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PRNR1200/DRA-900H/STEREO 70s/MODEL 40nをテスト

マランツとデノン「HDMI搭載ステレオアンプ」4モデル聴き比べ。リビングのテレビが“手軽に”Hi-Fiサウンドに!

公開日 2024/04/04 06:30 土方久明
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最初に感じ入ったのは、洗練されたデザインだ。STEREO 70s は、新世代のマランツを象徴する新型デザインを採用したうえ、ビルドクオリティが高く、リビングに積極的に置きたくなる美しさがある。

同社Hi-Fiグレードの上位プリアンプに搭載される、独自の高速アンプモジュール「HDAM-SA2」や、フルディスクリート・パワーアンプ回路を搭載する。

オーバーオールの音としては、鮮度感の高いフレッシュなサウンドで、低域はより立体的で沈み込む。『グランツーリスモ』は、サーキットに集まった観衆の数が増したように情報量が増え、レース中に複数の車両がバトルする時のエグゾーストノートのダイナミクスの違いもより描き出す。

鮮度感の高いフレッシュなサウンド

YOASOBIはサウンドステージの立体感が増し、ミドルクラスだからこそ許される物量投入と音質対策が施された結果、音質は、1つランクが上がる印象だ。

レビュー(4)マランツ「MODEL 40n」:「音が生々しい」「さすがはトップモデル」



マランツ「MODEL 40n」

最後に試した「MODEL 40n」は、マランツのHDMI搭載ステレオアンプの中ではトップモデルで、定格出力は100W+100W。STEREO 70s同様の新世代のデザインを採用しており、中央に備えられた4つのノブを含め左右のシンメトリーが取れたデザインが魅力だ。

MODEL 40nは公式サイト上で、プリメインアンプのジャンルに入っており、HDMI端子はARCに対応する1系統のみ、MODEL 40nをビジュアル用途でのハブとして使う場合、ARCもしくはeARC対応のHDMI端子を持つテレビを使い、本格的な2チャンネルの音楽再生へのより強いコミットも感じる。

音質対策については、HDMIインターフェースをスルーして、直接DIR(セレクター)に入力されるHDMI回路部や、「HDAM+HDAM-SA2」回路による可変ゲイン型プリアンプを搭載する。重量も16.7Kgあり、いやがおうにも期待値は高まる。

そして『グランツーリスモ』を再生した瞬間に期待は確信に変わった。分解能が高く、パワフルかつ立体的な低域にアンプの駆動力の高さとオーディオ回路部の性能を認識する。

静かなシーンでの音の明瞭度とレース時の迫力のメリハリがあり、ピット内でドアを閉める「バタン」という音の生々しささえ違ってくる。映画の映像再生で基本となる、セリフの明瞭度=ディテール表現が良く、レース前の緊張感を感じるシーンでは待合室の空間の余韻がより伝わってくる。

YOASOBIでは、聴感上のダイナミックレンジや高音域から低音域にかけてのレンジも広い。そして何よりも音が生々しいのである。さすがはトップモデルといったところだ。

さすがトップモデルといった高品位な音

それぞれに際立つ個性。好みや予算に応じたチョイスを



4機種のHDMI対応ステレオアンプを試した今回の試聴だったが、NR1200やDRA-900Hなどのスタンダードモデルは、安価を感じさせない、スピーカーの駆動力と音の良さがあった。総合オーディオビジュアルメーカーならではの手抜きのない音質対策と、人気ブランドとして、コストスケールメリットを活かした良質なパーツ投入によるものだろう。

そしてミドルクラス以上のモデルは絶対的なスピーカー駆動力が高く、音の分解能やサウンドステージ表現、1つ1つの音のディテールがより長けていたことを記しておきたい。

またブランド間による音のフィロソフィー(個性)の違いもあり、デザイン、音の個性、グレードにより4機種の中からチョイスすれば良いだろう。なお今回、音楽再生はテストしなかったが、4機種ともネットワーク再生機能である「HEOS」を搭載しており、Amazon Music UnlimitedやSpotifyなどのサブスクストリーミングサービスも搭載しているので、映像と音楽ソースの両面で、リビングのマルチコントロールセンターとして重宝するはずだ。

(提供:ディーアンドエムホールディングス)

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