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試聴はマランツの試聴室で行い、スピーカーにはB&W 800Dを使用した |
最初に15S2シリーズのプレーヤーとアンプを組み合わせ、B&Wの800Dで試聴を行う。
マランツの設計陣が音質評価に使う試聴室で、リファレンススピーカーを組み合わせて試聴していることもあるだろうが、演奏の細部まで克明に把握できる情報量豊かなサウンドがいきなり飛び出してきた。
そもそもベースモデルのバランスと完成度が高い水準に達していなければ、パーツ交換などのチューンナップが成功することはあり得ない。これは筆者が数多くの製品を聴く経験のなかで幾度も体験してきた事実であり、例外は1つもなかった。
15S2シリーズの再生音は、その事実をあらためて思い出させるほどに完成度が高く、それだけ聴いている限りはほとんど不満を感じることはない。それどころか、音楽とじっくり向き合える充実した音の世界を作り出している。
大編成のオーケストラが高い集中力で演奏したときに生まれるサウンドには、独特の緊張感がそなわるものだが、スクロヴァチェフスキ指揮ミネソタ管弦楽団のブルックナー交響曲第9番はその好例だ。スケルツォの短く研ぎ澄まされた音符は低弦から金管まで音の長さとスピードが見事に揃い、勢い良く音を繰り出していく。
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