「スマートテレビ」時代は本当にやってくるか
■スマートテレビとは何か?
スマートテレビに明確な定義はない。だから仮にざっくりとした定義を決めてから話を進める必要があるのだが、ひとまずスマートフォンと同じ要件を当てはめれば、多くの方が想像するイメージと大きく乖離することはなさそうだ。
ちなみに、マーケティング戦略の一環で、これまでのテレビでも実現していた機能を「スマートテレビ」的なものとして紹介している例もあるが、この是非を論ずるのは本稿の主旨ではないので措いておく。
前提条件を整理しておくと、まずスマートテレビにはネット接続機能は必須。YouTubeにせよTwitterにせよ、人気のウェブサービスを利用できることは必要不可欠の条件といって良いだろう。
またアプリケーションプラットフォームが存在し、ソフト開発キット(SDK)が用意され、第三者がアプリを開発できるようになっていることも重要と考える。これが用意されていないと機能を容易に増強できず、マーケットから好きなアプリをダウンロードし、カスタマイズすることができない。これでは一般的な「スマート」のイメージとはかけ離れてしまう。
もちろん、ハードウェアの能力も重要だ。ウェブサービスやアプリを高速に動作させるためには、ある程度高速なプロセッサーやメモリーの搭載も必要になってくる。
インターフェースにもスマートテレビ向けの改善が必要となる。少なくともこれまでのリモコンでは、URLを打ち込んだり検索文字列を入力するのも一苦労。スマートフォンやタブレットを操作デバイスとして利用したり、まったく新しいテレビ向けの操作デバイスを開発するなど、何らかの工夫が必要になる。