今年の秋には“収穫祭”か
次の「HomePod」はどうなる? WWDCの発表内容から予想する
■新規格のMatter始動。各社のスマートデバイスがつながる
WWDCの基調講演では、アップルのほか、グーグルやアマゾン、ファーウェイにSmartThingsなど大手IT企業が参加するConnectivity Standards Alliance(CSA/旧 Zigbee Alliance)が策定したスマートホームIoTの新しい共通通信プロトコル「Matter(マター)」についても言及された。アップルでは今年後半にMatterへ対応し、HomeKitと連携する製品が発売されると見込んでいる。
CSAに参加するグーグルとアマゾンは、ユーザーが家庭に設置したスマートホームIoTデバイスを音声操作し、動作状況をディスプレイに可視化できる複数のスマートディスプレイを発売している。グーグルが直近に日本でも発売した第2世代のスマートディスプレイ「Google Nest Hub」も、アップデートでMatterをサポートするようだ。
筆者もGoogle Nest Hubを自宅で使っているが、Googleアシスタントに対応するスマート照明などは画面のタッチ操作でコントロールできるので、寝室の枕元に設置するとかなり便利だ。
■Apple Watchの「ホーム」アプリ強化も朗報だが、やはり本命は “あの製品”
アップルも、Apple Watch向けの新しいwatchOS 8から家庭のスマートIoT機器を快適に操作できるよう「ホーム」アプリを強化する。Apple Watchは言わずと知れた人気スマートウォッチで、この分野ではグーグルやアマゾンの追随を許さない。だが、ベッドに入る時にも身に着けているユーザーは数が限られるだろう。一方でグーグルとアマゾンには、Matterに対応するアクセサリーを、画面のタッチ操作で、家族みんなでコントロールできるスマートディスプレイがある。アップルはこれ以上後れを取るわけにいかない。
WWDCの基調講演では、HomePod miniが、秋に予定するソフトウェアアップデートでApple Musicのロスレスオーディオに対応することも発表された。Apple TV 4Kに接続し、Apple Musicのドルビーアトモスによる空間オーディオが楽しめる「HomePod」が生産を完了しているため、これに変わる新しいHomePodもほしい。
筆者の予想を総括すると、今年の秋には「空間オーディオ」と「ロスレスオーディオ」の両方をサポートする、“HomePodシリーズのスマートディスプレイ”が発売されると思う。新たに空間オーディオに対応した、FaceTimeによるビデオ通話も行えたら、コミュニケーションツールとしても大変に魅力的だ。できればアップルの製品と肩を並べるSiri搭載スマートオーディオが外部パートナーからも発表され、「秋の収穫祭」が派手に催されることを楽しみにしたい。