【第59回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
その死体を解剖してはいけない…。検死官親子を襲う美しき死体の秘密を解き明かす本格ホラー
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2016年製作の『ジェーン・ドウの解剖』をご紹介します!
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『ジェーン・ドウの解剖』(2016年・アメリカ)
(配信:U-NEXT /hulu)
『トロール・ハンター』『スケアリーストーリーズ 怖い本』などで知られるアンドレ・ウーヴレダル監督作。遺体安置所と火葬場を営む検死官トミー(ブライアン・コックス)と、その息子オースティン(エミール・ハーシュ)の元に、惨殺事件現場で発見された身元不明の遺体が運ばれてくる。死因を探るべく検死を始める二人であったが、次第に不可解な出来事が起きていき…。
「ジェーン・ドウ」。それは人の名ではなく、日本語で言うのなら「名無しの権兵衛」に相当する言葉。遺体の素性に関してはネタバレに直結するため触れないが、本作が良作B級ホラーである由縁について紹介したい。観る者をただ怖がらせるだけならば、それはC級。B級であればこそ、そこには確かなドラマが宿っている。その部分を担保するのが父子の関係性。86分と短い作品ながらも、随所に父子のドラマが盛り込まれている。
また、解剖というプロセスを通して段階的にその素性を解き明かしていく様も面白い。何より、数少ない登場人物、暴風雨によって断絶された地下という限られたシチュエーションなど、秀逸な設定の一つひとつが作品のクオリティを底上げしている。短くて、面白くて、怖い!オススメのB級映画です。
©2016 AUTOPSY DISTRIBUTION,LLC ALL RIGHTS RESERVED
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『ジェーン・ドウの解剖』(2016年・アメリカ)
(配信:U-NEXT /hulu)
『トロール・ハンター』『スケアリーストーリーズ 怖い本』などで知られるアンドレ・ウーヴレダル監督作。遺体安置所と火葬場を営む検死官トミー(ブライアン・コックス)と、その息子オースティン(エミール・ハーシュ)の元に、惨殺事件現場で発見された身元不明の遺体が運ばれてくる。死因を探るべく検死を始める二人であったが、次第に不可解な出来事が起きていき…。
「ジェーン・ドウ」。それは人の名ではなく、日本語で言うのなら「名無しの権兵衛」に相当する言葉。遺体の素性に関してはネタバレに直結するため触れないが、本作が良作B級ホラーである由縁について紹介したい。観る者をただ怖がらせるだけならば、それはC級。B級であればこそ、そこには確かなドラマが宿っている。その部分を担保するのが父子の関係性。86分と短い作品ながらも、随所に父子のドラマが盛り込まれている。
また、解剖というプロセスを通して段階的にその素性を解き明かしていく様も面白い。何より、数少ない登場人物、暴風雨によって断絶された地下という限られたシチュエーションなど、秀逸な設定の一つひとつが作品のクオリティを底上げしている。短くて、面白くて、怖い!オススメのB級映画です。
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ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |