OS X Lionでコマンドを発見
「Ethernet AVB」で変わる? アップル製品のオーディオ環境
■同規格の業界団体にはオーディオメーカーの名前も
Ethernet AVB対応機器が市販されていない現状、どのような製品群・ネットワーク環境となるかは想像の域を出ないが、普及を目的に設立された業界団体「AVnu Alliance」の加盟企業を見てみれば、概要をつかめるかもしれない。
AVnu Allianceは、2009年8月にCiscoやBroadcom、IntelといったIT系6社を中心に設立。その後ルネサスやTIなどの半導体メーカー、Boschや現代・起亜など自動車産業に近い企業が加わり、2011年8月では計34社が加盟している。
オーディオ機器メーカーの名前も確認できる。ゼンハイザーやShure、YAMAHAなど一般消費者向け製品で知られるメーカーのほか、Meyer Soundのように大型ホールに強いメーカーの名前も確認できる。傘下にJBLやAKGなどのブランドを擁するHarman Internationalに至っては、設立当初からのメンバーだ。
AVnu AllianceにAppleは加盟していないが、Ethernet AVB対応のデーモンをOS X Lionに収録したということは、今後OSとしてEthernet AVBをサポートすることは確実だろう。Appleの場合、MacのほかにApple TVがEthernet標準装備の機器として存在するため、今後Apple TVでサポートされる可能性も否定できないだろう。
Appleは、ワイヤレス対応のオーディオ/ビデオ伝送システムとして「AirPlay」を擁している。技術仕様が一般公開されないプロプライエタリな規格であり、オーディオアンプなど一部製品での事例を除けば積極的なライセンス供与は展開されていないが、Ethernet AVBとは競合しない(上位レイヤーの)プロトコルでもあるだけに、まったく無関係ではないはず。
実際、次世代無線LAN規格のIEEE 802.11vでは、Ethernet AVBの一部仕様を取り込む計画があり、ワイヤレスでもEthernet AVBと同等のネットワークを構築できるようになるかもしれないのだ。
証拠らしい証拠はたった1つのコマンドだが、なんの企図もなく開発コストをかけて新しいOSに収録するとは考えにくい。そこから今後のEthernet AVBのサポートは確実と考えられるとして、問題はAppleみずからEthrenet AVB対応機器を発売するのかどうかだ。ワイヤレスに特化したiOSデバイスとの関連はあるのかないのか。そしてAirPlayとの関連は。今後、注意深く観察する必要があるだろう。
(海上 忍)
Ethernet AVB対応機器が市販されていない現状、どのような製品群・ネットワーク環境となるかは想像の域を出ないが、普及を目的に設立された業界団体「AVnu Alliance」の加盟企業を見てみれば、概要をつかめるかもしれない。
AVnu Allianceは、2009年8月にCiscoやBroadcom、IntelといったIT系6社を中心に設立。その後ルネサスやTIなどの半導体メーカー、Boschや現代・起亜など自動車産業に近い企業が加わり、2011年8月では計34社が加盟している。
オーディオ機器メーカーの名前も確認できる。ゼンハイザーやShure、YAMAHAなど一般消費者向け製品で知られるメーカーのほか、Meyer Soundのように大型ホールに強いメーカーの名前も確認できる。傘下にJBLやAKGなどのブランドを擁するHarman Internationalに至っては、設立当初からのメンバーだ。
AVnu AllianceにAppleは加盟していないが、Ethernet AVB対応のデーモンをOS X Lionに収録したということは、今後OSとしてEthernet AVBをサポートすることは確実だろう。Appleの場合、MacのほかにApple TVがEthernet標準装備の機器として存在するため、今後Apple TVでサポートされる可能性も否定できないだろう。
Appleは、ワイヤレス対応のオーディオ/ビデオ伝送システムとして「AirPlay」を擁している。技術仕様が一般公開されないプロプライエタリな規格であり、オーディオアンプなど一部製品での事例を除けば積極的なライセンス供与は展開されていないが、Ethernet AVBとは競合しない(上位レイヤーの)プロトコルでもあるだけに、まったく無関係ではないはず。
実際、次世代無線LAN規格のIEEE 802.11vでは、Ethernet AVBの一部仕様を取り込む計画があり、ワイヤレスでもEthernet AVBと同等のネットワークを構築できるようになるかもしれないのだ。
証拠らしい証拠はたった1つのコマンドだが、なんの企図もなく開発コストをかけて新しいOSに収録するとは考えにくい。そこから今後のEthernet AVBのサポートは確実と考えられるとして、問題はAppleみずからEthrenet AVB対応機器を発売するのかどうかだ。ワイヤレスに特化したiOSデバイスとの関連はあるのかないのか。そしてAirPlayとの関連は。今後、注意深く観察する必要があるだろう。
(海上 忍)