にも強く届いてくる。金属パーツに施された金メッキに、高純度銅と純銀の内部配線。それらの輝きも印象的だ。

三角形のドライバー配置、金メッキが施された部品や内部配線も含めてのデザインだ

3.5mmシングル、4.4mmバランス、2.5mmバランスの3タイプが付属する標準ケーブル「タイムストリームケーブル」も見逃せない。銀メッキ銅の導体がソフトなクリアシースで包み込まれており、こちらも美しい。このケーブルにも、次のようなこだわりが込められている。

「フラットなケーブルデザインにはマイクロフォニックスを低減する効果があります。歩きながらなど振動の多い環境で利用される、ポータブル向けのケーブルでは非常に重要なことです。サウンド傾向は開放感と高解像度によってTrifectaの特徴をさらに引き出すものに仕上げてあります。名称の由来ですか? 私たちらしいSF的なネーミングで、『時間が経つのを忘れてしまうような』といった意味合いを表現したものです」

「タイムストリームケーブル」は、ケーブルを伝う振動を低減するフラットデザイン。3.5mmシングル/2.5mmバランス/4.4mmバランスの3本セットで同梱している

■「制動の効いた上質な低音」&「現代的でシャープな高音」が広々と響く!



では実際のTrifectaのサウンド・インプレッションをお届けする。実はメール・インタビューの回答を待たずにAstell&Kern「KANN MAX」でサウンド・チェックを始めていたのだが、後で「タワー型スピーカーを中心としたオーディオ・システムのサウンドにインスパイアされたモデルである」という回答が届いたとき、実に納得がいった。まさにローエンドの再生能力に余裕のある大型スピーカーへ、制動力の確かな大型アンプでパワーを突っ込んだかのような鳴りっぷりだったからだ。

特に印象的なのが、低域の上等なボリューム感。大柄かつ豊かに響きながら、遊びや膨らみが過ぎることもない。その一方、高域ではハイエンド・ダイナミック型イヤホンらしいシャープさを発揮。往年のオーディオらしい力強さと現代イヤホンらしい鋭さが見事に融合されている。

その見事さは、Robert Glasper Experiment「Human」で実感できた。この曲のベースやバスドラムは、中域寄りのローミッドから超低域のサブベースまで幅広い低音を濃厚に含んでいる。そのため低音を下手に出すイヤホンで聴くと「楽曲の低音×イヤホンの低音」で低音が過剰になり、飽和してボワンと緩んでしまったりもしやすいのだ。

しかしその点、Trifectaは完璧。ローミッドからサブベースまでに力を込めて濃厚に大柄に描写しつつ、前述のように制動も効いており、低音が飽和してしまうことはない。いわゆる “重低音ホン” 的なわかりやすい迫力を出しつつも、ハイエンド機らしくしっかりコントロールされた低音表現だ。そして中高域側描写の鋭さ、精密感のおかげで、エレクトリックなサウンドや空間配置も映えさせてくれるわけだから、総合的にも文句なし。

この低域描写と高域描写のコンビネーションは、YOASOBIのようなエレクトリック・ポップスとも、KORNのような現代的ラウド&ヘヴィ・ロックとも相性抜群。「エレクトリックやラウドの要素を吸収した現代ポップス全般を、こじんまりとしない大きな表現、迫力で楽しみたい人にぴったり!」と言えそうだ。

ただし、低音の制動を万全に確保するにはアンプ性能も必要条件となる。また本モデルは高感度であり、再生機器などに由来するバックグラウンドノイズも拾いやすい。なので、組み合わせるDAPやアンプとしてはハイエンドモデル、特にアンプパワーとS/Nに優れる機器との組み合わせをおすすめしたい。

パワーとS/Nに優れた再生機器と組み合わせて真価を発揮。しっかりとコントロールされた大迫力の低域、シャープで精密な中高域が響く

初見で受けるインパクトの強さも驚きだが、その第一印象をまったく裏切ることなく、ビジュアルから期待する通りのサウンドを叩き出してくるのだからさらに驚き。出したい音のイメージが明確にあり、それを実現するための技術を創意工夫し、耳まで届けるためデザインにも手を抜かない。そんなCampfire Audioだからこそ生み出せた会心作だ。
(企画協力:ミックスウェーブ)

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