|
Luletの5.1chセット「307TH」。これとAVアンプ、対応プレーヤーを揃えることで、マルチチャンネルオーディオの再生環境が構築できる |
小口径で点音源に近いということは、マルチチャンネル再生にも有利だ。こうして5本のLulet307に囲まれても、音源の位置がそれと気づかないつながりのスムーズさが好ましい。不自然な定位など不要だからである。
SACDマルチやDVDオーディオはボーカル、インストルメント、あるいはシンフォニーなど何を聴いても自然な包囲感やライブ感たっぷりな雰囲気があり、リビングがまさに演奏会場になったかのような錯覚だ。まず「ザ・ルック・オブ・ラブ」だが、ここでのダイアナ・クラールは、リラックスしたボーカルを朗々としたテンポで楽しませてゴキゲン。遠近感が強調されるようなこのソフトにおいても、正面のステージに立つハスキーボイスとリアーまで回り込む楽器音、そして場の気配とのバランスがみごとに保たれる。観客のひとりになったようで、これはちょっと驚く体験だろう。Luletでは実際のスピーカーの位置よりもぐんと深く、広々とした空間再現力が得られるため、一層生々しさが増すわけだ。
|