PRMDR-MV1は「開放型ハイエンド新世代の先駆け」
オーディオファンこそ要注目!ソニー初の“開放型”モニターヘッドホン「MDR-MV1」をウォークマンと組み合わせて聴いた
先にまとめると、開放型ハイエンドのジャンルにおけるMDR-MV1の強みや個性は「開放型のなかでも特に優れた立体感」と「開放型にしてはという断りなど不要なほど充実した低音」と感じた。以下、具体的に説明していく。
最初に視聴したのはアイドルVTuber 星街すいせいの楽曲「Stellar Stellar」。この楽曲は無数の音を緻密に配置して構築されたエレクトリックなポップスであり、こういったサウンドの表現は開放型全般が得意とするが、MDR-MV1の表現力はさらに格別だ。音の配置の立体感に加え、音像ひとつひとつの立体感までもが際立つ。音が頭の中に「浮かび上がる」快感を改めて味わえるヘッドホンだ。
歌詞「その手を伸ばして」「誰かに届くように」の語尾のエコーの再現には感動を覚えた。本機で聴くとエコーが左右に回る動きの幅の広さ、徐々に小さくなっていく音量変化の滑らかさにより、何とも美しい余韻が生まれるのだ。音源をハイレゾからサブスクのロッシーに変えるとそれが一気に乏しくなることから、本機がハイレゾの真価を引き出してくれていることも確認できる。
次に、Robert Glasper Experiment「Human」を聴いてみると、5弦ベースによる超低音の描写には、本機の低音再生の充実と個性が強く現れた。ベースの音像それ自体はもちろん、そこから音場全体に広がる低音の響きを豊かに描き出してくれるのだ。包み込むようなその響きは、R&B的な雰囲気の「Human」には特にフィット。バラード系にも合う。
ホセ・ジェイムズの楽曲「Bag Lady」などヒップホップ的な感触の曲だと、同じ5弦ベースにも、音像自体の力感や沈みの方をもっと求めたくなる。そこでMDR-M1ST用市販リケーブルを流用してのバランス駆動を試した。すると狙い通り、空間表現のさらなる向上と共に、ベースの力強さと沈み込みを補強できた。本機の活用においてはバランス駆動も有効な手法になりそうだ。
最後に忘れてはならない立体音響を、360 Reality Audioのサンプル音源、YouTubeで公開されている体験MVなどでチェックする。ここでは本機の空間表現の強みのうち、「純粋に広い」が特に発揮される印象を受けた。用意される空間が広いほど、距離感や移動感の表現はより大きくよりわかりやすくなるというわけだ。
MDR-MV1は「開放型ハイエンド新世代の先駆け」
現在において、エレクトリックサウンドで特に顕著な超現実的なほどの空間表現や、5弦ベースやシンセベースによるサブベース帯域の低音は、あらゆる音楽ジャンルで普通に用いられている。その状況下で開放型ヘッドホンは、前者に強みを持ちつつも後者への対応が課題だった。なればこそ、前者を伸ばし後者もクリアしたこのMDR-MV1は、開放型ハイエンド新世代の先駆けと言える。ぜひいち早く体感してほしい。
それに今後は、宇多田ヒカルによるイベント「40代はいろいろ♫」にてお披露目となった、360 Reality Audio Live技術による立体音響リアルタイム配信ライブの増加も期待できる。それを最大限に楽しめるヘッドホンもおそらくMDR-MV1であるから、先を見据えた導入もありだろう。
(提供:ソニーマーケティング株式会社)