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【第21回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

死と隣り合わせの“127時間” ! 実話から生まれたワンシチュエーションサバイバルサスペンス!

公開日 2022/07/29 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2010年の公開作『127時間』をご紹介します!

『127時間』(2010年・アメリカ)
(配信:Disney+ / dTV)

『127時間』 ディズニープラスの「スター」で配信中 © 2022 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

登山家アーロン・ラルストンの自伝を、『トレインスポッティング』などで知られるダニー・ボイル監督が映画化。誰にも行き先を告げぬまま、ロッククライミングを楽しむため一人ユタ州の渓谷を訪れたアーロン(ジェームズ・フランコ)。軽快に歩みを進めていたのも束の間、岩と共に滑落した拍子に、右腕が岩と壁の間に挟まれ身動きが取れなくなってしまう。周囲に人はおらず、限られた水と食料と道具を用いて脱出を試みるのだが…。

劇中のほとんどが身動きの取れなくなった男の姿、所謂ワンシチュエーションものである本作。ともすると退屈な絵面が続きそうなものだが、ボイルの演出は一味違う。場所は何ら変わらぬものの、彼が手にする物一つ一つの見せ方であったり、効果的なSEの使い方であったり、徐々に疲弊していく精神描写を駆使して、退屈とは無縁の世界を創り出している。

どのようにして窮地を脱するのか、もしも自分が同じ状況に陥ったらどうするのか。実話であるという重みも相まって、気付けば作品世界に引き込まれてしまうはず。そして、死と隣り合わせの極限状態に追い込まれる男の姿は、日々の生き方を、己自身を見つめ直すキッカケを与えてくれるに違いない。

(C)2022 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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