見やすい電子番組表こそが豊かなテレビ・ライフの入口となる |
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多チャンネル時代のデジタル放送を上手に楽しむためには「電子番組表」を使いこなしたい。電子番組表を使えば放送中の番組はもちろん、今後放送が予定される番組の確認や、面白そうな番組を検索することも可能だ。いまやこの電子番組表は多くのデジタル放送対応テレビで利用できる機能だ。
この電子番組表は、デジタル放送の標準機能だからとは言え、すべてのテレビで等しく便利に利用できるわけではないことは、意外と知られていない事実だ。データで配信される電子番組表は、それを受信したテレビがそれぞれ個別にデザインされた番組表として表示される。電子番組表の表示には各社の製品ごとにかなりの違いがあり、使いづらい製品を選んでしまうと、後々かなり不便な思いをすることになる。店頭で機種選びをするなら、電子番組表の表示とその操作法は必ずチェックすべきだ。東芝の開発陣は「電子番組表こそ豊かなテレビ・ライフの入り口」と考え、この番組表の設計に大いに注力してきたという。 |
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「レグザ番組表・ファイン」が目指したのは「新聞のテレビ欄」のように、直感的にテレビ番組を探せる電子番組表のデザインだった。それまでは「6チャンネル5時間表示」だったデザインを、「7チャンネル6時間表示」に変更した。「6チャンネルが7チャンネル表示に変わるだけでそんなに便利なの?」と、思われる方もいるだろう。実は7チャンネル表示にするだけで、主要なキー局を1画面で表示できる。東京エリアを例にすると、NHK総合/NHK教育/日本テレビ/TBS/フジテレビ/テレビ朝日/テレビ東京の7つがキー局になるが、これらすべてを1画面で表示できるようになる。この地上波7局表示により、愛知県、大阪府などでも同様に主要な放送局を1画面で表示可能だ。 宮崎氏は電子番組表の見やすさにもこだわった。1920×1080画素のフルHD解像度にすることで、小さな文字でも見やすくし、従来機よりもさらに視認性を高めている。それだけでなく番組情報の一部もエリア内に表示させ、一目で番組の出演者や放送内容が確認できるようになった。この変更により音楽番組やトーク番組など、出演者によって録画の判断ができ、大変重宝する。また番組改変期などで新番組ラッシュがやってきた時も、わざわざ個別の番組情報を選択表示しなくても「レグザ番組表・ファイン」ならば、全体を俯瞰しながら新番組の内容が見渡せるのもうれしい。 そのほかにミニ番組表ボタンを押すことで番組表を画面下部に押し下げて表示する「ミニ番組表」が表示される。小さな画面に「7チャンネル2時間表示」を実現しているので、テレビ番組を見ながら次に視聴する番組を探すこともできる。休日の午後にゴロ寝をしながら見たい番組を探す、そんな用途にぴったりの機能だ。 |
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究極の番組表は新機種への搭載のみならず、従来機のユーザーにも提供された |
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「レグザ番組表・ファイン」は“REGZA”シリーズの開発を担当する本村氏にとってもお気に入りの機能なのだそうだ。同社の宮崎氏をはじめとする、ユーザーインターフェースの開発チームが完成させた番組表を、初めてテストしたときには「その使いやすさに驚かされた」という本村氏。実は以前から本村氏の考える電子番組表には、ある理想の姿があった。本村氏は「世の中の番組表で、もっとも見やすいのが新聞の番組表だと思います。全面で1日分の放送予定がわかり、出演者、放送内容まで一目で確認できます。新聞のテレビ欄は、ほぼテレビと同じ歴史があるので、その洗練度には一日の長があります。一覧性と詳細表示を同時に実現できるテレビ欄のような電子番組表を作りたかった。一方でテレビの電子番組表には検索機能など、デジタルならではの便利さがあります。この新聞の“見やすさ”と電子番組表の“優れた操作性”を併せ持つ番組表が“レグザ番組表・ファイン”として実現できました」と説明する。 テレビがより楽しめるようになるのであれば、便利な機能を思いつく限り製品に盛り込んできた同社の開発チームは、“REGZA”シリーズの既存ユーザーへの気配りも忘れない。「レグザ番組表・ファイン」の開発には、こんなエピソードが続く。
宮崎氏らが開発した「レグザ番組表・ファイン」の仕上がりに感動した本村氏は、開発陣にある提案を持ちかけた。それは当時発売済みだった「Z2000」シリーズの番組表を、アップグレードにより「レグザ番組表・ファイン」に更新できるサービスを無償で提供しようというものだった(レグザホームページのサービス情報)。というのも「レグザ番組表・ファイン」は当時開発中の「H3000」シリーズのための機能であったが、その開発は「Z2000」をベースに行われていた。本村氏いわく「Z2000シリーズで開発ができるのであれば、グレードアップのサービスを提供することも可能なはず」という思惑だったのだという。本村氏の提案を受けた宮崎氏は、はじめはそれを即座に断った。「レグザ番組表・ファインは、確かに“Z2000”を使って開発していましたが、バージョンアップとなるとダウンロード専用のプログラムに変更し直すなど、多くの作業が発生します。当時は新製品の“H3000”の開発に注力する必要もありましたので、とても手に負えないと思いました」と振り返る宮崎氏。そんな開発者からのフィードバックを受けつつも、本村氏の采配と技術陣の努力により「Z2000」のバージョンアップと、「H3000」への搭載を両立させるかたちで「レグザ番組表・ファイン」が完成したのだった。 「Z2000」シリーズのバージョンアップサービスを無償で提供するためには当然コストがかかるため、本村氏らは「それを実行するか否かの決断にはひじょうに頭を悩ませた」のだという。しかし、その一方では“REGZA”シリーズの中でも、“Zシリーズ”は同社の開発スタッフがテレビに対する思いのすべてを盛り込んだ特別なモデルであり、その大切なユーザーには自分が提供可能な最大限のサービスを届けたいと考え、彼らはサービスの実現へと踏み切った。「レグザ番組表・ファイン」へのアップグレードサービスの開始後は、ユーザーからの反響は大きなものがあったようだ。ユーザーインターフェース開発陣の思いは、ユーザーに届いたようだ。 そんな開発者たちの“濃い”意欲が詰まった「レグザ番組表・ファイン」の使い勝手は、店頭の実機で確かめることができる。ぜひ“REGZAシリーズのリモコンを手にとって、その見やすさと使いやすさを比べてみて欲しい。もしその番組表に手応えを感じたのであれば、きっとアナタは相当なテレビ好きに違いない。 |
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