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中塚さんの自宅リスニングルーム。アヴァンギャルドDuoをマッキントッシュMC1201でドライブしている。「アンク」は写真の通り、日東紡音響エンジニアリングの技術者と検討を重ねた結果、部屋の前面の音像ステージをカバーするようにスピーカー背面に幅900×高さ180cm仕様を3台設置 |
大好きな音楽を聴くには、自分のオーディオシステムでできるだけいい音で聴きたい一心で15年ほど前からオーディオの虜になっています。
自分にとって「いい音」とは何か。永遠の課題のようにも思いますが、要は、自由な時間にお気に入りの世界のミュージシャンを自分の家に招いて演奏してもらうかのように、大好きな音楽を勝手気ままに心地よく聴ける音ということなのではないかと思います。
そうした際には、アンプ等のオーディオ機器はもちろん、ケーブルやインシュレーター等のアクセサリーも大切ですが、音は空気の振動で耳に伝わってきますので、空間つまり部屋の工夫がより重要と実感しています。
そんな考えの下、限られた生活空間で自分なりにいろいろとルームチューニング材を導入して工夫を凝らしてきたのですが、今回、かねてから気になっていた「アンク」をついに導入しました。
導入のきっかけは、1年ほど前に初めて「シルヴァン」を試聴させていただくチャンスを頂いたことから始まります。
「シルヴァン」を2台設置した瞬間に今まででは経験できなかった澄みきった音場空間が得られ、即座に2台を導入しました。その後、1年間は「シルヴァン」が引き出す澄み切った音に満足していましたが、新たにプロ仕様の「アンク」がコンシューマー向けにも販売されることを知り、さらに良い音場づくりに挑戦する気持ちが抑えることができなくなりました。
そこで、オーディオで使用している部屋の生活空間の維持を前提に、日東紡音響エンジニアリングの技術者と検討を重ねた結果、スピーカー背面に900W×180Hcmの「アンク」を3台設置することに至りました。
設置工事が完了し、聴き慣れたアナログレコードに期待感で手を震わせながら針を落とした瞬間、今度は次元の違う音場空間に胸がドキドキときめきました。
空間の拡がりと奥行き感が格段に増すと同時に、ピアノタッチは鍵盤の位置が見えてくるようで、ドラムスのシンバル・スネア音の粒立ち、ベースの力量感……狭い部屋が広いコンサートホールライブを聴いていかのるように錯覚します。これこそが“森の音場”なのかもしれません。 |