PRフラグシップMOMENTUMを受け継ぐ新シリーズ
ACCENTUM Wirelessレビュー。“高品質を身近にする”期待に応えた「みんなのゼンハイザーのヘッドホン」
■疲れにくくも解像感に富んだ心地よいサウンド。EQの使いこなしがいもある
音楽を再生してみよう。ACCENTUM Wirelessにもゼンハイザーが独自に開発した37ミリ口径のダイナミック型ドライバーが搭載されている。MOMENTUMの42ミリ口径に比べるとサイズは小さなドライバーだが、広いレンジをカバーするパワフルなサウンドはそのまま継承されている。フラットバランスで解像感にも富んだ心地よいサウンドだ。長く聴いても疲れない。
ACCENTUM WirelessはaptX HDによるリスニングに対応している。今回はGoogle Pixel 8に接続して原田知世のアルバム『恋愛小説4〜音楽飛行』から「(They Long To Be) Close To You」を聴いた。ボーカルの繊細なニュアンスを軽やかに引き出す。声の輪郭線が柔らかく、表情の変化も鮮やかに描写する。弦楽器の生音の温かさも染みてくる。余韻の広がりに誇張感がなく、爽やかな後味を残す。クールな表情に好感を持った。
ACCENTUM WirelessのサウンドはMOMENTUM 4 Wirelessの印象に近く、ボーカルの質感や楽器の音色、ディテールの描写が自然に感じられるところがとても心地よかった。原音再生を真摯に追求してきたゼンハイザーのフィロソフィーが見事に継承されている。
フラグシップのMOMENTUMと比べてしまうと、素の状態では低音域の厚みがわずかにもの足りなく感じるところもあったが、Smart Controlアプリできめ細やかなアレンジができる。イコライザーやバスブーストの機能が低音の調整に有効だ。あるいは「サウンドチェック」からは数ステップで好みのサウンドバランスを探してカスタマイズができる。作成したイコライザープリセットは、保存すれば繰り返し使える。上手く使いこなせばMOMENTUM級のリッチなサウンドをACCENTUM Wirelessでも存分に楽しめる。
ACCENTUM Wirelessを旅行など遠出に持ち出す時には、約50時間の連続使用に耐える驚きのスタミナが効いてくる。特に飛行機で海外へ旅をする際には、乗り継ぎの時間も含めて片道の旅の間、追加の充電をしないまま音楽や動画の再生が安心して楽しめる。
そしてACCENTUM Wirelessは本体の質量が約222gと軽く、長時間の使用でも疲れない装着感を実現している。音楽再生やハンズフリー通話の基本操作は右イヤーカップの側面にまとめた物理ボタンで行う。ハンズフリー通話はマイク音声の品質が安定しているため、通話相手にクリアな声が届けられる。また「側音」機能により通話中にマイクで拾った自分の声をミックスして聴く機能もあるので、違和感なく通話に集中できた。外観もシンプルなデザインなので、ビジネスシーンにも使いやすいコミュニケーションデバイスだと思う。
ACCENTUM Wirelessを上手に使いこなすために気をつけたい点がふたつある。ひとつは本機の付属品にはキャリングケースがないので、バッグに入れて持ち歩く機会が増えたら適当なサイズのキャリングポーチを買いそろえたい。もうひとつ、ACCENTUM Wirelessはワイヤレスリスニングに特化したヘッドホンだ。飛行機の旅の際、機内エンターテインメントのサウンドを聴くためにACCENTUMを活用することを考えているのであればBluetoothオーディオトランスミッターもあると安心だ。
多くの音楽ファンから信頼を獲得するMOMENTUMの資産を引き継いだ「みんなのゼンハイザーのヘッドホン」がACCENTUM Wirelessなのだ。
(提供:Sonova Consumer Hearing Japan)