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PR「資産」としての音源ライブラリの管理法

“音質” で選ぶストレージ。DELAのHDD「E100/2」をどう使う?最新ネットワークプレーヤー&オーディオ専用PCで実力チェック!

公開日 2024/12/04 06:30 逆木 一
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日本のネットワークオーディオ市場を牽引してきたDELAブランドから、スタンドアロンのHDDストレージ、「E100/2」が発売された。DELAならではの良質な電源やクロックが投入されたストレージ、ただのバックアップディスクとするにはもったいない。どのように使いこなせばより “オーディオ的” に楽しめるだろうか。

DELA HDDストレージ「E100/2」(4TB ハードディスク搭載、143,000円/税込)

ここでは、ライブラリ管理の重要性を長年訴え続けてきた逆木 一氏が、このE100/2の3通りの使い方をご提案。エソテリックのネットワークプレーヤー、Eversoloのストリーマー、オリオスペック製のオーディオPC「canarino fils」とそれぞれ組み合わせ、E100/2のメリットと使いこなしを具体的に解説してもらった。

■ファイル再生の深化に貢献してきたDELA



オーディオファンにとって、「音源」とは資産である。レコードにせよ、CDにせよ、デジタル・ファイルにせよ、メディアを問わず、長い年月をかけて収集・蓄積してきた音源は、大げさな言い方かもしれないがひとりひとりの人生の反映であり、単なる音楽ソース以上の意味を持っている。

だからこそ、音源は大切にしたい。CDからのリッピング音源やダウンロードしたハイレゾ音源など、たとえ物理的な形のないデジタル・ファイルであっても、保存・管理・活用には最大限にこだわりたい。

そんな切実な想いに応えてきたのが、メルコシンクレッツの展開する「DELA」ブランドだ。2014年にスタートしたDELAは、世界に先駆けた「オーディオ用NAS」のリリースを皮切りとして、「PCの周辺機器」の域に留まっていたNAS、USBストレージ、スイッチングハブといったジャンルに次々に製品を投入し、ネットワークオーディオやファイル再生の浸透や深化に大きく貢献してきた。

DELAは自ブランドのオーディオ用NASを一貫して「ミュージックライブラリ」と呼称している。これは「ネットワークオーディオシステムの中で楽曲の保存・管理とネットワーク配信、再生機能を備えた、既存の枠を超えた新しい製品のカテゴリー」とのことだが、「ライブラリ」と銘打たれている時点で、DELAがいかに音源の保存と管理という点を真摯に考えているかが見て取れる。

■“HDDストレージ” をオーディオ的に活用する



そうしたブランドの歴史的な経緯から、「DELAといえばオーディオ用NAS」のイメージが強いと思われるが、「音源を保存するためのストレージ」というカテゴリーで、「オーディオ用ハードディスクドライブ」もラインナップしている。それが今回紹介する「E100/2」である。

ハーフサイズで外観デザインは同社のハブ「S100」と共通

近年では接続したストレージを直接再生可能なネットワークプレーヤーやRoon Serverをはじめとする多機能な製品が増えたことで、必ずしも多機能なオーディオ用NASを必要としないユーザーもいる。そんなユーザーのために用意された、シンプルなUSB接続のストレージがE100/2ということになる。

シンプルといっても、E100/2はDELAが長年のミュージックライブラリ開発で培われたストレージに関する知見が随所に投入されている。採用されたハードディスクは比較試聴のうえで選定された3.5インチ・4TBモデルで、オーディオシステムに違和感なく馴染むアルミヘアライン仕上げの筐体、2mm厚の鋼板から成る剛性と制振性を追求したシャーシによって製品重量は3.6kgにもなる。

左にあるのがごく普通のUSB外付けHDD。筐体や電源にもDELAの技術が投入されている

そのほかにも、独自開発の充実した電源部を搭載する専用基板、NDK社製高品質クロックの採用など、「オーディオ用ハードディスクドライブ」の名の通り、一般的なUSB外付けHDDとはまったく別物の内容となっている。

「E100/2」の背面端子。USB3.0に対応するtypeA端子とtypeB端子を搭載。12Vの外付けAC電源で動作する

高品位 USBホストポートを搭載してUSB DAC等へのデイジーチェーンも可能なほか、不使用時には接続機器への影響をゼロにできる前面電源オフスイッチを搭載し、使い勝手への配慮も抜かりない。

E100/2は決して単なる「バックアップ用ストレージ」ではなく、ネットワークプレーヤーやミュージックサーバーといった各種オーディオ機器と組み合わせ、音源ストレージとして高品質な再生の一翼を担うものである。

楽曲コピーのスピードが速いのもストレージならではの利点

■エソテリックのUSB-A端子にそのまま接続



ということで、最初にE100/2と組み合わせたのは、エソテリックのネットワークプレーヤーの最高峰モデル「N-01XD SE」。

エソテリックのフラグシップネットワークプレーヤー「N-01XD SE」(価格:2,035,000円/税込)

N-01XD SEはフロントと背面の両方にUSB端子を搭載しており、USBストレージを接続すれば、同社製品用のコントロールアプリ「ESOTERIC Sound Stream」から音源にアクセスして再生が可能になる。ネットワークプレーヤーである以上、サーバーやストリーミングサービスとの連携が主になるとは思われるが、利便性のために同様の機能を持つ製品は多い。N-01XD SEとE100/2の組み合わせは、そのような利用方法の究極ともいえる。

E100/2をエソテリックのネットワークプレーヤーの背面USB typeA端子と接続するだけで、そのままライブラリとして活用できる(NAS機能がなくてもNASと同様の操作が可能となる)

E100/2に保存した、ケルティック・ロックバンドionaの楽曲「Irish Day」を聴く。良好なトランジェント、細部まで存在感たっぷりのシャープで明快な輪郭描写、心地よいハリのあるボーカルなど、良い意味で「強い」音が実現されており、これはまさにDELAというブランドの志向に合致する。筆者の手持ちのサーバーからの再生と比較してみても、トータルの再生品質としてまったく劣るところはない。

iPadアプリから楽曲を再生しているところ

N-01XD SEとの組み合わせでは、E100/2と「ごく普通のUSB外付けHDD」との比較も行ったのだが、何もかも別物といったレベルの結果となった。普通のHDDでは空間が窮屈で、音の輪郭に不自然な揺らぎがあり、さらに悪い意味で再生音全体が「軽い」。SSDとの比較でHDDの美点と一般的に言われる要素がまったく感じられない。それ以前に、はっきり言って駆動音がうるさい。一方のE100/2では、そうした問題がすべて解決するとともに、音の重心が下がり、低域の沈み込みと高域の伸びも著しく改善される。オーディオ用か否かの差は歴然だ。

■Eversoloに追加すると音源管理も容易に



次に組み合わせたのは、Eversoloの多機能ミュージックサーバー「DMP-A8」。

Eversoloのストリーマー「DMP-A8」。Android搭載の多機能プレーヤーとしてヒットを飛ばしている(価格:363,000円/税込)

DMP-A8は接続したストレージの音源を読み込み、ライブラリ化する機能を持つため、E100/2を組み合わせれば、必要十分な容量、良好なアクセス性、高度な再生品質が一気に実現する。DMP-A8の再生音は高性能の追求よりも聴いていてリラックスできる方向性と感じるが、E100/2をストレージに使うとそこにオーディオ的な快感がプラスされ、より高次元の再生を楽しむことができた。

DMP-A8でE100/2の音源をスキャンしているところ

出来上がったライブラリ

なお、DMP-A8ならではの機能として、「接続したストレージにネットワーク経由でアクセス可能」というものがある。つまり、DMP-A8に接続したE100/2を実質的にNASとして扱えるので、音源の管理がぐっと楽になる。覚えておいて損はない情報だ。

IPアドレスを入力すればDMP-A8にストレージにNASのようにアクセスできる

E100/2の音源にアクセスしている様子

総じてDMP-A8とE100/2の組み合わせは機能・音質のすべてでハイレベルであり、今回のテストにおけるベストケースのように思う。

Eversoloの専用アプリで再生しているところ

■PCオーディオの追加ドライブとしての利用法



最後に、「こんな使い方もある」ということで、PCショップのオリオスペックが手掛けるオーディオ用PC「canarino fils」とE100/2を組み合わせてみた。

下段左にあるのがcanarino Fils、右にあるのはDELAのスイッチングハブ「S100」

筆者のcanarino filsは内蔵ストレージとしてSSDを使用しており、E100/2との比較はSSDとHDDの比較という側面もある。結果として、SSDはより空間が広くしなやか、HDDはより音の厚みとエネルギー感が豊か、という差はあるものの、絶対値でいえば見事に拮抗している。今後オーディオ用PCを導入するユーザーは、本体のストレージはあくまでシステム用と割り切り、音源保存用のストレージとしてE100/2を使うというのも有力な選択肢となるだろう。

E100/2をWindowsに接続すると「HiFi DRIVE」の名称で認識される粋な配慮

「オーディオ用のストレージ」として考えた時、HDDとSSDでは静粛性といった点から後者の方が上位に位置づけられるケースは多い。しかし、両者の価格差が著しく大きかった過去ならともかく、現実的な容量ではあまり気にならないレベルで価格差が小さくなった現在においては、純粋に音質的な観点から、ユーザーはHDDとSSDの好きな方を選択できる環境にある。

SSDとHDDを自由に選べる現代にあって、「オーディオ用ハードディスクドライブ」として妥協なく作り込まれたE100/2は、「音質でHDDを選ぶ」オーディオファンにとって素晴らしいパートナーだ。

(提供:メルコシンクレッツ)

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