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特撮好きがチェック

今年は“特撮イヤー”、いちばん熱くなれる配信サービスはどれ?Amazon/Netflix/Huluを徹底比較

公開日 2021/05/02 07:00 編集部:松永達矢
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Hulu(月額:税込1,026円)
・特撮「も」見たいならHuluが1番!


Huluは、日本テレビ放送網傘下のHJホールディングスが運営する動画配信サービス。特撮番組と日本テレビ、今ではなかなか接点を見い出せない組み合わせであるが、その配信タイトル数は今回比較の3サービス内では随一となっている。

そのラインナップの豊富さを表すように、Hulu内に「ウルトラマンシリーズ」「仮面ライダーチャンネル」「スーパー戦隊チャンネル」といった、配信タイトルをまとめたページを用意。Amazonプライムビデオ、Netflixでは配信されていないTVシリーズが数多く見放題となっているのは非常に嬉しいポイント。

Hulu内のチャンネル「ウルトラマンシリーズ」

細かい配信内容に目を向けると、「ウルトラマンシリーズ」では、劇場映画『ウルトラマンゼアス』(1995年公開)が一番古いタイトルとなるなど、主に平成期の作品を中心に展開。TVシリーズでは『ウルトラマンガイア』『コスモス』『ネクサス』『メビウス』などの作品を始め、『ウルトラマンギンガ』から始まる「ニュージェネレーションヒーローズ」作品を現行の『ウルトラマンZ』までカバーする。ニュージェネ劇場作品も『ギンガ劇場SP』から2018年公開の『劇場版ジード』まで配信されている。

お笑いコンビとんねるずの当時のマネージャーが主役を張る、歯ブラシで変身するなど、ユニークな面が多いが、ストーリーは結構王道な『ウルトラマンゼアス』

また、同じ円谷プロダクション作品としての括りでは、現在放送中の『SSSS.DYNAZENON』の見逃し配信されているほか、その原作となる1993年放送の特撮作品『電光超人グリッドマン』も、2018年放送のアニメシリーズ『SSSS.GRIDMAN』も全話配信されている。至れり尽くせりとはこのことなのか…。

現在放送中の『SSSS.DYNAZENON』の見逃し配信に加え、関連2作も配信。実写作品の『電光超人グリッドマン』も視聴できるのは嬉しいところ。『ダイナゼノン』内にも実写作品ネタが登場するので確認してみてはいかがだろうか?

「仮面ライダーチャンネル」では、シリーズの礎を築いた1971年放送の第1作『仮面ライダー』から2016年放送の『仮面ライダーエグゼイド』まで、全てのTVシリーズを網羅。シーズン1のみが深夜に地上波放送されていた『仮面ライダー龍騎』の海外リメイク版『KAMENRIDER DRAGONKNIGHT』までも配信されている徹底ぶりだ。

Hulu内のチャンネル「仮面ライダーチャンネル」

これに加え、平成ライダー第2作目『仮面ライダーアギト』放送の2001年から毎年夏に公開されている劇場作品、通称「夏映画」が第一作『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』から19年公開の“怪作”『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』まで並ぶ。

2019年(令和1年)公開の「夏映画」『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』。ファンの間では「平成延長戦」など素敵な評価を得ている作品である

その他、作品内の2号、3号ライダーを主役に据えたスピンオフのオリジナルビデオシリーズや、2009年公開の『仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイドMOVIE大戦2010』に始まる前番組のライダーと劇場公開時の現行ライダーが共演する「冬映画」、シリーズの枠を超えスーパー戦隊との共演を果たした2012年公開の『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』などの「春映画」も見放題作品として顔を揃えている。

「スーパー戦隊チャンネル」では、1989年の『高速戦隊ターボレンジャー』から2017年の『宇宙戦隊キュウレンジャー』までのTVシリーズを配信。こちらも仮面ライダー同様、「夏映画」の短編シリーズや、番組終了後のオリジナルビデオシリーズなどが配信。

Hulu内のチャンネル「スーパー戦隊チャンネル」

また、2012年公開の『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』からの括りで「メタルヒーローシリーズ」に属するヒーローながら『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』もラインナップの一つとして名前を並べている。

Huluでは「メタルヒーローシリーズ」の配信も行っている

なお、「スーパー戦隊チャンネル」内には並ばないものの、Huluには『ギャバンTHE MOVIE』と世界観を共有する『宇宙刑事シャリバンNEXT GENERATION』と『宇宙刑事シャイダーNEXT GENERATION』といったオリジナルビデオシリーズや、1993年放送の『特捜ロボジャンパーソン』から96年放送の『ビーファイターカブト』までのメタルヒーローシリーズの作品も一部配信されている。

これだけでも十分お腹いっぱいの内容だが、Huluについて特筆したいのは、実はここから。個人的に最大のポイントとして推したいのが、大手配信サイトで唯一「牙狼シリーズ」が配信されているという点。個人的に “特撮作品” という観点でHuluを推す上でも声を大にして言いたいポイントだ。

Huluでは2017年放送の『絶狼-ZERO- -DRAGON BLOOD-』を除いた牙狼シリーズ映像作品を網羅する

そもそも、「牙狼シリーズ」とは何かという話なのだが、掻い摘んで説明すると、仮面ライダーやスーパー戦隊のスタッフとして辣腕を振るったクリエイター、雨宮慶太による特撮作品で、大雑把にジャンル付けすると「変身ヒーロー」に属するシリーズ物だろう。

たが、変身ヒーローといえど、2005年に放送されたシリーズ1作目『牙狼-GARO-』から一貫して放送時間帯は深夜に設定。元よりターゲットを大人としているのが最大の特徴であり、「ハイパーミッドナイトアクションホラードラマ」というコンセプトのもとシリーズを展開している。人の業や欲望(作中では陰我(いんが)と呼称)より生まれる魔獣:ホラーを輝く鎧を纏った騎士(魔戒騎士)が叩き伏せるといったダークな世界観が描かれる。

2005年放送のシリーズ1作目『牙狼-GARO-』

その「牙狼シリーズ」の配信状況だが、先記の2005年放送の第1作目から2020年放送の最新作『GARO -VERSUS ROAD-』まで、映像作品は“ほぼ”網羅。新日本プロレスの“エース”こと、棚橋弘至(本人は仮面ライダーファンで有名ですね)を主役に据えた1話単発のスピンオフ『牙狼〈GARO〉−阿修羅−』まで配信されているほか、シリーズ展開をする上で派生したアニメ作品も全て配信しているという充実具合。

なお、派生的に展開されたアニメシリーズであるが、1作目『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』は後に『ドロヘドロ』『「進撃の巨人」The Final Season』でも監督を務めることとなる林祐一郎が、3作目『牙狼<GARO>-VANISHING LINE-』は『呪術廻戦』の監督を後に務める朴性厚(パク・ソンフ)がそれぞれ監督を担当。

2014年放送のアニメシリーズ第1作『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』。監督を務めるのは『ドロヘドロ』『「進撃の巨人」The Final Season』の林祐一郎

2017年放送のアニメシリーズ第3作『牙狼<GARO>-VANISHING LINE-』。『呪術廻戦』の朴性厚(パク・ソンフ)が監督を担当。氏は1作目でも絵コンテで参加しており、非常にカロリーの高い作画アクションを披露している

生身のアクションシーンが評判のシリーズのアニメ化という難題に、超絶アクション作画の連続で応えるという傑作に仕上がっており、同じく特撮作品のアニメ化作である『SSSS.GRIDMAN』のような“世間の人気”的な弾け方こそしなかったものの、ことこの2作は特撮ファンだけでなく、一部のアニメファンからも熱い視線を集めていたように感じる。主に実写特撮作品を紹介する記事で恐縮だが、ぜひ見ていただきたい…。

さらに、Amazonプライムビデオ同様「ゴジラ」などの東宝の特撮映画が配信されているほか、「イズム」を感じる作品として、LDH所属パフォーマー/アーティストや、若手俳優が多数参加するアクションドラマ「HiGH&LOWシリーズ」をTVシリーズ、劇場シリーズの全てを配信しているのもHuluを推す上でも声を大にして言いたいポイントその2! なのだが、このシリーズについて語るにはここまでの文量が再度必要になるので、泣く泣く割愛させていただく…。

ドラマシリーズを含めた『ハイロー』全作品が配信されているのもHuluを推したいポイントの一つ。国内アクション作品の極致みたいな熱い作品です

ちなみにHuluについても初めて利用するユーザーに限り2週間の無料体験が用意されている。条件に合う方はぜひお試しを。

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