【年末特別企画】Phile-web的社会科見学
「ソニー歴史資料館」探訪 - 歴史的名機の数々に出会う!
「発想通史」コーナーへ並ぶ数々の製品に目を奪われっぱなしの記者。しかし、このコーナーでさえも資料館全体の一角に過ぎない。館内には、放送業務用機器として“デンスケ”の愛称で親しまれた街頭録音機「M-2」(1952年発売)や、強度が足りずにお蔵入りしてしまった幻のトランジスタラジオ1号機「TR-52」など、まだまだ多数の展示がなされているのだ。
また、同社ロゴの変遷を確認できるパネル展示や1960年代の求人広告など、AV機器以外にも興味深い展示がなされている。
そして、「発想庫」と名付けられたコーナーでは製品開発にまつわる数々のエピソードを知ることができる。
なかでも印象深かったのが、ビデオテープやウォークマンに関する展示。実機の横には手帳や木型が並べられており、そのサイズを実現することを最初から目標に組み込んで開発が進められたのだという。
そのほかにもこのコーナーには、カセットを2つ入れて録音と再生を楽しめるウォークマン「WM-W800」や、ブラウン管の角度が変えられるテレビ「TV-501」、そしてAIBOの試作機など、ユニークな発想に基づいた製品が並んでいる。
また、「アーカイブス」コーナーも注目だ。こちらでは、刊行物などの閲覧や過去CMをPCで視聴できる。
ここで記者が真っ先に視聴したのが、猿がウォークマンを聴いていることで話題になったあのCM。「音が進化した。人はどうですか?」のキャッチコピーには、現在でもハッとさせられるものがあった。
そして、「アーカイブス」出入り口の正面には、かなり変わった製品が展示されている。終戦直後に製作された電気炊飯器だ。この電気炊飯器は、米びつにアルミ電極を貼り付けただけという簡単な構造のもの。しかし、電圧の変化や水加減などの調節が難しく、上手く炊けることのほうがまれだったそうで、結局は発売中止になってしまった代物だ。
こうして一通り館内を見終えた記者。関係者の方からうかがった話によれば、見学所要時間は通常なら1時間から1時間半ほどらしいのだが、気付けば2時間近くも滞在してしまっていた。基本的に平日しか開館されていないのでなかなか難しい面もあることだろうが、読者諸氏にもぜひ訪れてみてほしい施設だ。
【問い合わせ先】
ソニー歴史資料館
TEL/03-5448-4455
※見学は完全予約制
休館日:土曜日・日曜日・祝日および会社休日
開館時間:平日 午前10時〜午後5時