タッチ操作ができる32型・4Kタブレット「adget Alternative」を使いたおしてみた!
テレビでもタブレットでもない、新しいスタイルのデバイスが登場した。日本ビジネス開発によるオリジナルブランド・adget(アジェット)が手掛ける「adget Alternative」は、キャスター付きスタンドと一体型の移動可能な32V型・4K液晶タブレットだ。

一見するとお洒落なテレビ系機器のようだが、あえて “モニター” ではなく “タブレット”と呼ぶのは、OSとしてAndroid 13を搭載しつつ、かつタッチ操作対応とタブレットベースであるから。90°回転による縦画面表示にも対応している。一方で、HDMI入力端子も搭載しているのでモニター的な使い方もカバーする。
日本では先行デバイスのほぼないスタイルのadget Alternative。今回は実機レビューとして、操作感や挙動の安定性のチェックをはじめ、画質と音質、そして生活シーンでの使用感も検証。編集部での視聴を経てから、自宅にも持ち帰って使い倒してみた。

バッテリー内蔵だから最大4時間ケーブルレスで移動&使用できる
まずはadget Alternativeの外見から紹介していこう。32V型の液晶ディスプレイが、高さ調可能なキャスター付きスタンドと一体化しているモデルだ。液晶ディスプレイ部は90°回転まで無段階に角度調整も可能。画面フレームからスタンドに至るまで美しいメタリックゴールドで仕上げられており、高級家電やデザイナーズ家具のような雰囲気。
スタンド部にはバッテリーを内蔵していて、電源コードを繋がない満充電の状態で最大4時間の稼働に対応している。これはつまり、使用時にはケーブルレスになるので、お部屋のなかで自由に動かせるということ。“スタンド一体型のチューナーレステレビ” とでも呼びたくなるところだが、先に紹介したとおり、内部のシステムはタブレットがベースだ。


ディスプレイは4K解像度で、タッチ操作に対応。3Wのスピーカーをディスプレイの背面に2基搭載する。接続端子としてHDMI、USB Type-A(USB 2.0/USB 3.0)搭載しており、外部機器接続も可能。ネット接続はWi-Fi 6(2.4GHz/5GHz)、ならびにBluetooth(v5.1)による周辺機器とのワイヤレス接続にも対応。


実機をテストしたadget Alternativeにはリモコンも同梱されていた。これは製品の一部ではなく、公式サイトでのレビュー特典としてプレゼントされるものなので、ぜひとも入手してほしい。
“タブレット版のAndroid”の操作性で非常に高い汎用性を持つ
OSはAndroid 13を搭載。これは予想以上に “タブレット版のAndroid” そのままなので、WebブラウザのGoogle ChromeやGoogle Mapのアプリをデフォルトで利用可能。Google Playにもアクセスできるので、NetflixやPrime Video、TVerをはじめとするVODサービスをはじめ、Androidタブレット向けのアプリは基本的にインストール可能だ。

AndroidのUIレスポンスは良好だ。フリック操作やアプリ切り替えなどUIの操作にはまったくストレスがないレベル。Chromeのブラウザ操作でもほとんどもたつかない。SoCはオクタコアで、RAM 8GB、ストレージ128GBとAndroidタブレットとして性能は十分すぎるほど。
やや動作の重いアプリについても、たとえばGoogle Map程度なら地図の拡大縮小もスムーズに動作する。高負荷な3Dグラフィックの最新ゲーム「崩壊スターレイル」などもプレイは可能だった。
操作体系はAndroidタブレットそのままだ。画面下から上にフリック・停止して起動中のアプリの切り替え、上から下にスワイプしてクイックアクセスを表示するなど。この操作はスマホユーザーなら直感的に理解できるはずだ。


背面のHDMI端子への切り替えについて、デフォルトでホーム画面上にあるSignal Sourceアプリを起動する、もしくは端子接続時にあらわれるポップアップ画面に進むとHDMI入力に切り替わる。アプリを起動すると即座に全画面表示になるが、扱い上はAndroid上で動くアプリなので、他のアプリへ切り替えも可能。
標準搭載のキャストアプリを使うことでAirPlayおよびMiracastによる画面ミラーリングも受けられる。本体のディスプレイ部を縦向きに回転させれば、スマホの縦画面表示も可能で、YouTube shortやTikTokといった縦画面の映像コンテンツを画面いっぱいに表示することもできたりと、用途は多岐にわたる。

4K解像度が活きるクリアな画質、内蔵ステレオスピーカーも優秀
「adget Alternative」の画質や動画視聴についてもチェックしていこう。まず画質については、一目見てわかるほどクリアで高画質。市場にある32V型の液晶テレビでは、4Kの高解像度を備える例はあまり見かけないため、一般的な小型テレビと比べて有利な点といえる。また、タッチ操作のため自然と視聴距離が近くなるが、ドット感はまったく見えない。
表面の仕上げはざらついたノングレア(つや消し)加工が施されており、映り込みが少なく画面に触れても指紋が残らない仕様。視野角は45°ほどの斜め位置では白みがかるが、簡単に画面の向きを変えられるので、いつでも正面のベストな位置で視聴が可能だ。
ディスプレイ性能は輝度こそ220cd/m²とスタンダードだが、明るい室内で見ても暗さを感じることはないし、4K解像度の高精細もあってスペック以上に高画質に感じた。


VODサービスへの対応について、YouTubeはデフォルトでインストールされているほかNetflix/Prime Video/AbemaTV/U-NEXT/Disney/TVerなど、さまざまな公式アプリをインストールしていく。
YouTubeで画質をチェックしてみる。筆者のYouTubeチャンネル「オリチャンネル」にて4K解像度で公開している動画は「2160p」(4K)の再生に対応。実際に視聴してみると、32V型のサイズと相まって解像感がとても優秀だ。なおNetflix/Prime Video/Disney+のアプリで動画を再生してみたところ、著作権保護はWidevine L1対応ながらHD画質の再生になる。たとえばNetflixで4K配信の『イカゲーム2』を視聴してみると、HD画質で出力されていた。
HDMI入力端子に「Fire TV Stick 4K Max」を接続してみると、安定した4K画質で再生が可能になった。32V型の凝縮された解像感と、ニュートラルな色再現は本物。画質重視で視聴する際には、外部入力を活用する選択肢を考えてもよさそうだ。
音質は内蔵スピーカーが予想以上に優秀。スピーカー位置はモニター背面、出力は3W×2基のステレオ仕様。Disney+の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を視聴すると、低音の深みと空間への広がりがよく、臨場感と迫力も感じられるほど。


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