【特別企画】オーディオアクセサリー銘機賞2024<特別賞>受賞モデル
ネットワークオーディオの新提案!SFPポートに直接挿入できるDELA「C1」ケーブルはどう使う?
音源を格納するストレージを、ハイエンドオーディオのための「ミュージックライブラリ」として進化させてきたDELA。同社からネットワーク再生のための新たな提案として“SFP LANケーブル”「C1」が登場した。SFP LANケーブルというのも聞きなれない名称だが、彼らの新しい取り組みを、ネットワークオーディオを探求する評論家の秋山 真氏と共に探ってみた。
C1は、近年ネットワークプレーヤーやサーバー、ハブ等に搭載が増えてきたSFPポートに挿入して使用する“メタル導体”のケーブルとなる。SFPポート搭載の背景には、SFPポートにSFPモジュール+光ファイバーケーブルを接続することで、電気的ノイズを物理的に遮断(アイソレート)することが可能になる、という考え方があった。
一方今回のC1は、いわばモジュールとケーブルがそもそも一体になったような形状で、SFPポートにそのまま挿入できる。コンピュータ系の世界ではダイレクト・アタッチ・ケーブルと呼ばれているものだが、これをオーディオの世界に活用できないか、と考えたのが今回のC1の開発背景にあるのだという。
秋山氏も「SFPポートは光伝送のためのものだ、と思っていたので、こういったケーブルがあることは初めて知りました」と驚きを隠せない。「光アイソレートの効果は私も何度もこの耳で確認しており、サウンドステージの広がりやS/Nの向上を感じています。ですが、ネットワークプレーヤーの直近は、光ファイバーよりメタルの方が音質的に有利なのではないか、というのは以前から感じていたテーマです。この製品は私の仮説を裏付けるものとして非常に楽しみです」と期待を寄せる。
C1の導体は、RJ-45のLANケーブルがツイストペア8本に対し、同軸2本で構成されているという。メルコシンクレッツの佐藤氏によると、「RJ-45に対して回路がシンプルで、消費電力が少ないためノイズが少ないこと、また、光-電気の変換が存在しないために、音質面でも有利と考えています」とのこと。またシールド等もオーディオグレードとして選定されているという。
今回のテストでは、ネットワークプレーヤーにLINNのKLIMAX DSM/3、オーディオサーバーにDELAのN1、ネットワークハブとしてDELAのS100を用意。C1は2本用意し、S100とKLIMAX、N1の両方に接続ができるよう準備した。
ということで早速試聴を開始。楽曲は秋山氏が普段レファレンスとしている曲の中から桑田佳祐の『いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)』を使用している。
最初はN1について、(1)RJ-45のLANケーブル、(2)SFPモジュール+光ファイバーケーブル、(3)C1を聴き比べた(上記画像における経路Aのケーブルを交換)。
秋山氏は「(3)C1は明らかにいいでしょう! サウンドが瑞々しくなって、音場も広くなった感じがします。(2)光ファイバーの空間表現力は素晴らしいですが、やはり音の実体感というか、ガッツリとした色の濃さはメタルの良さがあるように感じます。桑田さんのこの曲はCD音源なのですが、ハイレゾを聴いているような情報量の多さを感じますね」とコメント。
また、光ファイバーの課題として、「アイソレーションの効果は間違いなく感じるものの、音が柔らかくなり、ちょっと物足りなさを感じること」もあったという。「今回C1ケーブルを聴いて改めて確信しましたが、光ファイバーは上流で活用する、つまりルーターとハブ間などに使用して一旦光アイソレートしたのちに、ハブ以降ではメタルのケーブルを使用した方が良質な結果が得られるような気がします」
N1にC1を繋いだ状態のまま、ネットワークプレーヤー側(経路B)にもC1を追加してみた。「これはぜひ両方C1にしたいところですね。音圧が増してくる感じがします。2本使うとグッとその良さが出てきますね」
ネットワーク由来のノイズ対策はまだまだ未知数が多い。C1は、ネットワークオーディオのグレードアップに新たな可能性を提示してくれるケーブルである。
(提供:メルコシンクレッツ)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.191』からの転載です。
SFPポートにそのまま挿入できるネットワークケーブルが登場
C1は、近年ネットワークプレーヤーやサーバー、ハブ等に搭載が増えてきたSFPポートに挿入して使用する“メタル導体”のケーブルとなる。SFPポート搭載の背景には、SFPポートにSFPモジュール+光ファイバーケーブルを接続することで、電気的ノイズを物理的に遮断(アイソレート)することが可能になる、という考え方があった。
一方今回のC1は、いわばモジュールとケーブルがそもそも一体になったような形状で、SFPポートにそのまま挿入できる。コンピュータ系の世界ではダイレクト・アタッチ・ケーブルと呼ばれているものだが、これをオーディオの世界に活用できないか、と考えたのが今回のC1の開発背景にあるのだという。
秋山氏も「SFPポートは光伝送のためのものだ、と思っていたので、こういったケーブルがあることは初めて知りました」と驚きを隠せない。「光アイソレートの効果は私も何度もこの耳で確認しており、サウンドステージの広がりやS/Nの向上を感じています。ですが、ネットワークプレーヤーの直近は、光ファイバーよりメタルの方が音質的に有利なのではないか、というのは以前から感じていたテーマです。この製品は私の仮説を裏付けるものとして非常に楽しみです」と期待を寄せる。
C1の導体は、RJ-45のLANケーブルがツイストペア8本に対し、同軸2本で構成されているという。メルコシンクレッツの佐藤氏によると、「RJ-45に対して回路がシンプルで、消費電力が少ないためノイズが少ないこと、また、光-電気の変換が存在しないために、音質面でも有利と考えています」とのこと。またシールド等もオーディオグレードとして選定されているという。
ハイレゾを聴いているような情報量の多さが得られる
今回のテストでは、ネットワークプレーヤーにLINNのKLIMAX DSM/3、オーディオサーバーにDELAのN1、ネットワークハブとしてDELAのS100を用意。C1は2本用意し、S100とKLIMAX、N1の両方に接続ができるよう準備した。
ということで早速試聴を開始。楽曲は秋山氏が普段レファレンスとしている曲の中から桑田佳祐の『いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)』を使用している。
最初はN1について、(1)RJ-45のLANケーブル、(2)SFPモジュール+光ファイバーケーブル、(3)C1を聴き比べた(上記画像における経路Aのケーブルを交換)。
秋山氏は「(3)C1は明らかにいいでしょう! サウンドが瑞々しくなって、音場も広くなった感じがします。(2)光ファイバーの空間表現力は素晴らしいですが、やはり音の実体感というか、ガッツリとした色の濃さはメタルの良さがあるように感じます。桑田さんのこの曲はCD音源なのですが、ハイレゾを聴いているような情報量の多さを感じますね」とコメント。
また、光ファイバーの課題として、「アイソレーションの効果は間違いなく感じるものの、音が柔らかくなり、ちょっと物足りなさを感じること」もあったという。「今回C1ケーブルを聴いて改めて確信しましたが、光ファイバーは上流で活用する、つまりルーターとハブ間などに使用して一旦光アイソレートしたのちに、ハブ以降ではメタルのケーブルを使用した方が良質な結果が得られるような気がします」
N1にC1を繋いだ状態のまま、ネットワークプレーヤー側(経路B)にもC1を追加してみた。「これはぜひ両方C1にしたいところですね。音圧が増してくる感じがします。2本使うとグッとその良さが出てきますね」
ネットワーク由来のノイズ対策はまだまだ未知数が多い。C1は、ネットワークオーディオのグレードアップに新たな可能性を提示してくれるケーブルである。
(提供:メルコシンクレッツ)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.191』からの転載です。