PR豊富な3色のカラバリも魅力
高まった装着感とリーズナブルな価格。Shokz「OpenFit Air」は“ながら聴き”イヤホン最良の選択肢
本機はオンライン会議などの用途に最適な音声コミュニケーション端末にもなる。音声通話用に合計4基のマイクが内蔵されており、アダプティブ・ビームフォーミングにより、イヤホンを身に着けたユーザーの口もとを正確に狙いながら、明瞭な音声をピックアップする。
実際に本機を家族に装着してもらい、声の聞こえ方をチェックした。会話音声が前に迫り出してくるような立体感だ。話者周囲の騒音を96.5%カットするノイズリダクション機能もよく機能していた印象だ。
また、イヤーフック型のイヤホンを長時間装着していると、耳が痛くなるというユーザーの声を筆者もよく聞くが、OpenFit Airについてはその心配をしなくて済むと思う。購入を検討する際は、念のため店頭で実機を試着してみることをおすすめする。
機能面では、左右イヤホンの側面にタッチセンサー式のリモコンがあり、楽曲再生や音声通話のコントロール、音量のアップダウン、音声アシスタントの呼び出しなど各種操作が行える。タッチ操作に対する応答感度もほどよいので、身体を動かしながらでも操作がしやすかった。
そのほか、BluetoothコーデックはAACとSBCの2種類に対応。専用アプリ「Shokz」と連携することでイコライザー機能やプリセットの設定などが行えるほか、本機を2台のデバイスへ同時接続できるマルチポイント機能もサポートする。イヤホン本体はIP54規格相当の防塵・防滴仕様にも準拠する。
■アタックが鋭く、豊かな余韻を響かせる低音。音の強弱も丁寧に再現する
それでは、気になる音質面をチェック。OpenFit AirをiPhone 15 Proに接続して、Apple Musicで配信されている音源を試聴してみた。
デヴィッド・ボウイの『Starman』は、ボーカルの表情が移り変わる様子が鮮やかに見える。エレキギターの音色がとても力強い。ベースやドラムスの低音はアタックが鋭く、豊かな余韻を響かせる。静かに始まり、クライマックスに向かって徐々に音楽のエネルギーが満ちていく様子を素直に描く。前モデルOpenFitと同様、原音をむやみに誇張しないバランスが好印象だ。
クラシックでは、角野隼斗の『かすみ草』を聴いた。ピアノとストリングスによる静かな楽曲だが、演奏の繊細なニュアンスの変化を逃さずにつかまえ、音場も大きく広がる。アコースティック楽器の余韻がとてもふくよかでリアルだ。音の強弱の変化も丁寧に再現する。
エレクトロサウンドとの相性も良かった。tofubeatsの『水星(feat. 仮谷せいら)』は、ディティールを淡く包み込む極彩色の音場の中をボーカルが活き活きと漂う。タイトなビートが音楽の足もとをどっしりと安定させる、上質な没入感だ。
アプリのサウンドプリセットは、通常の音楽リスニング時にはバランスの良い「スタンダード」のままで良いと思う。だが外出時に音楽を聴く場合は「低音強め」を選んだり、YouTubeのトーク番組や音声通話に使う際には声を際立たせる「ボーカル」の設定も役立つだろう。
最後に音漏れ具合については、フルオープン型のイヤホンなので、音漏れが「ゼロ」になることはない。混雑する電車の中、静かなワークスペース等で使う際には、周囲の様子を気にしながらボリューム設定を上手に調整してみてほしい。
雨の日の屋外やキッチン、スポーツで身体を動かす時間など、様々な生活シーンで “ながら聴き” が楽しめる完全ワイヤレスイヤホンとして、ShokzのOpenFit Airは最良な選択肢になるだろう。
(協力 : Shokz)