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「原信号に忠実」という基本的な思想は全くぶれていない、と語る小池氏 |
山之内氏:当サイトの読者はメインソースとして映画をご覧になる方が多いと思います。その場合には「映画モード」と「映画リビングモード」の2種類を用意していますね。
小池氏:はい。まず「映画モード」ですが、これは文字通り映画ソースに含まれている信号をそのまま引き出すのがねらいで、輝度特性(2.2のガンマ)と色特性を、原信号に対して忠実であることをねらいに作り込んでいます。これによりフィルム感を表現しています。これまでの映画モードと思想は全く変えていませんが、今回、階調をよりなめらかに表現することが可能になりました。
山之内氏:それはどういった技術で可能になったのでしょう。
小池氏:2004年以来AQUOSでは、入力信号を超えた階調を再現する、当社独自のBDE(Bit Depth Expansion)階調表現技術を搭載してきました。今回DS6ラインに搭載した「高画質マスターエンジン」ではこの技術を一層ブラッシュアップし、当社のリアル10bitパネルの性能をあますところなく引き出すようにしました。グラデーション映像(ランプ波形)などをご覧いただくと、これまで微妙に段差が見えていた部分もなめらかに表現でき、12ビット相当の味わい深い階調表現が可能になっていることがお分かりいただけると思います。
山之内氏:「映画リビングモード」も進化したようですね。
小池氏:映画リビングモードは、暗室から明るめのリビングまで、様々な明るさに対応する映画視聴用モードです。
今回「映画リビングモード」には、新たに本体前面の明るさセンサーとの連動機能を設けました。明るい部屋では色温度を9,300Kに設定しているのですが、部屋を暗くすると6,500Kにまで自動的に落ちます。もちろん、バックライトの光量も同時に下がります。このときの映像の変化は1分程度かけて行われますので、お客様が急激な映像変化に驚かれることはありません。つまり、映画リビングモードでアクティブ設定をONにしておけば、映像内容や周囲の明るさに応じて最適な映像に調整してくれるというわけです。
山之内氏:それにアクティブコンディショナー機能による効果も加わるわけですね。
小池氏:そうです。映画リビングモードでも輝度特性(2.2のガンマ)を固定していますが、アクティブコントラストによって階調を保持したままゲインを持ち上げます。さらにバックライト制御もシーンの明るさに連動して同時に行い、コントラスト感を高めています。明るめの環境で映画を観る際にもしっとりしたフィルムテイスト映像を表現できます。
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