PR作り方一新で装着感さらにピッタリ
熱で柔らかくなるイヤピ、待望のニューモデル!「SednaEarfit XELASTEC II」をシリーズ同士で比較試聴
いまや高性能&高品質イヤーピースを代表する存在となったAZLAの“SednaEarfitシリーズ”から、新モデル「SednaEarfit XELASTEC II」(以下、XELASTEC II)が登場した。
本モデルは、2020年に発売された「SednaEarfit XELASTEC」(以下、初代XELASTEC)のリニューアルバージョン。初代XELASTECは熱可塑性エラストマー(TPE素材)を採用することで高い密着性を実現。体温で柔らかくなり耳穴にあわせて変形することで、フィット感の良さ、遮音性の高さをもたらし、よりピュアなサウンドを楽しむことができる製品となっていた。また、TPE素材ならではの密着性の高さから、耳からイヤホンが抜けやすい人などにとっても待ち焦がれた製品といえた。
そんな初代XELASTECの改良型となるXELASTEC IIでは、初代と同じ熱可塑性のTPE素材を使用しつつ製造方法を変更することで、装着性や耐久性をグレードアップ。なかでも軸の部分は、デザインや作り込みに改良を施すことで、イヤホンへの固定力を向上させているという。
加えて、内穴部分には他のモデルでも採用された独自のハニカム構造のワックスガード「コアレスワックスガード」を追加。一体成型された蜂の巣状のフィルターネットがイヤホンから出る音の伝達を邪魔することなく、異物の流入のみを効果的に防いでくれる。
もうひとつ着目したいのが、XELASTEC IIはSSからLLまで全6サイズを用意していること。そして、サイズごとに細かく高さが変えられていたりもする。実は、これまで大半の“SednaEarfitシリーズ”は全サイズで高さを揃えている傾向があった。これは、サイズが変わっても耳内で固定する位置が変わらないという大きなメリットがあるため、筆者としては大歓迎な造りではあった。
しかしXELASTEC IIでは、先に登場した医療用シリコン製の「SednaEarfit MAX」(以下、MAX)と同様に、サイズごとに微妙に高さを変えることによって、全サイズで快適なフィット感を得られるという。実際の数値を見てみると、SSサイズの7mmからLLサイズの8mmまで、0.2mm刻みで高さが変わっている。この僅かな差は、装着感にどういった影響をもたらしてくれるのだろうか。
さて、実際の試聴を始める前に、まずは手元にある初代XELASTECとXELASTEC II、新旧を見比べてみた。
初代XELASTECはグレー、XELASTEC IIはクリアと、傘の部分の色が異なるためひと目で見分けがつくし、傘のデザインも微妙に異なっているように見える。その結果、触ってみたときの感触も微妙に異なっているように感じる。
初代は“ふにゃっ”としたとても柔らかい傘部分だが、XELASTEC IIのほうは同じくらい柔らかいもののコシがあるというか、手を離すと素早く元のかたちに戻るしっかり感がある。これは、主に「コアレスワックスガード」採用による効果が大きいと思われるが、デザインの変更も少なからず効果を発揮しているようだ。結果として、フィット感が向上したようにも感じられた。
さらに、軸部分のデザインは大きく変更されている。軸の外径はさほど変わっていないものの、出口部分の内径が小さくなっているので、イヤホンのノズル部分をしっかりとホールドしてくれそう。それでいて付け外しは難しくなっておらず容易に行える。これはありがたい。
ということで、ここからは試聴した印象をお届けしよう。製品はソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」を使用、XELASTEC新旧比較はもとより、先ほどもあげた医療用シリコンモデルのMAXや、“SednaEarfitシリーズ”唯一のフォームタイプ「SednaEarfit Foamax」(以下、Foamax)などとも比較してみた。
新旧XELASTECの差は意外なほどハッキリと分かる。フィット感があきらかに向上し、遮音性を高めてくれる。初代XELASTECの特徴だった“ペタペタ”感はかなり薄まったのだが、それでいてフィット感(この場合ピッタリひっついている感というほうが正しいかもしれない)はよくなっている。絶妙な造りといえる。
音質に関しては、まず低域の量感やフォーカス感が向上、ベースラインがよく見えるようになるなど、迫力ある、かつ落ち着きのあるサウンドキャラクターに変化する。さらに、気になっていた高域のピークが抑えられ、随分と聴きやすい音に変わった。
遮音性が高まっているので、楽器のディテール表現などもよく伝わってくる。クラシックを聴くと、それぞれの演奏がいちだんとリアルに感じられるので臨場感が高く、何よりも聴いていて楽しい。いっぽう、音色も素直な表現になってくれるので、女性ヴォーカルなどはそれぞれの魅力がしっかりと伝わってくる。
続いて、MAXと比較してみる。傾向としては、MAXのほうがよりニュートラルなサウンドバランスといったイメージだろうか。音質的にMAXの実力は高く、WF-1000XM5との帯域バランス的な相性も抜群にいい。XELASTEC IIだと、(WF-1000XM5が本来持つ)重低音イヤホン的なキャラクターも垣間見られるようになるため、どちらをチョイスするかは好み次第。迫力よく聴きたいならXELASTEC II、ハイファイ的に聴きたいならMAXを選ぶのが良さそうだ。
ただし、装着感に関してはXELASTEC IIのほうが圧倒的。フィット感については、違和感のない、それでいてしっかりとした装着感をもたらしてくれた。いっぽうでMAXは、(筆者の場合)左右でサイズを変える必要があるなど、細かい調整が必要だった。
最後に、フォームタイプのFoamaxと比較試聴してみる。さすがフォームタイプだけあって、装着感についてはかなりのよさを持つ。遮音性やフィット感が高さに加えて装着時のストレスが少ないため、長時間の使用も苦にならない。
いっぽうで音質、特にディテールの細やかさや低域のフォーカス感の高さに関してはXELASTEC IIのほうが1枚も2枚も上手。端的にいえばXELASTEC IIのほうが迫力あって“楽しい”サウンドに感じられる。
音楽に集中して楽しみたい人はXELASTEC II、長時間“ながら聴き”で使いたい人はFoamaxを選ぶのがよさそうだ。
◇
このようにXELASTEC IIは、ぴったりとフィットしてくれる装着感の高さ、音質面での良好さなど、トータル的な完成度の高さが光る、なかなかに魅力的な製品に仕上がっていた。
上で比べたように、MAXやFoamaxもそれぞれ独自の魅力があるので、装着感や音の好み次第ではこれらを選ぶのもひとつの手だが、装着性の高さについてはXELASTEC IIがかなりのアドバンテージを持ち合わせている。
時々、完全ワイヤレスイヤホンが耳から落ちてしまう、という人には是非一度試して欲しい。いままでの煩わしさを一気に解決してくれるはずだ。
(協力:アユート)
本モデルは、2020年に発売された「SednaEarfit XELASTEC」(以下、初代XELASTEC)のリニューアルバージョン。初代XELASTECは熱可塑性エラストマー(TPE素材)を採用することで高い密着性を実現。体温で柔らかくなり耳穴にあわせて変形することで、フィット感の良さ、遮音性の高さをもたらし、よりピュアなサウンドを楽しむことができる製品となっていた。また、TPE素材ならではの密着性の高さから、耳からイヤホンが抜けやすい人などにとっても待ち焦がれた製品といえた。
そんな初代XELASTECの改良型となるXELASTEC IIでは、初代と同じ熱可塑性のTPE素材を使用しつつ製造方法を変更することで、装着性や耐久性をグレードアップ。なかでも軸の部分は、デザインや作り込みに改良を施すことで、イヤホンへの固定力を向上させているという。
加えて、内穴部分には他のモデルでも採用された独自のハニカム構造のワックスガード「コアレスワックスガード」を追加。一体成型された蜂の巣状のフィルターネットがイヤホンから出る音の伝達を邪魔することなく、異物の流入のみを効果的に防いでくれる。
もうひとつ着目したいのが、XELASTEC IIはSSからLLまで全6サイズを用意していること。そして、サイズごとに細かく高さが変えられていたりもする。実は、これまで大半の“SednaEarfitシリーズ”は全サイズで高さを揃えている傾向があった。これは、サイズが変わっても耳内で固定する位置が変わらないという大きなメリットがあるため、筆者としては大歓迎な造りではあった。
しかしXELASTEC IIでは、先に登場した医療用シリコン製の「SednaEarfit MAX」(以下、MAX)と同様に、サイズごとに微妙に高さを変えることによって、全サイズで快適なフィット感を得られるという。実際の数値を見てみると、SSサイズの7mmからLLサイズの8mmまで、0.2mm刻みで高さが変わっている。この僅かな差は、装着感にどういった影響をもたらしてくれるのだろうか。
■初代XELASTECとXELASTEC II、同じ素材でも大きく違った
さて、実際の試聴を始める前に、まずは手元にある初代XELASTECとXELASTEC II、新旧を見比べてみた。
初代XELASTECはグレー、XELASTEC IIはクリアと、傘の部分の色が異なるためひと目で見分けがつくし、傘のデザインも微妙に異なっているように見える。その結果、触ってみたときの感触も微妙に異なっているように感じる。
初代は“ふにゃっ”としたとても柔らかい傘部分だが、XELASTEC IIのほうは同じくらい柔らかいもののコシがあるというか、手を離すと素早く元のかたちに戻るしっかり感がある。これは、主に「コアレスワックスガード」採用による効果が大きいと思われるが、デザインの変更も少なからず効果を発揮しているようだ。結果として、フィット感が向上したようにも感じられた。
さらに、軸部分のデザインは大きく変更されている。軸の外径はさほど変わっていないものの、出口部分の内径が小さくなっているので、イヤホンのノズル部分をしっかりとホールドしてくれそう。それでいて付け外しは難しくなっておらず容易に行える。これはありがたい。
■XELASTEC II/MAX/Foamax、素材も個性も違う3モデルを比較
ということで、ここからは試聴した印象をお届けしよう。製品はソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」を使用、XELASTEC新旧比較はもとより、先ほどもあげた医療用シリコンモデルのMAXや、“SednaEarfitシリーズ”唯一のフォームタイプ「SednaEarfit Foamax」(以下、Foamax)などとも比較してみた。
新旧XELASTECの差は意外なほどハッキリと分かる。フィット感があきらかに向上し、遮音性を高めてくれる。初代XELASTECの特徴だった“ペタペタ”感はかなり薄まったのだが、それでいてフィット感(この場合ピッタリひっついている感というほうが正しいかもしれない)はよくなっている。絶妙な造りといえる。
音質に関しては、まず低域の量感やフォーカス感が向上、ベースラインがよく見えるようになるなど、迫力ある、かつ落ち着きのあるサウンドキャラクターに変化する。さらに、気になっていた高域のピークが抑えられ、随分と聴きやすい音に変わった。
遮音性が高まっているので、楽器のディテール表現などもよく伝わってくる。クラシックを聴くと、それぞれの演奏がいちだんとリアルに感じられるので臨場感が高く、何よりも聴いていて楽しい。いっぽう、音色も素直な表現になってくれるので、女性ヴォーカルなどはそれぞれの魅力がしっかりと伝わってくる。
続いて、MAXと比較してみる。傾向としては、MAXのほうがよりニュートラルなサウンドバランスといったイメージだろうか。音質的にMAXの実力は高く、WF-1000XM5との帯域バランス的な相性も抜群にいい。XELASTEC IIだと、(WF-1000XM5が本来持つ)重低音イヤホン的なキャラクターも垣間見られるようになるため、どちらをチョイスするかは好み次第。迫力よく聴きたいならXELASTEC II、ハイファイ的に聴きたいならMAXを選ぶのが良さそうだ。
ただし、装着感に関してはXELASTEC IIのほうが圧倒的。フィット感については、違和感のない、それでいてしっかりとした装着感をもたらしてくれた。いっぽうでMAXは、(筆者の場合)左右でサイズを変える必要があるなど、細かい調整が必要だった。
最後に、フォームタイプのFoamaxと比較試聴してみる。さすがフォームタイプだけあって、装着感についてはかなりのよさを持つ。遮音性やフィット感が高さに加えて装着時のストレスが少ないため、長時間の使用も苦にならない。
いっぽうで音質、特にディテールの細やかさや低域のフォーカス感の高さに関してはXELASTEC IIのほうが1枚も2枚も上手。端的にいえばXELASTEC IIのほうが迫力あって“楽しい”サウンドに感じられる。
音楽に集中して楽しみたい人はXELASTEC II、長時間“ながら聴き”で使いたい人はFoamaxを選ぶのがよさそうだ。
このようにXELASTEC IIは、ぴったりとフィットしてくれる装着感の高さ、音質面での良好さなど、トータル的な完成度の高さが光る、なかなかに魅力的な製品に仕上がっていた。
上で比べたように、MAXやFoamaxもそれぞれ独自の魅力があるので、装着感や音の好み次第ではこれらを選ぶのもひとつの手だが、装着性の高さについてはXELASTEC IIがかなりのアドバンテージを持ち合わせている。
時々、完全ワイヤレスイヤホンが耳から落ちてしまう、という人には是非一度試して欲しい。いままでの煩わしさを一気に解決してくれるはずだ。
(協力:アユート)