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【年末特別企画】Phile-web的社会科見学

「ソニー歴史資料館」探訪 - 歴史的名機の数々に出会う!

公開日 2008/12/27 09:30 Phile-web編集部・小野
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「発想通史」コーナーへ並ぶ数々の製品に目を奪われっぱなしの記者。しかし、このコーナーでさえも資料館全体の一角に過ぎない。館内には、放送業務用機器として“デンスケ”の愛称で親しまれた街頭録音機「M-2」(1952年発売)や、強度が足りずにお蔵入りしてしまった幻のトランジスタラジオ1号機「TR-52」など、まだまだ多数の展示がなされているのだ。

M-2。毎日新聞に連載されていたマンガ「デンスケ」に取り上げられたことがきっかで愛称も「デンスケ」に

TR-52。白い格子状のプラスチックが国連ビルを連想させることから「国連ビルラジオ」の愛称が付いていたとのこと

また、同社ロゴの変遷を確認できるパネル展示や1960年代の求人広告など、AV機器以外にも興味深い展示がなされている。

ロゴの変遷

1969年の求人広告。主な勤務地はアメリカ各地


こちらの求人広告も1969年のもの

「出るクイ」へ向けての檄文を記載

そして、「発想庫」と名付けられたコーナーでは製品開発にまつわる数々のエピソードを知ることができる。

なかでも印象深かったのが、ビデオテープやウォークマンに関する展示。実機の横には手帳や木型が並べられており、そのサイズを実現することを最初から目標に組み込んで開発が進められたのだという。

手帳とビデオテープを並べて展示

CDウォークマン開発時にサイズ目標とされた木型

そのほかにもこのコーナーには、カセットを2つ入れて録音と再生を楽しめるウォークマン「WM-W800」や、ブラウン管の角度が変えられるテレビ「TV-501」、そしてAIBOの試作機など、ユニークな発想に基づいた製品が並んでいる。

一度に2個カセットが入る録再ウォークマン「WM-W800」

TV-501。「Mr.Nello」という製品名なのだが、これは「寝転びながらでも視聴可能」という特徴から名付けられたのだろうか?


左が93年、右が98年当時の試作機

また、「アーカイブス」コーナーも注目だ。こちらでは、刊行物などの閲覧や過去CMをPCで視聴できる。

「アーカイブス」コーナー

ここで記者が真っ先に視聴したのが、猿がウォークマンを聴いていることで話題になったあのCM。「音が進化した。人はどうですか?」のキャッチコピーには、現在でもハッとさせられるものがあった。

出演していたのは「チョロ松」という猿。猿回し引退後は熊本で隠居生活を送っていたが2007年1月に残念ながら亡くなってしまった

こちらは1979年に放送された初代ウォークマンのCM。モデルの服装やメイクに時代を感じる

そして、「アーカイブス」出入り口の正面には、かなり変わった製品が展示されている。終戦直後に製作された電気炊飯器だ。この電気炊飯器は、米びつにアルミ電極を貼り付けただけという簡単な構造のもの。しかし、電圧の変化や水加減などの調節が難しく、上手く炊けることのほうがまれだったそうで、結局は発売中止になってしまった代物だ。

失敗作となってしまった電気炊飯器

こうして一通り館内を見終えた記者。関係者の方からうかがった話によれば、見学所要時間は通常なら1時間から1時間半ほどらしいのだが、気付けば2時間近くも滞在してしまっていた。基本的に平日しか開館されていないのでなかなか難しい面もあることだろうが、読者諸氏にもぜひ訪れてみてほしい施設だ。

【問い合わせ先】
ソニー歴史資料館
TEL/03-5448-4455

※見学は完全予約制
休館日:土曜日・日曜日・祝日および会社休日
開館時間:平日 午前10時〜午後5時

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