【第51回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
なぜ地球に帰れない?月の裏側で孤独に生きる男に隠された秘密にあなたは迫れるか
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2009年製作の『月に囚われた男』をご紹介します!
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『月に囚われた男』(2009年・イギリス)
(配信:U-NEXT)
デヴィッド・ボウイの息子であるダンカン・ジョーンズ監督の長編映画デビュー作。近未来、燃料資源が枯渇した人類は、月にあるヘリウム3を採掘することでエネルギー問題を解決。妻と娘を地球に残し、3年契約で採掘作業に派遣された宇宙飛行士のサム・ベル(サム・ロックウェル)は、月の向こう側でたった一人暮らしていた。そんな孤独な生活も残り2週間となったある日、サムは事故を起こしてしまうのだが…。
近未来且つ宇宙を舞台にしたSF作品であり、デヴィッド・ボウイの息子の作品ともなると、壮大な予算をかけて作られた大作映画をイメージするかもしれないが、本作はあくまでも小規模の低予算映画。であるにも関わらず、その世界観を強く信じられ、心惹かれてしまうものが宿っているのは何故か。
それは、(作品の核となる部分であるため言及は控えるが)とある設定がもたらす複雑な心理描写、それを体現する俳優の確かな演技力、限られた登場人物・空間・シチュエーションなど、さまざまな創意工夫がなされているからこそのもの。『スリー・ビルボード』でオスカーに輝く以前のサム・ロックウェル、全編ほぼ一人芝居と言っても過言ではない彼の名演を堪能できるのも見どころです。
© 2009 Lunar Industries Limited. All Rights Reserved.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『月に囚われた男』(2009年・イギリス)
(配信:U-NEXT)
デヴィッド・ボウイの息子であるダンカン・ジョーンズ監督の長編映画デビュー作。近未来、燃料資源が枯渇した人類は、月にあるヘリウム3を採掘することでエネルギー問題を解決。妻と娘を地球に残し、3年契約で採掘作業に派遣された宇宙飛行士のサム・ベル(サム・ロックウェル)は、月の向こう側でたった一人暮らしていた。そんな孤独な生活も残り2週間となったある日、サムは事故を起こしてしまうのだが…。
近未来且つ宇宙を舞台にしたSF作品であり、デヴィッド・ボウイの息子の作品ともなると、壮大な予算をかけて作られた大作映画をイメージするかもしれないが、本作はあくまでも小規模の低予算映画。であるにも関わらず、その世界観を強く信じられ、心惹かれてしまうものが宿っているのは何故か。
それは、(作品の核となる部分であるため言及は控えるが)とある設定がもたらす複雑な心理描写、それを体現する俳優の確かな演技力、限られた登場人物・空間・シチュエーションなど、さまざまな創意工夫がなされているからこそのもの。『スリー・ビルボード』でオスカーに輝く以前のサム・ロックウェル、全編ほぼ一人芝居と言っても過言ではない彼の名演を堪能できるのも見どころです。
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ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |