「スマートテレビ」時代は本当にやってくるか
■スマートテレビの代名詞「Google TV」の立ち上がりは不調
こういった特徴を備えたプラットフォームとして、昨年華々しいデビューを飾ったのが「Google TV」だ。Androidでスマートフォンを牽引するGoogleが今度はテレビに乗り出すということで、大きな注目を集めた。現在、ソニーとロジテックが米国内を中心に対応機器を販売している。日本にはまだ上陸していないのはご承知の通りだ。
だが現在のところGoogle TVの人気は、当初のメディアの騒ぎ方と比べて対照的で、あまり売れていないようだ。これはロジテックも公式に認めており、249ドルで販売していたGoogle TV対応機器「Revue」を、一気に99ドルへと値下げする事態に追い込まれた(関連ニュース)。
Google TVの人気に、本格的に火が点いていない理由はいくつか考えられる。もちろん、肝心のアプリマーケットがまだオープンしていないことは、その筆頭に挙げられるべきものだ。
アプリマーケットがなければ、ユーザーはメーカーがあらかじめ用意した、お仕着せのアプリや機能を楽しむしかない。これでは、いままでのネット対応テレビと何ら変わらず、ユーザーにとってはメリットがあまりない。
Google TVのスタートダッシュは、決してはかばかしいものではなかったが、だからといって、スマートテレビという方向性そのものが市場から否定されたと考えるのは早計だ。
初期のiPhoneやAndroidスマートフォンを思い出して欲しい。iPhoneはバグだらけで多くのアップルファンを苛つかせたし、Androidスマートフォンも、その完成度の低さが槍玉に挙げられた。
スマートテレビについても同様で、これまでにないものを一から作り上げていくのだから、もう少し長いスパンで、孵化するかどうかを見守る必要があるように思う。