「Wooo UTシリーズ」のXP/WP770。

いまやテレビは薄型が当たり前になっている。しかし、電気店の店先に立つと、どれも同じようなデザインで、格安品も高級機も変わり映えしないと感じる方も多いはずだ。ただし、数ある薄型テレビでも、デザインで用途をしっかりと主張している製品がある。それが「Wooo UTシリーズ」だ。

「Wooo UTシリーズ」のモニター最薄部は、なんとたったの3.5cm。UTシリーズには32V型、37V型、42V型があるが、どれも厚みは共通なので、大画面になるほどその薄さが際だつ。

では、薄型テレビの“薄さ”とは、いったい何のためにあるのだろう。国産薄型テレビの中で、液晶モニター部が最薄レベルにある“UTシリーズ”に、あえて問いかけてみたい。当たり前のことだが、薄型テレビはパネルだけでは自立しない。スタンドをつけるか、壁掛けという、いずれかの方法で設置する。液晶パネルがどんなに薄くても、「スタンドに乗せてしまえば厚みなんて関係ない」ということになってしまう。

しかし、UTシリーズは“意味のある”薄さを実現している。それが「レイアウトフリー」というコンセプトだ。壁掛け、壁寄せ、テーブルスタンド、フロアスタンドなど、様々な設置方法に対応する。これまでのテレビは設置場所が限られるため我々は必然的にテレビを中心に家具のレイアウトを組んでいた。しかし様々な設置方法が可能なUTシリーズなら、“人の使いやすさ”を中心に考えたレイアウトを簡単に実現できる。これは薄型軽量テレビがもたらした新しい視聴スタイルと言えるだろう。

ユーザーオリエンテッドな超薄型テレビ、UTシリーズが実現した新たな設置スタイルを、壁掛けから順に見ていこう。

これまでの薄型テレビを壁掛けする場合、重い本体を支えるため、大がかりな補強工事が必要になることは少なくない。UTシリーズは部品を小型化し、チューナー部をセパレート構成にするなどの工夫により、モニター部を徹底的に軽量化。薄くて軽いモニター部は、エアコンの設置程度の感覚で壁掛けできる。

この簡単設置を可能にしたのが、石膏ボードにも対応した壁掛けユニットだ。日本の家屋の約80パーセントは、壁が石膏ボードでできているということだが、重量のある薄型テレビを設置するには向かない。これまで壁掛け設置を試みたが、自宅の壁が石膏ボードだったのであきらめた、という話を聞くことも多い。そんな日本家屋の特徴を、UTシリーズは軽量化と専用金具で克服した。

オプションの“壁寄せスタンド”「TB-LRH0081」。半月状のスタンド部は壁にぴったり設置できる

いくら便利な金具と言っても、設置する際には壁の穴開けは必要だ。分譲住宅なら問題ないが、賃貸では思うように工事できないこともあるだろう。UTシリーズはそんな状況も見越し、オプションで「壁寄せスタンド」を用意している。

壁寄せスタンドは、テレビの背面を壁にぴったりと近づけて設置できるユニークなスタンド。接地面はスロープのかかった半月形状になっているので、つまずくこともない。スッキリ設置できる壁掛け設置のメリットと、工事が不要なスタンド設置の“いいとこ取り”を実現している。穴開けができない家には福音ともいえるスタンドだ。

薄くて軽いということは、移動しやすいということでもある。UTシリーズの重量は32V型なら10.9kg、37V型は14.6kg、42V型でも18kgしかない。さらにスタンドの重量が加わるが、37V型までなら十分にひとりでも動かせるレベルだ。見やすい位置に移動でき、こまめにテレビ周りを掃除できるので、ハウスダストなどに悩んでいる人の一助になりそうだ。

レイアウトフリーを可能にした第三の要素が、「Woooステーション」と名付けられたセパレートチューナーだ。テレビにはビデオ、DVDレコーダー、ゲーム機など、様々な映像機器を接続しなければならない。これがテレビの自由を奪っていたのだ。UTシリーズなら、録画機やゲーム機はチューナー部に接続し、テレビとは1本のHDMIケーブルで接続するだけなので、モニター部を移動しやすい。

別売オプションのワイヤレス伝送ユニットを接続すれば、「Woooステーション」と液晶モニター間をワイヤレスで接続できる。そうすれば液晶パネル部は電源のみなので、さらにスッキリと設置できる。

Wooo UTシリーズの設置事例。奥行きのあるブラウン管テレビは設置場所が限られてしまっていたが、わずか3.5cmという超薄型モニターと、ワイヤレスでも使用可能なチューナー部により、これまででは実現できなかったレイアウトを可能にする 

例えばドアや窓の配置により、テレビに対して正面にソファーなどを置けない家は少なくないだろう。ガラス面の多い家だと、出入りや採光の邪魔にならないように、部屋の隅にテレビを設置しがちだ。

しかしUTシリーズなら、視聴するときだけガラス窓の前に置き、見終わったら別の場所に動かすこともできる。また部屋の中心に置くという大胆なレイアウトにも挑戦でできる。そんな奇抜なレイアウトをしてもいいように、UTシリーズは背面まで艶やかなパネルを使い、美しく仕上げている。

「Wooo UTシリーズ」のモニター部は、同じクラスのテレビと比べても格段に薄い。そのため薄さだけが強調されがちだが、実際に使ってみると“薄さ”だけでなく“軽さ”も重要だと感じる。そしてセパレート設計の「Woooステーション」は、テレビモニターから映像機器のケーブルを減らしスッキリさせた。

録画機やプレーヤーを何台も接続しているヘビーユーザーは、このセパレート設計に魅力を感じる人も多いのではないだろうか。筆者も多くのレコーダーをテレビラックに入れて視聴しているが、UTシリーズなら部屋の好きな場所にレコーダー専用のラックを設置し、そこからケーブル一本を伸ばすだけで、テレビと接続できる。さらに本体だけでなく、別売のスタンド類や、石膏ボードにも対応した専用壁掛け金具も、名脇役としてUTシリーズを支えている。トータルのコンセプトワークに優れ、それを実現するソリューションを明確に提示する。それが「Wooo UTシリーズ」の特長と言えそうだ。