【第41回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
見た目と中身、どっちが大事?123人の俳優が1人の人物を演じる異色のファンタジーロマンス
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2015年製作の『ビューティー・インサイド』をご紹介します!
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『ビューティー・インサイド』(2015年・韓国)
(配信:Netflix / U-NEXT / dTV)
韓国のCM界を代表するペクの映画監督デビュー作。毎日目が覚めると性別・年齢・人種を問わず外見が変わってしまう家具デザイナーのウジンは、家具専門店で働くイスと出会い、たちまち恋に落ちてしまう。同じ外見を保つため一睡もせず、イスと3日間を共に過ごすウジンであったが、うっかり寝てしまい別人の姿に。果たして、二人の恋の行方は…。
目覚める度に容姿が変わるという非現実のファンタジー設定ながらも、「見た目と中身、どちらが大事?」という恋愛における永遠の命題的要素を扱っているからこそ、引き込まれるものが宿る本作。「中身が大事」と即答できる人も多いだろうが、肝心の中身にはそう簡単に触れられない。時間をかけて相手を知り、徐々に見極められるようになっていくものなのだから。
もしウジンと同じ立場であったのなら、日毎に容姿が変わる自分に自信を持てるだろうか。もしイスと同じ立場であったのなら、日毎に容姿が変わる相手の中身を見極められるだろうか。二人の心模様に寄り添っていく中で、自身の中身を開示すること、他者の中身に触れることの難しさを垣間見る。そして、日常における他者との関わりを見つめ直すキッカケを得られることだろう。
(C) 2015 NEXT ENTERTAINMENT WORLD. All Rights Reserved.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『ビューティー・インサイド』(2015年・韓国)
(配信:Netflix / U-NEXT / dTV)
韓国のCM界を代表するペクの映画監督デビュー作。毎日目が覚めると性別・年齢・人種を問わず外見が変わってしまう家具デザイナーのウジンは、家具専門店で働くイスと出会い、たちまち恋に落ちてしまう。同じ外見を保つため一睡もせず、イスと3日間を共に過ごすウジンであったが、うっかり寝てしまい別人の姿に。果たして、二人の恋の行方は…。
目覚める度に容姿が変わるという非現実のファンタジー設定ながらも、「見た目と中身、どちらが大事?」という恋愛における永遠の命題的要素を扱っているからこそ、引き込まれるものが宿る本作。「中身が大事」と即答できる人も多いだろうが、肝心の中身にはそう簡単に触れられない。時間をかけて相手を知り、徐々に見極められるようになっていくものなのだから。
もしウジンと同じ立場であったのなら、日毎に容姿が変わる自分に自信を持てるだろうか。もしイスと同じ立場であったのなら、日毎に容姿が変わる相手の中身を見極められるだろうか。二人の心模様に寄り添っていく中で、自身の中身を開示すること、他者の中身に触れることの難しさを垣間見る。そして、日常における他者との関わりを見つめ直すキッカケを得られることだろう。
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ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |