PR完成したハードウェアに新たなサウンドチューニング
3代目 “音の良いサウンドバー” 「DHT-S218」レビュー。デノン・サウンドマスターが到達した「新しい景色」
テレビの音をグレードアップしたいと思った時、いくつかの選択肢があるが、多くの方が最初に考えるのはサウンドバーだろう。
テレビの前に手軽に設置でき、映画、音楽、スポーツと様々な番組のサウンドを大きくグレードアップできる。ここ数年来、Netflixなどの配信コンテンツが充実し、リビングの音楽/映像環境の高品質化を求めるユーザーの増加も手伝って、サウンドバーは2024年も引き続き人気の製品ジャンルだ。様々なメーカーから、幅広い価格帯で製品が発売されている。
そんな中、国産総合オーディオメーカーのデノンから注目モデル「DHT-S218」が発売された。本モデルはデノンのサウンドバー中でエントリークラスに当たり、初代モデル「DHT-S216」から数えて3世代目、そして大ヒットモデルとなった「DHT-S217」の後継機だ。
まずはデノンのサウンドバーの辿った道筋について簡単に振り返りたい。同社は2010年発売の「DHT-S311」でサウンドバー事業に参入した。今では信じられない話だが、デノンも参入当時は販売に苦労していたという。
その流れを大きく変えたのは、2019年に「音楽リスニングも楽しめる音の良いサウンドバー」という触れ込みで発表したDHT-S216で、製品が乱立する市場内で他社とは違う立ち位置を確立した。DHT-S218は、この「音の良いサウンドバー」の3代目となるわけだ。
大変力が入ったプロダクトとなっているが、まずはシリーズの初代にあたるDHT-S216開発時まで遡り、基本的なコンセプトから解説したい。同社によるとサウンドバーの開発には3つの難しさが伴うという。1点目はサイズで、テレビの前に置けるコンパクトな筐体の中にスピーカーユニットとアンプを内蔵しなくてはいけない。
2点目はコストで、TV用のオーディオ機器という性格上、多くのユーザーが手に入れやすい価格でなくてはいけない。3点目は開発期間で、サウンドバーは開発スピードを求められるカテゴリーなので、AVアンプやHi-Fiコンポーネントと同じ開発期間は設けられない。
このような制限から、ピュアオーディオを提唱するデノンの理想通りに音楽を楽しめるサウンドバーは、一朝一夕には開発できなかったのが実情とのことだ。
そこでデノンは3段階の開発テーマを設けた。まずはアコースティックデザインの完成度を上げるため、キャビネットやスピーカーユニットなど物理的なパーツで実直な音質対策を行った。さらにイコライザー等の回路や処理をバイパスして音の純度を高める「PUREモード」を開発し、DHT-S216に搭載したのだ。そして本機はめでたくヒット。
そんなデノンが次に狙ったのはエレクトロニクスデザインの高品位化だった。そこでDHT-S216の素性の良いスピーカーや筐体構造はそのまま、それをより良くドライブするアンプと電源部を搭載し、Dolby Atmosにも対応した2代目のDHT-S217が誕生。ファイルウェブ読者の皆様もご存知の通り、こちらも大ヒットした。
それから2年を経て開発されたDHT-S218。本機の進化点はずばり、「サウンドデザイン」である。
DHT-S218のハードウェアスペックは、2代目DHT-S217を踏襲している。筐体構造および筐体サイズ、3ウェイ・6スピーカー構成、アンプや電源部は同等だ。正確に言うと前面に貼られたグリルの色と材質が変更されているが、基本は前モデルとほぼ同一の意匠である。
その中で、同社の全てのオーディオ/ビジュアル製品の音決めを行うサウンドマスター、山内慎一氏が、サウンドバーとして音楽作品に没頭できる音を狙い、徹底したサウンドチューニングを行った。
大きな進化点としては、Bluetoothの新オーディオコーデック「LE Audio(LC3コーデック)」や、HDMI 2.1規格に含まれる「VRR」「ALLM」へと対応したことが挙げられる。
Dolby Atmosのデコードおよびバーチャルサラウンドの「MOVIE」「NIGHT」「MUSIC」、そしておなじみ「PURE」モードなども、2代目DHT-S217から引き続き搭載。ちなみに全サウンドモードとも、山内氏がチューニングをしている。
テレビの前に手軽に設置でき、映画、音楽、スポーツと様々な番組のサウンドを大きくグレードアップできる。ここ数年来、Netflixなどの配信コンテンツが充実し、リビングの音楽/映像環境の高品質化を求めるユーザーの増加も手伝って、サウンドバーは2024年も引き続き人気の製品ジャンルだ。様々なメーカーから、幅広い価格帯で製品が発売されている。
そんな中、国産総合オーディオメーカーのデノンから注目モデル「DHT-S218」が発売された。本モデルはデノンのサウンドバー中でエントリークラスに当たり、初代モデル「DHT-S216」から数えて3世代目、そして大ヒットモデルとなった「DHT-S217」の後継機だ。
■デノンらしさで道を切り拓いた「音の良いサウンドバー」3代目が登場
まずはデノンのサウンドバーの辿った道筋について簡単に振り返りたい。同社は2010年発売の「DHT-S311」でサウンドバー事業に参入した。今では信じられない話だが、デノンも参入当時は販売に苦労していたという。
その流れを大きく変えたのは、2019年に「音楽リスニングも楽しめる音の良いサウンドバー」という触れ込みで発表したDHT-S216で、製品が乱立する市場内で他社とは違う立ち位置を確立した。DHT-S218は、この「音の良いサウンドバー」の3代目となるわけだ。
大変力が入ったプロダクトとなっているが、まずはシリーズの初代にあたるDHT-S216開発時まで遡り、基本的なコンセプトから解説したい。同社によるとサウンドバーの開発には3つの難しさが伴うという。1点目はサイズで、テレビの前に置けるコンパクトな筐体の中にスピーカーユニットとアンプを内蔵しなくてはいけない。
2点目はコストで、TV用のオーディオ機器という性格上、多くのユーザーが手に入れやすい価格でなくてはいけない。3点目は開発期間で、サウンドバーは開発スピードを求められるカテゴリーなので、AVアンプやHi-Fiコンポーネントと同じ開発期間は設けられない。
このような制限から、ピュアオーディオを提唱するデノンの理想通りに音楽を楽しめるサウンドバーは、一朝一夕には開発できなかったのが実情とのことだ。
そこでデノンは3段階の開発テーマを設けた。まずはアコースティックデザインの完成度を上げるため、キャビネットやスピーカーユニットなど物理的なパーツで実直な音質対策を行った。さらにイコライザー等の回路や処理をバイパスして音の純度を高める「PUREモード」を開発し、DHT-S216に搭載したのだ。そして本機はめでたくヒット。
そんなデノンが次に狙ったのはエレクトロニクスデザインの高品位化だった。そこでDHT-S216の素性の良いスピーカーや筐体構造はそのまま、それをより良くドライブするアンプと電源部を搭載し、Dolby Atmosにも対応した2代目のDHT-S217が誕生。ファイルウェブ読者の皆様もご存知の通り、こちらも大ヒットした。
それから2年を経て開発されたDHT-S218。本機の進化点はずばり、「サウンドデザイン」である。
DHT-S218のハードウェアスペックは、2代目DHT-S217を踏襲している。筐体構造および筐体サイズ、3ウェイ・6スピーカー構成、アンプや電源部は同等だ。正確に言うと前面に貼られたグリルの色と材質が変更されているが、基本は前モデルとほぼ同一の意匠である。
その中で、同社の全てのオーディオ/ビジュアル製品の音決めを行うサウンドマスター、山内慎一氏が、サウンドバーとして音楽作品に没頭できる音を狙い、徹底したサウンドチューニングを行った。
大きな進化点としては、Bluetoothの新オーディオコーデック「LE Audio(LC3コーデック)」や、HDMI 2.1規格に含まれる「VRR」「ALLM」へと対応したことが挙げられる。
Dolby Atmosのデコードおよびバーチャルサラウンドの「MOVIE」「NIGHT」「MUSIC」、そしておなじみ「PURE」モードなども、2代目DHT-S217から引き続き搭載。ちなみに全サウンドモードとも、山内氏がチューニングをしている。
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