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PR未来に期待が膨らむブランド第2弾モデル

良質な低音に大満足! MADOO「Typ512」はマルチドライバーの魅力が堪能できるイヤホンだ

公開日 2022/12/29 07:00 髙橋 敦
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日本のイヤホンブランド「Acoustune」のサブブランドにして、「マルチドライバー特化」を掲げる新鋭ブランド「MADOO(マドゥー)」から、デビュー製品「Typ711」に続く第2弾モデルが登場した。マイクロプラナードライバー1基とダイナミック型1基という構成を採用した「Typ512」だ。

Typ711はマイクロ・プラナーとバランスド・アーマチュア(BA)型のハイブリッド構成で興味深いモデルだったからこそ、そのMADOOが第2弾としてどんなモデルを出してくるのか楽しみに待っていた方も少なからずいるはず。早速その内容を見ていこう。

MADOO「Typ512」実売予想価格:税込99,980円前後(写真/田代法生)

■マグネシウムリチウム合金を採用した「Belix振動板」が大注目ポイント



まずは「マイクロプラナードライバー」について簡単に確認する。平面磁界駆動型ドライバーをイヤホン用に小型化。加えて、BAドライバーのような金属筐体に収納し、BAイヤホンの設計ノウハウを流用、応用可能とした最新ドライバーだ。

今回はそれを新開発「UHDダイナミックドライバー」と組み合わせているが、ドライバーに採用されている「Belix振動板」こそ大注目ポイント。マグネシウムリチウム合金の薄膜から成形したドーム部に、ベリリウム蒸着で強化されたエッジ部を貼り合わせた複合振動板だ。この合金の特徴は比重1.5g/cm3という軽さにある。ベリリウムが比重1.8g/cm3なのでそれよりも軽いことは言うに及ばず、PET樹脂で比重1.38~1.39g/cm3前後であることから、これはもう「金属の強さとプラスチック並みの軽さを併せ持つ合金」と評しても過言ではない。ドライバーの応答性の向上に大きく貢献しているはずだ。また、基部には医療用機材としても使用される樹脂も使用している。

「UHDダイナミックドライバー」の構造図。左から2番目の円形状のものがBelix振動板。本機はこのUHDダイナミックドライバーに加えて、マイクロプラナードライバー1基を組み合わせたハイブリッド構成となる

「MIAA(MADOO In-ear Acoustic Architecture)」にも改めて注目。この設計手法においてハウジングは、各ドライバーを計算通りに配置するための高精度マウンターであり、音を耳まで導くサウンドチューブ(音導管)の役割も果たす。計算され尽くした穴径や長さにより、従来のビニール・チューブでは不可避だったチューブの長さのズレや曲がりによる個体差、チューブ自体が鳴ってしまうことによる音質ロスを最小限に抑え込んでいるのだ。加えてTyp512では、不等径チューブや複合スプラインチューブも導入。新規レジン採用や製造工程見直しで5μmレベルの精度を達成したという3Dプリンティング技術あってこそそれらを実現できたというから、基礎研究の重要さも伝わってくる。

デザインされた “窓” には、耐熱性や耐腐食性を備えるサファイアクリスタルを採用。見た目の良さだけでなく、窓によりもたらされた空隙(隙間)により、ドライバーユニットの背圧をコントロールし、パフォーマンスを最大限に引き出す効果がある

ほか、潜水艦や腕時計の窓をイメージしたという外装、それを輝かせるサファイアクリスタル、装着性と遮音性を高めるオーバル形状ステム、Pentaconn Ear端子、3.5mmシングル/4.4mmバランス両ケーブル付属などはTyp711から継承されている。

兄弟ブランドであるAcoustuneによるカスタムケーブルを採用。導体は銀メッキ銅で、4芯(片側2芯)構造となっている


コネクターは高音質・高信頼性を誇る「Pentaconn Ear」。従来型のMMCXコネクターよりも、プラグ部とソケット部分がより密接に接触し、伝導性能に優れる

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