HOME > レビュー > アートを感じさせるヘッドホンアンプ、SPL「Phonitor xe」の魅力に迫る

PRプロが認めた高音質

アートを感じさせるヘッドホンアンプ、SPL「Phonitor xe」の魅力に迫る

公開日 2023/09/28 06:30 野村ケンジ
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■ヘッドホンの優秀さを引き出すクリアなサウンドを堪能



さて、実際のサウンドを確認してみよう。今回の取材ではソニーの開放型モニター「MDR-MV1」や、HIFIMANの平面磁界駆動型ヘッドホン「Arya Organic」などを使用してみた。

MDR-MV1で聴くとわかるのが、Phonitor xeのヘッドホンアンプとしての素性のよさだ。ニュートラルな音色で、抑揚表現も過不足なく、見通しのよいクリアなサウンドが楽しめる。ややダイナミックレンジが広がる印象で、臨場感が増してくれるので悪くない。音場表現もMDR-MV1の優秀さをしっかりと引き出してくれる。

SPL独自技術3「DLP120とは?」



120Vテクノロジーによって駆動されるデュアルローパスフィルター(Dual LowPass Filter)のこと。DACから出力された音源に対して、アナログでローパスフィルターをかけることで、よりなめらかなサウンドを実現できるという。


しかしながら、組み合わせとして魅力的だったのはArya Organicのほうだ。平面磁界駆動型らしい歪みのないクリアネスな中低域や、艶やかで煌びやかな高域が巧みに引き出され、魅力的なサウンドを楽しませてくれた。

以前、スタンダードモデルのPhonitor xを試聴した際に、いわゆる鳴らしにくいヘッドホンでも十全に鳴らしてくれる懐の深さを感じたが、Phonitor xeではさらに「ピュアな音色が楽しめる」印象だった。

DAC搭載モデルの背面には、アナログ音声入力(XLR/RCA)、デジタル音声入力(USB Type-B/同軸/光/AES)、ヘッドホン出力(XLR 4pin/6.3mm標準)端子が搭載されている

Phonitor xeとPhonitor x、両者は価格がほとんど変わらず音質差も少ないので、もちろん汎用性の高い「x」を選択するのもよいだろう。しかし、スピーカーとの接続が必要ない人には、より音楽的な表現が味わえるPhonitor xeも選択肢に加えてほしい。いずれにしても、リファレンスのヘッドホンアンプを探している人に、Phonitorシリーズは大いに推薦できる、とても優秀な製品だ。



USB DAC搭載ヘッドホンアンプ
SPL「Phonitor xe」
販売価格:343,200円(税込)
SPEC ●定格出力:アンバランス 2.7W+2.7W(600Ω)、バランス 8W+8W(600Ω) ●対応サンプリング周波数/量子化ビット数:PCM→768kHz/32bit、DSD→11.2MHz ●外形寸法:278W×100H×330Dmm ●質量:5.1kg

120Vテクノロジー搭載/Phonitor Matrix クロスフィード6段階・スピーカーアン
グル4段階/ VUメーター搭載/DAC768対応/ヘッドホン端子(4PinXLRバランス/6.3mm標準アンバランス)



本記事は「プレミアムヘッドホンガイド Vol.30 2023 AUTUMN」からの転載です。
(協力:A&Mグループ株式会社)

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: