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BDXLは、片面の記録層を3層/4層に増やす事で大容量化した、ブルーレイの新しい規格である。
BD-HDW700/W70は、レコーダーとして世界で初めて、BDXL規格にフル対応した。従来のBDはもちろん、繰り返し可能なBD-RE XL(3層)と、1回録画のBD-R XL(3層/4層)の、BDXLのディスクすべてに記録・再生できる。
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大容量ディスク「BDXL」に家庭用レコーダーとして世界で初めて対応した |
世界初の製品化を妥協無しに達成できたのもまた、シャープの垂直統合型モノ作りの長所が発揮された結果と言えるだろう。
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現在発売されているBDXLの録画用ディスクは、100GBの容量を持つBD-R XL(3層)で、このディスクの場合、最長で約87時間(10倍モード録画時)もの長時間録画が可能となる。これまでは2層 50GBのディスクが最大容量だったから、ちょうど記録容量が倍増したことになり、BD本来の目的であった高画質、長時間録画にさらに磨きがかかり、使い勝手が高まった。
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2010年9月現在、3層100GBのBD-R XLが販売されている |
録画にこだわりを持つAVファンなら、DRモードで、放送されているTSデータをそのまま録画するという方も多いだろう。だが、DRモードはデータ量が大きい。従来の2層50GBディスクでは、地上デジタル放送の場合で約6時間(17Mbps換算)、BSデジタル放送の場合で4時間強(24Mbps換算)の録画が可能だった。これに対し、BDXLディスクの100GBという容量を使えば、たった一枚のディスクに、地上デジタルの場合で約12時間、BSデジタルの場合で約8.5時間の長時間録画が可能となる。
地上デジタル放送のドラマなら、標準的な1クール11回分(初回と最終回は90分)、合計約12時間の映像が、放送時のクオリティそのままで、編集する手間も無く1枚のディスクにアーカイブできる計算だ。
1枚のディスクに収められたら、保管する際に省スペースで整理し易いし、再生時もディスクの入れ替えを気にせず一気に再生したり、見たい放送回へストレス無くアクセスできるなど、利便性が飛躍的に高まるのはご理解いただけるはずだ。
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BDXL対応のBDドライブ |
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BDドライブに搭載された光ピックアップ部 |
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また、BD-HDW700/70では、HDD容量も強化されていることにも注目したい。BD-HDW700は2TBもの大容量、BD-HDW70は1TBの容量を誇る。DRモードでの録画を前提とした場合でも、2TBなら地上デジタル放送で約250時間、BSデジタル放送で約180時間もの録画が可能となっている。たとえ1日10時間録画しても、HDDが満杯になるまで3週間かかる。
その間に、長期保管したいコンテンツはDRのまま、高速ダビングで大容量のBDXLへ書き出せば良い。そうすれば、手間も時間もかけずに高品位な録画ライフが実現する。ダブルチューナーを駆使し、画質にこだわってDRモードをメインに使っているAVファンの期待に応える理想的な仕様と言えるだろう。
BDXLによるディスク容量の倍増、HDDの容量の強化により、DRモード以外を使う理由は次第に薄れつつあると思う。AVCHDによる長時間録画競争も一方で重要だが、長時間録画がクローズアップされたのは記録メディアの容量に制約があったからで、クオリティを考えたら圧縮しない方が良いことは当然だ。メディアの大容量化は正当な進化の方向であり、いち早くBDXLを採用したシャープの姿勢は評価に値する。
繰り返しになるが、シャープが世界で初めてBDXLに対応できたのは、「垂直統合」のメリットが大きい。部品の隅々まで知り抜いた設計が、完成品としてのレコーダーの信頼性の高さ、クオリティの高さに寄与し、将来に渡って使い続けられる安心感にも結びつく。これは、ユーザーにとって何ものにも代え難い価値になるはずだ。
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