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PR評論家・折原一也がレビュー

ソニー新サウンドバー「BRAVIA Theatre Bar 9(HT-A9000) / BRAVIA Theatre Bar 8(HT-A8000)」は「リビングシアターの理想形」。進化した実力を徹底チェック!

公開日 2024/05/31 06:30 折原一也
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本体サイズはHT-A9000が幅1,300mm、HT-A8000は幅1,210mm。一般的な4Kテレビでは55型が1,260mm程度、65型は1,500mm程度なので、55型以上の大画面テレビをターゲットにしたハイクラスモデルと言えるかもしれない。

HT-A9000は合計13基、HT-A8000は合計11基のスピーカーユニットを搭載

そして、両モデルの実機を前にして気付いたことは、意外と背が低いということ。HT-A9000は前世代のHT-A7000の80mmから64mmへ、HT-A8000はHT-A5000の67mmから64mmへと高さを抑えていて、テレビの画面を隠さず設置しやすくなっている。

従来機HT-A7000との比較。さらなる小型化・低背化を実現した

入力端子はHDMI1系統とHDMI ARCが1系統。音声形式はDolby AtmosにDTS:X、360 Reality Audioといった現代的な立体音響の主要フォーマットをしっかり網羅している。

また、スペックからは気づきにくい改善点として、セットアップ方法も一新。初期設定はスマホアプリ「Sony | BRAVIA Connect」から実行でき、テレビとのHDMIケーブルによる接続や自動音場補正などを、アニメーションやイラストを使ったガイダンスを見ながら簡単に実行できる。測定もアプリの指示に従えばスマートフォンの内蔵マイクを使って実行できるため、簡単だ。

スマホアプリから初期セットアップや各種メニュー操作が行える

HT-A8000レビュー:天井近くまで“高さのある”サラウンド空間



実際にHT-A9000とHT-A8000のサウンドを体験してみよう。まずはHT-A8000で、Dolby Atmos収録のUltra HD Blu-rayディスクからチェックした。

まず気づいたのは、サラウンド空間の“高さ”。試聴室にセットされていたテレビはブラビアの85型モデルだったが、その画面サイズを余裕で超えて天井近くまで空間のスケールが広がる。

例えば戦闘機が登場する映画作品では、パイロットと管制室とのインカム越しに聞こえる会話での空間上の定位の違いもはっきりとわかる。そして、戦闘機の離陸シーンでは、唸るようなジェットエンジンのパワーに感心。ハリウッド映画然とした空間を満たす量感任せのタイプではなく、噴射口からエネルギーを放出する、その出所までも分かる引き締まった低音だ。これが一本バーだけでの実力となると、これまでのサウンドバーでの「別体サブウーファーがないとパワーが……」という定説は通じなくなる。

次に、サブスク動画配信でもクオリティをチェック。Dolby Atmosフォーマットで配信されているアドベンチャー映画での、列車の屋根の上で主人公が肉弾戦を繰り広げるシーンでも、列車の走行音とBGMの空間再現が豊かで、まさに映画の世界に没入できた。またミュージカル作品でも、歌唱シーンの画音一致の移動感と高さ方向の距離感、弾けるようなリズムをしっかり再現してくれた。

YouTubeなども立体音響化できる「サウンドフィールド」機能も効果大



サウンドフィールド機能は、Youtubeや地上波などの2chステレオコンテンツも立体音響にアップミックスする機能だ。テレビにブラビアを組み合わせているならブラビア側のUIからも切り替え可能。もちろん、付属リモコンやアプリでもオン/オフできる。他社のテレビでも使えるようになっているので、ブラビアユーザー以外の人も安心してほしい。

サウンドフィールドはリモコンのボタンでオン/オフ可能

それでは、ステレオ音声のコンテンツで、サウンドフィールド機能はどのように効果を発揮するのか。

YouTubeでミュージシャンのライブ動画を体験すると、アップミキサーが強烈に働く。サウンドフィールドをオフにした状態でも85V型の大画面サイズに見合った空間だったが、サウンドフィールドをオンにすると、音楽の空間はライブ会場さながら、部屋の壁いっぱいにまで拡大する。

空間の広がりが拡大するだけにとどまらず、そこで鳴っている音楽、そして感性までもが、立体音響へとアップミックスされた空間に再配置される。空間上の音の出所を指差しできるほどにリアルだ。

HT-A9000レビュー:ビームトゥイーター効果でさらに音質アップ



HT-A8000でこれほどのサラウンドが再現できるとなると、上位モデルのHT-A9000はどれほどの実力を発揮してくれるのか。

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