PRハイエンドらしさ満載の音質特化型モデル
ピッドホンは“生半可じゃない”! AVIOT「WA-Z1PNK」の鳴らす、圧巻の描写力に大満足
声や楽器が際立つ圧巻の描写力! 無線/有線どちらも“満足な音”に
では、気になるサウンドの印象を紹介しよう。まずはLDAC対応スマホと組み合わせて、Bluetooth接続からチェックした。
特徴的に感じられたのは、まず声や楽器の質感を際立たせる傾向での描写力。そして、音楽のスピード感を引き出してくれる瞬発力だ。また、セミオープン型の強みを感じられる空間表現や、ローエンドからその下のサブベース帯域まで幅広い低域の充実も挙げられる。
音の質感については、宇多田ヒカルの『BADモード』で特にわかりやすかった。宇多田さんの声は、ただ滑らかに描き出してもそれはそれで魅力的。しかし、何の引っかかりもない滑らかさではやはり物足りなくもある。
ピッドホンで聴くと、手触り感は強めながらも滑らかさも十分に感じられる絶妙な描写力で、質感や解像感を高めてくれる適切なポイントに、高域のアクセントが置かれている。そのうえ超高域の伸びも良好。おかげでシンバルは美しい薄刃に描き出されるし、ギターの鈴鳴りもよい響きだ。超高域まで損なわず伝送できるLDACから、それを再生できるアンプやドライバーなど、全てが揃っているからこそのサウンドと言える。
星街すいせいの『Stellar Stellar』では特に、スピード感と空間性の実力を体感できた。ボーカルの一節に続くさくらみこ的に表現すると、「たん だーん♪どん・どん・どん・どん たぁーん♪」となるイントロの一瞬でもう、パァーンと弾ける音の速さとそれが広がっていく空間表現に思わずニンマリした。音の出始めや立ち上がりのレスポンスが素早く、しかもその音がその場に滞留せずに、すっと抜けていってくれるからこそ生まれる感触だ。ここでもアンプの十分な駆動力を感じられる。
低域周りの充実度は、YOASOBI『祝福』のベースとドラムスが、もっちりとした弾力と適度に大柄な音像、ズシンとくる重みで描き出されたことで強く納得。その弾力と大柄さが、緩い膨らみを伴わないところが特によい。重量感たっぷりでありつつ、スピード感も損なうことなく、低重心で疾走するリズムの迫力は圧巻。バスドラム四つ打ちの安定感と、動き回るベースの躍動感のコントラストも映える。
大満足のBluetooth接続と比較するかたちで、続いては有線接続の印象をお伝えしていこう。ヘッドホンの性能を引き出し切るパワフルなアンプを備えたDAP、Astell&Kernの「KANN MAX」と組み合わせてチェックした。
といっても、Bluetooth接続時から基本的な音調が大きく変化することはない。「有線・無線どちらで繋いでも、音質差をなるべく出さずに満足な音にしたい」という、中野氏のこだわりはしっかり実現されている。
その上で、あえて細かなところに触れるなら、有線接続の方がややナチュラル傾向な描写とは感じられた。例えば『BADモード』のシンバルのほぐれた感触、ドラムスのビンテージ録音的にモコッと心地よいアタック感は、有線接続時に際立つ印象だ。
だがそういったちょっとした感触の違いは、組み合わせるDAP側の個性が反映されてのことだろう。DAP等との組み合わせで、より自分好みの音を探していけるのも有線ヘッドホンの面白さ。ピッドホンはその楽しみも提供してくれるのだ。