前述した、前モデル比で約40%に及ぶ低消費電力化は、あくまでもカタログに記載される「年間消費電力量」の話である。これらは、LEDバックライトとUV2A液晶パネルによる根本的な技術革新による飛躍的な低消費電力化や、機能をシンプルにしたり、細部まで回路を見直す事で実現されている。
しかしSシリーズには、さらに「ムーブセンサー」が追加されていて、そのユニークな機能の数々を活用すれば、カタログ値以上の省エネを実現できるポテンシャルを備えている点に注目したい。
Sシリーズに搭載されているムーブセンサーでは、テレビの前に人がいない、または寝てしまって動きが無いと判断した場合、指定した時間が経過すると画面をOFFにしたり、輝度を下げるなどの省エネモードに移行する。省エネモードに移行するまでの時間を細かく設定できるほか、他社機のようにただ画面をOFFにするだけでなく、輝度を下げる設定も用意されているなど、使用状況に応じてきめ細かく調整できる点に注意したい。なおLED光源は、消灯や点灯の繰り返しに強く、点灯直後もすぐに輝度を確保できることから、画質面での心配もいらない。
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「ムーブセンサー」による節電機能のイメージ図。映像ありと映像なし、2種類の節電画面を選択できる |
さらに注目したいのは、クイック起動と連動させて使い勝手を向上させた点だ。
最新の高機能デジタルテレビは、電源ONから映像が出るまでに数秒かかる。高速起動をONにしておくと起動時間は1〜2秒に短縮されるものの、待機時の消費電力が数ワットに跳ね上がってしまうのが気になる。
Sシリーズではムーブセンサーとクイック起動を連動させる事により、テレビの前に人が来ると、OFF状態(ムーブセンサー利用時の待機電力は約1W)から、クイック起動待機状態に移行する。あなたが夜眠っている間は約1Wの低消費電力で待機しつつ、朝起きてテレビに近づき、リモコンで電源をONにする直前にはクイック起動モードで待機しているという、非常にスマートな機能なのだ。快適さを向上させながら、さらなる省エネ化をも両立する。それがムーブセンサーの真価と言えそうだ。
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「クイック起動」の設定画面。ここで「する(自動)」を選ぶと、ムーブセンサーと連動したクイック起動モードに設定できる |
ムーブセンサー以外にも、省エネをさらに進める機能が満載だ。「照明オフ連動」は、明るさセンサーを利用し、夜間、部屋の照明が消えて暗くなったと判断すると、テレビの電源がオフになる機能。ムーブセンサーと連動させておけば、人がテレビの前にいる限り、部屋が暗くなってもテレビの電源はオフにならないので、ホームシアター用途でも不便なく活用できるはずだ。
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明るさセンサーとムーブセンサーを連携させた新機能「照明オフ連動」。照明を落とすと自動的にテレビの電源を切る、といった使い方ができる |
その他、新たにリモコンに搭載された「セーブモード」ボタンは、従来のようにメニュー画面を辿るような手間なく、より手軽に消費電力を抑えるモードに移行できる。業界No.1クラスの省エネ性能を誇るSシリーズを、さらに省エネに使うための配慮だ。Sシリーズを選べば、これから何年も先まで、余裕を持って環境に貢献することができるだろう。
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セーブモードは2種類から選択可能(左)。実際の節電効果をモニターする機能も備える(右) |
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