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<連載>オーディオアクセサリーひとくちレビュー

【ミニレビュー】演奏家の緊張感も高まる。スピーカー端子に挿すだけ、Synergistic Research「XOT Carbon」

公開日 2024/12/09 06:30 園田洋世
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今話題のアクセサリーを毎週ピックアップして、音質改善のポイントをコンパクトにご紹介する「オーディオアクセサリーひとくちレビュー」。今月は「オーディオアクセサリー銘機賞2025」の受賞モデルをご紹介する。今回はアメリカ・カリフォルニア州発、今年一気に国内でも知名度が高まったアクセサリーブランド、Synergistic Research(シナジスティック・リサーチ)をフィーチャー。

Synergistic Research「XOT Carbon」(121,000円/ペア、税込)※端子はスペードもしくはバナナから選択可能

■静寂感と集中力が同時にもたらされる



Synergistic Researchの「XOT Carbon」は、スピーカー端子のプラスとマイナスの間に繋げることで音楽信号にまとわりつく有害な高周波ノイズを取り除くフィルターである。今年のオーディオアクセサリー銘機賞のグランプリ(10万円以上)を受賞。

スピーカーのクロスオーバーに作用する独自素材が封入されているという

繋ぐと、ホールの重い二重扉をすべて閉めたあとのような静寂感、そしてそれに伴って高まる演奏の密度と聴衆の集中力、とが同時にもたらされると言えばイメージできるだろうか。「図と地」(=Figure and Ground)の分化が際立つのだ。マーク・パドモア(テノール)・内田光子(ピアノ)「ベートーヴェン:遥かなる恋人に」では、圧倒的に低くなった音場のノイズフロア(=地)に、密度・実在感をこのうえなく高まらせたテノールとピアノの音像、そして演奏家・聴衆の緊張感(=図)が浮かび上がる。

スピーカーの背面端子にぶら下げるように接続する

S/Nの圧倒的な向上はスタジオ録音でも明らかで、竹内まりや「カムフラージュ」では山下達郎の1人多重コーラスにおける各音程が実に明瞭。宇多田ヒカル「忘却」の心音もすさまじくリアル。

衝撃的に効くアクセサリーである。

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