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BD-HDW700/70の、隠れた大きな機能。それが、IEEE802.11a/b/g/nに対応した無線LANユニットの内蔵である。
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BD-HDW700の背面部。中央上部に見える黒い突起部が無線LANユニットで、その下に2系統のHDMI出力を備えている |
BD-HDW700/70はDLNAサーバーとしての機能を持ち、LANによる家庭内映像配信が可能。またインターネットを利用した動画配信「アクトビラ ビデオ・フル」や、BDソフトのオプションとして追加コンテンツや情報が得られるBD-Liveにも対応している。
さらに、BD-HDW700/70では、LAN経由でのスカパー!HD録画に対応しており、LANへのアクセス性が高まることは、利便性の向上にダイレクトに結びつく。
ネットワークの重要性が日増しに高まる中、無線LANに対応した事で、リビングやシアタールームへの設置性が向上したことを歓迎したい。
高速で通信品質の安定したIEEE802.11nに対応する事で、家庭内におけるHD映像の伝送にも不安は無い。また、動作確認済みのルーターの型番も公表されているので、より安定性を求めるユーザーは参考にすると良いだろう。
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シャープだけの独自機能として、内蔵デジタルチューナー2基に、外部スカパー!HDチューナーを加えた、3番組同時録画機能が挙げられる。スカパー!HDの録画は、スカパー!HDチューナーをLANで接続して行う。
3番組同時に録画を行うヘビーユーザーの場合、HDD容量が気になる所だが、両機の場合、高い処理能力によって、3番組同時録画時も、内蔵チューナー2基を使った2番組AVC同時録画が可能となっている(この機能は後日ファームウェアのアップデートで対応予定)。HDD容量の心配だけでなく、同時録画時に録画モード選択の制約を受けないのは何より気持ちがいい。
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HDDやBDの容量によっては、AVCによる長時間モードを利用する事もあるだろう。そんな時に高画質を保ってくれるのが、「新トランスコーダー」と「微細化高画質」技術である。
シャープ独自の新トランスコーダーは、従来の、放送で送られて来るMPEG-2データを完全にデコードしてから、動きデータを再生成しつつH.264に再エンコードする手法ではなく、MPEG-2の映像データのみを解凍したものに、放送時の動きデータをそのまま利用し、H.264にパッキングする仕組みである。
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「新トランスコーダー」の処理概念図。放送で使われているMPEG-2の動きデータをそのまま活用するのが特徴だ |
MPEG系のフレーム間の動き差分を利用する圧縮映像手法において、動きデータは画質を大きく左右する要素であり、その精度は高ければ高いほど、高画質に寄与する。放送局側でエンコード時に生成して加えられた高精度な動きデータを利用するのは合理的な考え方だ。
もちろん、どれだけ工夫しても、理論的には圧縮による画質劣化は避けられない。これを補うのが、再生時の高画質化技術「微細化高画質」である。圧縮でボヤケて見えがちな場面も、鮮鋭感を補い、見やすい映像を実現するというものだ。
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「微細化高画質」の処理イメージ。MPEG特有のノイズを低減する |
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10倍の長時間モードで録画した番組の画質をチェックする鴻池氏 |
今回は長時間モードの画質の実力を確認すべく、10倍録画を試してみた。さすがに10倍ともなると精細感は落ちてしまうが、一般的な10倍録画に比べ、ブロックノイズの少なさ、階調表現の滑らかさ、ディテールの再現性が良いのが一目で分かる。10倍モードを多用する方は少ないだろうが、ふだん使いに適した2倍モードや4倍モードについても、大幅に画質が向上している。
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AQUOSブルーレイのマルチタスクへの取り組みについては先に述べたが、具体的に、BD-HDW700/70について見て行こう。
まず第一は、内蔵ダブルチューナーと外部スカパー!HDチューナーによる3番組同時録画である。トランスコーダーを2基搭載しているので、表も裏も同時に長時間録画が行える。
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AVCによる2番組同時長時間録画を行いながら、スカパー!HDを録画したところ |
また表裏2番組の同時長時間録画中でも、オートチャプターが有効で、追いかけ再生も可能。録画終了まで待つ事なく、録画内容を効率良くチェックできるのは嬉しい。
さらに、表裏2番組の長時間録画中に、BDの2D再生まで可能となっているので、例えば、翌朝返却しなくてはならないレンタルBDを視聴中に、2番組同時録画が始まっても、BD視聴を妨げられる事は無い。
さらに2番組同時録画中に、HDDからBDへの高速ダビングも可能だ。日常的な利用シーンで必要となる、ほぼすべてのマルチタスクに対応しているので、使用中に「あれっ、出来ないの?」と違和感を覚える事はほとんど無いだろう。
BD-HDW700/70でできる主なマルチタスク処理 |
録画×録画 |
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録画×再生 |
1.長時間モードで2番組同時録画
2.HDDに録画しながら追加録画
3.スカパー!HDを録画しながら2番組同時録画
4.CATVを録画しながらもう1番組を同時録画 |
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5.長時間モードで録画しながらBD再生
6.2番組同時録画しながら追いかけ再生
7.2番組同時録画中に早見・早聞き再生
8.2番組同時録画中にアクトビラを視聴 |
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録画×ダビング |
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録画×連携 |
9.録画しながら、ダビング+テレビ視聴
10.2番組同時録画しながら高速ダビング |
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11.録画しながらビデオカメラの映像取り込み
12.2番組同時録画しながらDLNAで番組配信 |
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レコーダーで最も利用頻度が高く、重要なのが、番組表から録画したり、録画番組を探すインターフェイスの使い勝手だ。「パッとカンタン予約」は、電源スタンバイ状態からでもワンボタンで番組表が呼び出せ、録りたい番組を選んで決定ボタンを押すだけ。決定ボタンを押した後に、毎回、録画モードや毎週録画などを選択する必要がないのはスマートだ。
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EPG画面から決定ボタンを押し、録画予約を完了したところ。写真のように、画面左側に予約リストを表示することもできる |
番組検索機能もユニークだ。「キーワード検索」は、番組情報からキーワードを抽出して検索が可能。文字入力の手間が省けるので、スピーディーであることはもちろん、その利便性ゆえに利用頻度も高くなり、価値のある機能だ。
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多彩な方法で番組を検索できる |
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様々な番組検索方法の操作性を確認する鴻池氏 |
また、「類似番組検索」は、独自のアルゴリズムにより類似する番組を検索する機能で、番組表を眺めているだけでは見逃しそうな番組も探し出せる。
これだけ番組検索能力が高くなると、録画する時間も自然と増え、テラクラスの大容量HDDが本領を発揮する。
録ったあとは、撮りためた番組を見ることになる。テラクラスの容量となると、録りためた大量の番組から、所望の番組を見つけるのは困難に思える。しかし、安心して欲しい。BD-HDW700/70では、ハイビジョン対応テレビの高精細画面を活用して、18番組を一覧表示できる機能を持ち、視認性を高める工夫がなされている。また、設定したグループ別、番組ジャンル別、繰り返し予約した番組別の表示など、多彩なソートが可能となっている。また、先ほど紹介した類似番組検索は、録画した番組に対して利用することもできる。
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録画済番組一覧をサムネイルで表示したところ。18番組を表示 |
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予約する際だけでなく、再生時にも高度な検索が利用できるのがAQUOSブルーレイの特長だ |
各ユーザーが好みやスタイルに合わせて、使い易い方法を選ぶ事ができる。思い通りに操作できるのは、何よりも快適だ。
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