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求めていたのはこれだった! “ながら聴き”に最適、HAYLOUのオープン型完全ワイヤレス「PurFree Buds」レビュー
大型16.2mmドライバーで広がりのあるサウンド
PurFree Budsのサウンド面についても見ていこう。サウンド面で徹底的にこだわったというのが、指向性の高さだ。それを生み出すのが、16.2mm径という大型のドライバーと前後に2つ並ぶスピーカーホール。前方のホールが外耳道に向いており、発せられた音が直接耳の中に届く。後方のホールは耳介に反響させて音の広がりを表現する。この相乗効果で聴きやすく、広がりのあるサウンドを実現した。
指向性が高いことは、音漏れも防止にも寄与している。HAYLOUによると、「適度に後方スピーカーから音を出力することで筐体内にこもりにくくなる」のだそうだ。そのため、「前方スピーカーのみと比べて音漏れが少なくなっている」という。家族に音楽を聴いてもらい、その際の音漏れを確かめたところ、小〜中音量ではまったく聞こえないレベル。中から大音量にするにつれ「何か聴いているな」とわかる程度に音が漏れてくる。しかし、こんな音量で聴くことはまずなく、常識の範囲での利用なら音漏れはまったく気にならないといえる。
機能や使い勝手の面でも妥協はない。音質や性能を左右するBluetoothチップには多くの製品で搭載され、低遅延と低消費電力に定評のあるクアルコム「QCC3040」を採用した。Bluetoothのバージョンは5.2に準拠し、コーデックはSBCとaptXをサポート。バッテリー容量が55mAhと大きいこともあり、フル充電で約8時間の再生に対応する。さらに充電ケースと併用することで、最大32時間も利用が可能となっている。なお、この充電ケースはアルミニウム合金製。表面にマット加工が施され、高級感のあるデザインなのも魅力だ。
イヤホン部の側面はタッチパネルとなっており、音楽の再生や停止、通話などの操作に対応する。イヤホン下部には物理ボタンも備えており、こちらは電源のオンオフやボリューム操作が行える。物理ボタンはクリック感があり、「電源長押し」や「ボリュームを2段階上げたい」といった場合、装着したまま手探りで操作しても確実に押しているのがわかる。この2種類のボタンを使い分けるというアイデアも、こだわりから生み出されたに違いない。
スピーカーのように開放的で浸透力あるサウンド
本機の特徴がわかったところで、肝心のサウンドを確かめよう。試聴にはGoogleのAndroidスマホ「Pixel 6」を組み合わせ、Amazon Musicから楽曲を再生した。そのサウンドは、開放的ながらもエネルギッシュで浸透力がある。一つひとつの音にもキレと潤いが共存し、活力に溢れている。
back numberの「アイラブユー」はゆったりした曲調で、PurFree Budsが得意とする、ながら聴きと相性がよい。サウンドはフラットで過度に低域や中高域が強調されていない。オープンタイプのためか、密閉型のイヤホンで聴くよりも、音圧が適度に抑えられている。かといって、音が拡散するようなことはなく、浸透力のあるサウンドを耳に届けてくれる。高性能な小型スピーカーで聴いているようなスケールの大きなサウンドだ。これこそ、16.2mm径の大型ドライバーだからこそ実現できるもの。一般的な完全ワイヤレスイヤホンのように6〜8mm径程度のドライバーを搭載した、いい意味で箱庭的な音とは一線を画す。
好きな曲と向き合うようなリスニングではどうだろうか。Aimerの「残響賛歌」はイントロから音数が多い楽曲だが、音の立ち上がりが早いため、それぞれの音の粒が立ち整理されている。音のエッジが立っているから駆動力のないスピーカー的なもっさり感もない。フラット傾向かつ開放的なため、ボーカルはやや距離はあるものの艶があり聴きやすい。そして低域はナチュラルだ。
控えめながらも適度な質量があり、存在感は申し分ない。開放的で余裕がある分、全体の雰囲気で聴かせる大らかなサウンドかと予測していたのだが、いい意味でまったく違う結果だった。しっかり音に向き合う使い方にも十分な実力を備えている。他にも、ジャズやオーケストラ、EDMなども聴いたが、どんなジャンルもフラットで開放的なサウンドを楽しめた。