PR【特別企画】秋葉原の真空管オーディオショップ
専門店のこだわり満載のアナログアクセサリーも注目。秋葉原のオーディオショップ・アムトランスを訪ねる
真空管の輸入販売では信頼と高い知名度を誇るアムトランスが、いまアナログ関連のオーディオアイテムを開発・発売を行っている。しっかりした理論と音づくりに基づいた製品開発をしているのが特徴だ。そんなアムトランスのアンテナショップを炭山アキラ氏が訪ね、オリジナルのアームベース、ヘッドシェル、ターンテーブルシートのサウンドを確認した。
秋葉原にほど近い神田淡路町に店舗を構えるアムトランスは、ヴィンテージ管を含む真空管の小売店、というイメージをお持ちの読者が多いのではないか。真空管の輸入販売から始まった同社は今年で創業33周年、秋葉原へ店舗を設けてからでも28年を数える老舗である。
「“唯一無二にして究極”を目指す」という理念を掲げる同社は、最近になって石油系樹脂の梱包材を減らして梱包全体も最小限とし、また製品作りにおいても自然由来の素材を極力使うようにする「Blue宣言」を発表した。この規模の社にとっては大きな負担となるであろうが、同社・草薙正朗代表の高邁な精神に敬意を表したい。
そんなアムトランスは昨今、アナログ関連に大きく力を入れている。従来製品に大きくテコ入れしたものも新開発品もあって壮観だ。
皆さんはエボナイトという素材をご記憶だろうか。天然ゴムに硫黄を添加した、19世紀からある天然樹脂である。かつては広く用いられた素材だが、合成樹脂の技術革新によって産業の表舞台から姿を見ることは少なくなった。
草薙代表はある会合で日本唯一のエボナイト素材メーカーと懇意になり、それで試験的に取り寄せた同素材でアクセサリーを試作してみると望外に音が良く、瞬く間に高音質化へのキーパーツとなったそうだ。
淡路町の店頭に設置された試聴システムのプレーヤーはマイクロ「BL-111」だが、それにフィデリックスのピュアストレート・アーム「ゼロ・サイドフォース」がマウントされている。ところが、よく見るとアームベースが別物に変わっているではないか。
同社の薬師寺純平氏によると、厚い真鍮製のSME互換ベースとエボナイト製のフィデリックス専用ベースの二重構造とし、「ゼロ・サイドフォース/アムトランスモデル」として市販されているそうだ。その両者を採用することによって明らかにS/Nが向上し、音ががっちり定まったという。
また、ヘッドシェルにも驚異的な加工がなされている。ブレードのカートリッジとの接触面に球状の窪みを3点穿ち、そこへ金属の球を載せてカートリッジを3点支持する機構である。
当初は球より口径の小さな穴をあけていたが、それでは円形の線接触となってしまうので、ソフトスパイク的な点接触を狙っての加工という。
さらに驚くのは、エボナイトでカートリッジ・ビスを製作されていることだ。同素材は強度に優れるから可能な加工というが、いくら高硬度でも樹脂で大丈夫なのかと不安になる人もおいでだろう。このビスは試供品を拝借して自宅で単独テストしてみたが、音が太く艶やかになり、音楽を朗々と表現するようになった。薬師寺氏によると、手でいっぱいまで締めてからドライバーで僅かに力を加えるくらいでよいとか。自宅でもそのようにしての実験結果である。
もうひとつ、こちらは以前から発売されていたグッズのブラッシュアップ版だが、寺垣式ターンテーブルシート+スタビライザーというものがある。
伝説のエンジニア、故・寺垣武氏の手になるプレーヤーはプラッターが薄いすり鉢型になっており、それへ重量級のスタビライザーを組み合わせることでレコードの反りをほぼ完璧に抑えていた。その方式を生かすべく、草薙代表が寺垣氏の了解を得て完成させたのがこのシートとスタビライザーの原型である。
現在スタビライザーは新世代のものを開発中というが、現行世代の個体を使い、まず前述のアームとシート/スタビライザーのみで音を聴かせてもらった。カートリッジはDL-103だったが、とてもそうとは思えないアキュラシーと切れ味、そしてそれらを覆い隠す成分が圧倒的に少ない超絶的なS/Nを聴かせる。
3点支持のシェルに交換すると情報量がさらに激増、音が伸びる、伸びる!音場広く抜けの極めて良い、音楽の本質を顕わにしつつ楽しめるタイプの音と聴いた。
最後に草薙代表が恐るべき実験をしてくれた。何と演奏中のプレーヤーを、レコードの上から拳で叩くのだ。そんなことをしたら音は飛ぶわ超低域ノイズでスピーカーやアンプが滅茶苦茶になるわ、と思いきや、まったく何事も起こらない。ノイズひとつしないのだ。
どんなプレーヤーでも可能かどうかは分からぬが、少なくともこのアーム、シート+スタビライザー、そして3点支持シェルにはとてつもないレコード演奏の安定作用があることが知れた。いやはやアムトランス、大変な技術の持ち主である。
■オーディオショップ アムトランス
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町 2-10-14 ばんだいビル1F
定休日 日/祝
営業時間 10:00 - 18:00
Tel:03-5294-0301
※製品はすべてアムトランスオンラインショップにて購入可能。またアムトランスショールームにて試聴予約もできる
(提供:アムトランス)
本記事は『季刊・アナログ vol.81』からの転載です
アナログ関連のオリジナルアイテムにも力を入れる
秋葉原にほど近い神田淡路町に店舗を構えるアムトランスは、ヴィンテージ管を含む真空管の小売店、というイメージをお持ちの読者が多いのではないか。真空管の輸入販売から始まった同社は今年で創業33周年、秋葉原へ店舗を設けてからでも28年を数える老舗である。
「“唯一無二にして究極”を目指す」という理念を掲げる同社は、最近になって石油系樹脂の梱包材を減らして梱包全体も最小限とし、また製品作りにおいても自然由来の素材を極力使うようにする「Blue宣言」を発表した。この規模の社にとっては大きな負担となるであろうが、同社・草薙正朗代表の高邁な精神に敬意を表したい。
そんなアムトランスは昨今、アナログ関連に大きく力を入れている。従来製品に大きくテコ入れしたものも新開発品もあって壮観だ。
皆さんはエボナイトという素材をご記憶だろうか。天然ゴムに硫黄を添加した、19世紀からある天然樹脂である。かつては広く用いられた素材だが、合成樹脂の技術革新によって産業の表舞台から姿を見ることは少なくなった。
草薙代表はある会合で日本唯一のエボナイト素材メーカーと懇意になり、それで試験的に取り寄せた同素材でアクセサリーを試作してみると望外に音が良く、瞬く間に高音質化へのキーパーツとなったそうだ。
淡路町の店頭に設置された試聴システムのプレーヤーはマイクロ「BL-111」だが、それにフィデリックスのピュアストレート・アーム「ゼロ・サイドフォース」がマウントされている。ところが、よく見るとアームベースが別物に変わっているではないか。
同社の薬師寺純平氏によると、厚い真鍮製のSME互換ベースとエボナイト製のフィデリックス専用ベースの二重構造とし、「ゼロ・サイドフォース/アムトランスモデル」として市販されているそうだ。その両者を採用することによって明らかにS/Nが向上し、音ががっちり定まったという。
金属球の3点支持構造にしたヘッドシェル
また、ヘッドシェルにも驚異的な加工がなされている。ブレードのカートリッジとの接触面に球状の窪みを3点穿ち、そこへ金属の球を載せてカートリッジを3点支持する機構である。
当初は球より口径の小さな穴をあけていたが、それでは円形の線接触となってしまうので、ソフトスパイク的な点接触を狙っての加工という。
さらに驚くのは、エボナイトでカートリッジ・ビスを製作されていることだ。同素材は強度に優れるから可能な加工というが、いくら高硬度でも樹脂で大丈夫なのかと不安になる人もおいでだろう。このビスは試供品を拝借して自宅で単独テストしてみたが、音が太く艶やかになり、音楽を朗々と表現するようになった。薬師寺氏によると、手でいっぱいまで締めてからドライバーで僅かに力を加えるくらいでよいとか。自宅でもそのようにしての実験結果である。
いま一度、寺垣式のターンテーブルシートを
もうひとつ、こちらは以前から発売されていたグッズのブラッシュアップ版だが、寺垣式ターンテーブルシート+スタビライザーというものがある。
伝説のエンジニア、故・寺垣武氏の手になるプレーヤーはプラッターが薄いすり鉢型になっており、それへ重量級のスタビライザーを組み合わせることでレコードの反りをほぼ完璧に抑えていた。その方式を生かすべく、草薙代表が寺垣氏の了解を得て完成させたのがこのシートとスタビライザーの原型である。
現在スタビライザーは新世代のものを開発中というが、現行世代の個体を使い、まず前述のアームとシート/スタビライザーのみで音を聴かせてもらった。カートリッジはDL-103だったが、とてもそうとは思えないアキュラシーと切れ味、そしてそれらを覆い隠す成分が圧倒的に少ない超絶的なS/Nを聴かせる。
3点支持のシェルに交換すると情報量がさらに激増、音が伸びる、伸びる!音場広く抜けの極めて良い、音楽の本質を顕わにしつつ楽しめるタイプの音と聴いた。
最後に草薙代表が恐るべき実験をしてくれた。何と演奏中のプレーヤーを、レコードの上から拳で叩くのだ。そんなことをしたら音は飛ぶわ超低域ノイズでスピーカーやアンプが滅茶苦茶になるわ、と思いきや、まったく何事も起こらない。ノイズひとつしないのだ。
どんなプレーヤーでも可能かどうかは分からぬが、少なくともこのアーム、シート+スタビライザー、そして3点支持シェルにはとてつもないレコード演奏の安定作用があることが知れた。いやはやアムトランス、大変な技術の持ち主である。
■オーディオショップ アムトランス
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町 2-10-14 ばんだいビル1F
定休日 日/祝
営業時間 10:00 - 18:00
Tel:03-5294-0301
※製品はすべてアムトランスオンラインショップにて購入可能。またアムトランスショールームにて試聴予約もできる
(提供:アムトランス)
本記事は『季刊・アナログ vol.81』からの転載です