【第63回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング主演!裏社会で疾走する男の純愛と狂気
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2011年製作の『ドライヴ』をご紹介します!
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『ドライヴ』(2011年・アメリカ)
(配信:U-NEXT / hulu )
第64回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したデンマークの鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン監督作。昼は整備士とスタントマンとして働き、夜は強盗犯の逃走を請け負うドライバーの男(ライアン・ゴズリング)。2つの顔を使い分け、孤独に暮らしていた男の前に現れたのは、幼い息子と暮らすアイリーン(キャリー・マリガン)。次第に惹かれ合っていく2人であったが、服役していた夫の出所を機に、男は裏社会の抗争に巻き込まれていく…。
冒頭、男は言う。「逃走経路は任せろ。5分間、車の中で待つ。その5分間は何が起きようと必ず待っている。だが、5分を過ぎたら面倒は見ない」と。これだけで、男が如何にプロフェッショナルであるのかが伝わってくる。同時に、映し出される逃走劇によって、その実力が確かなものであるのだと合点がいく。
が、序盤において彼の完璧さを披露するということは、その完璧さに綻びが生じる様を描いていくことを意味する。そう、 “恋”である。アイリーンへの想いが男を通常とは異なる行動へと走らせ、予期せぬ事態を招いていく。つまり、他者との関わりや繋がりが、良くも悪くも人を変えることを本作は示していく。狂気と愛情を孕んだ男の行き着く果てとは…。
(C)2011 Drive Film Holdings, LLC. All rights reserved.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『ドライヴ』(2011年・アメリカ)
(配信:U-NEXT / hulu )
第64回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したデンマークの鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン監督作。昼は整備士とスタントマンとして働き、夜は強盗犯の逃走を請け負うドライバーの男(ライアン・ゴズリング)。2つの顔を使い分け、孤独に暮らしていた男の前に現れたのは、幼い息子と暮らすアイリーン(キャリー・マリガン)。次第に惹かれ合っていく2人であったが、服役していた夫の出所を機に、男は裏社会の抗争に巻き込まれていく…。
冒頭、男は言う。「逃走経路は任せろ。5分間、車の中で待つ。その5分間は何が起きようと必ず待っている。だが、5分を過ぎたら面倒は見ない」と。これだけで、男が如何にプロフェッショナルであるのかが伝わってくる。同時に、映し出される逃走劇によって、その実力が確かなものであるのだと合点がいく。
が、序盤において彼の完璧さを披露するということは、その完璧さに綻びが生じる様を描いていくことを意味する。そう、 “恋”である。アイリーンへの想いが男を通常とは異なる行動へと走らせ、予期せぬ事態を招いていく。つまり、他者との関わりや繋がりが、良くも悪くも人を変えることを本作は示していく。狂気と愛情を孕んだ男の行き着く果てとは…。
(C)2011 Drive Film Holdings, LLC. All rights reserved.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |