PRANC、外音取り込みも納得の音質
とどまる所を知らない音質追求。ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 4」レビュー
■音への没入をサポートする機能、操作性もより洗練
アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)はMTW3と同じく、周囲の騒音レベルに合わせて消音効果を自動で最適化する「アダプティブノイズ除去」とハイブリッド方式を組み合わせている。最新鋭のマイクユニットに合わせて設計したノイズフィルターにより、自然な消音効果が得られるという。
筆者は騒音量の多い地下鉄の車内、中程度に賑やかなカフェなど色んな場所で試してみた。ANCの効果がビシッと決まり、煩わしい環境ノイズがスッと抑えられる。耳の奥を突くようなプレッシャーはない。ANCのオン/オフを切り替えても音楽リスニングのバランスが崩れない。経験に富んだゼンハイザーらしい、とても丁寧なチューニングだ。
モバイルアプリ「Smart Control」から選べる「風切音の防止」機能は、MTW3よりもさらに効果がブラッシュアップされていた。本機を屋外で使う際には常時オンにしたいくらいだ。
外音取り込み(トランスペアレントモード)の機能もまた環境音の聞こえ方がいっそうクリアになり、心地よさが増していた。Smart Controlから外音取り込みの強度がスライダー操作から無段階で細かく設定できる。
ANCとメリハリを効かせて使い分けるなら、プリセットから効果を「高」に決め打ち設定にしてもいい。屋外の環境音がよく聞こえるので、歩きながら安全に音楽やYouTube動画の音声が聴ける。オフィスや自宅でオンライン会議に参加する際にも外音取り込みをオンにしておけば、周りから声をかけられた時にもすぐ反応できる。
トランスペアレントモードをオンに切り替えた時に、再生中の音楽を一時停止する設定もアプリから選べる。飛行機による空の旅で、時折キャビンクルーと会話を交わす際などにはイヤホンを着けたまま、より聞こえが良くなるのでおすすめだ。
MTW4は左右イヤホンの側面がタッチセンサーリモコンになっている。マルチタップ操作でANCや外音取り込みモードの切り替えが素速くできる。センサーの反応も良い。
タップ操作はユーザーが覚えやすいように、利用可能なオプションの範囲内で自由に操作方法をカスタマイズできる。欲を言えば「風切音の防止」をもっと頻繁に使いたいので、本体のタップ操作でオン/オフが切り替えられるようにしてほしい。ソフトウェア・アップデート等でオプションが追加されることを期待したい。
MTW4は左右イヤホンのノズル内に通話用マイクを内蔵している。ハンズフリー通話時にユーザーの声だけをピックアップして相手にクリアに伝えるノイズリダクション技術などが搭載されている。長時間に渡るオンライン会議の通話用デバイスとして本機を使ってみたところ、確かに疲れにくさを実感した。
今シーズンは“MOMENTUMシリーズ”の新顔であるスポーツタイプの「MOMENTUM Sport」も登場するが、MTW4もイヤホン本体がIP54相当の防塵・防滴仕様なのでスポーツシーンで本格的に使える。MOMENTUM Sportはハウジングをセミオープンとしているのでサウンドや使い勝手が違う兄弟機だ。密閉型のMTW4はパッシブな遮音性能も高いので、より幅広いシーンで使い回しが利くと思う。
MTW4で最良の音質と遮音効果を得るためのTIPSとして、Smart Controlアプリが搭載する「フィットテスト」を活用して、イヤーピースのサイズ選択や装着状態を逐次確認することをおすすめしたい。ゼンハイザーの最新プレミアムイヤホンが最高のリスニング体験を届けてくれるはずだ。
(企画協力:Sonova Consumer Hearing Japan)