【第13回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
映画アドバイザーが推す週末サブスクこの1本。『マリッジ・ストーリー』
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数ゆえに、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2019年の配信作『マリッジ・ストーリー』をご紹介します!
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『マリッジ・ストーリー』(2019年・アメリカ)
(配信:Netflix)
アカデミー賞6部門ノミネート、助演女優賞を獲得したノア・バームバック監督作。女優のニコール(スカーレット・ヨハンソン)と、舞台演出家のチャーリー(アダム・ドライバー)。夫婦関係が上手くいかなくなり離婚協議中の二人は、話し合いで穏便に別れるつもりでいたものの、8歳の息子の親権や住まいを巡り、互いに弁護士を雇って争うことに…。
人の気持ちほど不確かなものはない。たとえ愛を誓っても、そこに愛はなかったのだと、誤りであったのだと、別れを選ぶ人もいる。一度亀裂が生じれば、二度と元通りには戻れない。ニコールとチャーリーの場合はどうだろう。確かにあったはずの楽しい時間や思い出さえも否定し、法という人の気持ちや心に優劣がつけられる状況下で、苦悩し、衝突し、傷付け合っていく。だが、二人の間に愛がなかったわけではないということが、物語の節々から伝わってくることだろう。
共にいることだけが、パートナーとしてやっていくことだけが、愛の証明であるとは限らない。たとえその関係性が壊れようと、何もかもが消え去るわけではないことを、彼女たちの姿を通して垣間見る。明確な形や答えを持たぬ「愛」について考えさせられる作品です。
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『マリッジ・ストーリー』(2019年・アメリカ)
(配信:Netflix)
アカデミー賞6部門ノミネート、助演女優賞を獲得したノア・バームバック監督作。女優のニコール(スカーレット・ヨハンソン)と、舞台演出家のチャーリー(アダム・ドライバー)。夫婦関係が上手くいかなくなり離婚協議中の二人は、話し合いで穏便に別れるつもりでいたものの、8歳の息子の親権や住まいを巡り、互いに弁護士を雇って争うことに…。
人の気持ちほど不確かなものはない。たとえ愛を誓っても、そこに愛はなかったのだと、誤りであったのだと、別れを選ぶ人もいる。一度亀裂が生じれば、二度と元通りには戻れない。ニコールとチャーリーの場合はどうだろう。確かにあったはずの楽しい時間や思い出さえも否定し、法という人の気持ちや心に優劣がつけられる状況下で、苦悩し、衝突し、傷付け合っていく。だが、二人の間に愛がなかったわけではないということが、物語の節々から伝わってくることだろう。
共にいることだけが、パートナーとしてやっていくことだけが、愛の証明であるとは限らない。たとえその関係性が壊れようと、何もかもが消え去るわけではないことを、彼女たちの姿を通して垣間見る。明確な形や答えを持たぬ「愛」について考えさせられる作品です。
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、渋谷クロスFM・Voicy・各種WEB・雑誌・メディア等で映画を紹介。イベント登壇、映画祭審査員、映画のカメオ出演、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |