【特別企画】オーディオルーム防音のポイントを実地で体感
『オーディオと防音』を深堀りでレクチャー&体感 − 「第19回 Acoustic Audio Forum」開催レポート
基本的には壁だけでなく、床と天井も2重構造にするのが大切で、防振ゴムを使用するなどした、浮構造にすることが重要であるという。また、高い性能の防音ドアを1枚使うよりも、標準的な性能の防音ドアを2枚使う方が性能が高く、コストも安く済む』と語るなど、実用的な話も聞かれた。
「一級建築士だからといって防音や遮音について理解しているわけではなく、そうした建築士にまかせて失敗した物件のリカバリーを頼まれるようなケースもある」とも述べ、同社に代表されるような、音楽と防音の関係性をキチンと理解したプロを選ぶ重要性にも触れた。
なお、部屋の外への遮音といえば音の通り道となる窓やドアの隙間を塞ぐことも基本だが、「実は今は『防音サッシ』というものは存在していない」といった豆知識も紹介。現在の窓サッシは基本性能が上がって以前の防音サッシ並みの性能を有することが当たり前になったことから防音サッシというジャンル分けはされなくなったのだという。
■戸建て住宅ならではの防音/遮音事情
イベント2日目は、アコースティックデザインシステムが設計を手がけたスフォルツァートの試聴室に会場を移しての開催。木造のツーバイフォーづくりという戸建てに近い条件での防音/遮音デモを体験できる場となった。
なお、前回のイベントレポートでも紹介しているように、会場となった建物は、スフォルツァートの試聴室と事務所のほか、賃貸物件として3世帯が入居するアパートになっている。
そうしたこともあり、スフォルツァートの小俣氏は「ロックの演奏ができるくらいの部屋を」というオーダーをしたとのことで、これに対しアコースティックデザインシステムでは「最高レベルの防音を施して設計した」という。
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