まず「TD510」だが、型名からわかるように、ユニットサイズが12センチから10センチへと変わっている。TDシリーズ初の10センチだが、これはより小型化して応答スピードを高めようというもの。高域もこれまでの17kHzから20kHzへと伸びており、わずかだが磁気回路の強化により能率やパワーリニアリティも高まっているようだ。
よく見ると卵型ボディや台座もすっきりと洗練され、リアポートの位置も下がっている。壁の影響を無くすためだ。さらに内部のディフュージョンステーは4本足だが、アルミから比重の高い亜鉛に変更されており、スピーカー部と専用スタンドのジョイントには3点スパイクによる点接触構造を採用した。スピーカーの振動伝播を抑えるための工夫で、いずれも「TD712z」譲りである。
|
|
|
|
|
「TD510」の背面部。スピーカー端子は金メッキ仕様。リアポートの位置もこれまでより若干下がった |
|
付属のテーブルスタンドのカバーを外して角度調整ができる。スピーカーはスタン
ドと3本のスパイクで点接触されている |
|
「TD510」専用のスピーカースタンド「D6」も用意される。カラーは写真のシルバーとホワイトの2種類。価格は1本42,000円だ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
「TD508II」と「TD510」を比較する。サイズの違いはもちろん、ユニット
はTD508IIが紙でTD510がグラスファイバーだ |
|
「TD508II」のスタンド底部。天井に付けたCB1にジョイントする構造になっている |
|
「TD508II」専用のスピーカースタンド「D3II」。価格は21,000円(1本)。D6と同じくシルバー、ホワイトの2色を用意 |
そして今回の目玉、チルト機構である。直置き時と専用スタンド装着時、さらに「CB1」という天吊りブラケットに装着した場合とで、上下の角度調整幅が異なるのだが、驚くのは天吊り時に上方向10度〜下方向60度という大幅なチルトが可能になったことだ。
なお天吊り金具の「CB1」はコンパクトモデルの「TD508II」にも共通の仕様となる。スピーカーのカラーバリエーションはホワイト、シルバー、ブラックの3色が用意され、インテリアとの融合が考慮されたのは嬉しい。「TD508II」はこれまでどおり8センチのフルレンジだが、これもユニットの改良で、1.5dBほどの能率アップが図られている。ステーやスタンド機構など「TD510」に準ずる仕様である。
|
|
|
天吊り時の設置イメージ。卵形のユニークなフォルムは、家庭だけでなく、店舗での使用にも適している |
|
同じく店舗での設置例。曲線が主体の柔らかなボディがインテリアにうまく融け込んでいる |
|