【番外編】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
クリスマスは、ひとり。そんなあなたの心に染みる、映画アドバイザーが選んだサブスク配信8作品
いよいよクリスマス。家族と一緒に過ごす人、恋人と一緒に過ごす人、友人何人かで集まって過ごす人は、きっと楽しいクリスマスの予定を立てていることでしょう。ですが、そんな人たちのことは知りません!
本コラムでは、クリスマスをひとりぼっちで過ごす予定のあなたを優しく迎え入れ、時には叱咤激励し、このクリスマスを乗り切るための勇気や気付きを与えてくれる「サブスクサービスで見れる」厳選タイトルをご紹介します!
◇
『3D彼女 リアルガール』(2018年・日本)
(配信:Netflix / U-NEXT / hulu /dTV )
2次元を愛し、人と関わることが苦手なオタク高校生・筒井光(佐野勇斗)は、万引きの濡れ衣を着せられた超絶美少女・五十嵐色葉(中条あやみ)を庇ったことをキッカケに交際を申し込まれる。自分とは対照的な世界に生きる色葉からの猛烈なアプローチを新手のイジメだと疑いながらも、アニメやフィギュアに引くことなく対等に接してくれる姿勢に次第に心魅かれていく筒井。紆余曲折を経て徐々に恋人としての関係を築いていく二人であったが…。
■待っているだけでは良いことは訪れない
まず始めに、ヒロイン役の中条あやみが反則級に可愛い過ぎる! それだけでも見応えたっぷりで、非モテ×リア充の恋模様もコミカルで面白い。多少のツッコミどころはあれど、基本的には笑えてしんみりもできる程良い作品に仕上がっている。が、そんな風には受け止められない人も中にはいるだろう。もし仮に、「アニヲタでコミュ症で引きこもり予備軍」と蔑まれる主人公を他人だと思えないのであれば、本作はきっとあなたの胸を打つ。
リア充や陽キャ属性の人には笑って済ませられる作品に留まるかもしれないが、非モテ&陰キャ属性、ましてやクリスマスをひとりぼっちで過ごす人にとっては、胸を締め付けられる程切なく、それでいて勇気に満ち溢れた作品に感じられるはず。そもそも、中条あやみのような美女から交際を申し込まれることなどあり得ない。
仮に話す機会が訪れたとしても、上手におしゃべりなんてできやしない。話しかけたところで虫けら扱いされるのが関の山。と、そんな風に自分を卑下することばかりに囚われている内は、他人と本気で接することなど叶わない。だが、主人公・筒井は勇気を振り絞り、自分の殻に閉じこもっている者では決して開くことのできない扉の前へと歩みを進めていく。諸々こじらせている自覚がある人には、是非とも筒井が絞り出す勇気に触れてみていただきたい。
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008年・アメリカ)
(配信:Netflix / U-NEXT)
仕事にもプライベートにも「ノー」と答える後ろ向きな男、カール・アレン(ジム・キャリー)。 そんな彼を見かねた友人に連れて行かれたセミナーで、どんなことにも「イエス」と答えると強引に約束させられたことから事態は一変。人が変わったように運気をどんどん上げていくカールは、偶然知り合ったアリソン(ゾーイ・デシャネル)と恋仲に。だが、全てが好転し始めた時、思わぬどんでん返しが待っていた...。
■極端な変化がチャンスをもたらす
決断を迫られた際、全てに「イエス」と答えれば人生が変わる。そう言われ仕方なく実行していくものの、人生が激変し始めていくカール。無論、都合の良い展開のオンパレードではあるのだが、人生を大きく変えようと願うのなら、それ位極端な変化を自身に強いなければならないことに気が付くはず。例えば、思い切って断捨離するのもそう、引っ越しするのもそう、転職するのもそう、何かしらの変化を生じさせようとする際には、大きな行動を起こすもの。
だが、その極端さが決定的に欠けていたからこそ、今年のクリスマスをひとりぼっちで過ごす羽目になっているのではないだろうか。一つだけ言えるとすれば、全てに「イエス」と答えることに戸惑いながらも次第に変化していくカールは、常にリスクを背負っていた。安心・安定の場から自らを遠ざけ、常に挑戦をし続けていくからこそ成長だってしていける。
何のリスクも背負わず、「恋人ができたらいいな」「良い人いないかな」「来年はきっと大丈夫」などと漠然と願っているでは到達することのできない境地へと達していく。彼のように全てを「イエス」と返せとは言わないし、「イエス」と答えるだけでは解決できないことも山程ある。しかし、本作を観たのなら、一時的にでも全てに「イエス」と返してみたくなってしまうのをはじめ、それに匹敵する何かを自身に強いなければならないことを強く自覚できるはず。幸い次のクリスマスまでまだ1年の猶予がある。いくらでも挑戦していける。
『天使のくれた時間』(2000年・アメリカ)
(配信:Netflixx / U-NEXT)
ウォール街で成功をおさめ、誰もがうらやむ生活を送る独身のジャック・キャンベル(ニコラス・ケイジ)は、クリスマスイブの夜に “もうひとつの人生” に導かれる。それは13年前に別れた恋人・ケイト(ティア・レオーニ)と結婚し、タイヤの販売をしながらふたりの子供を養う平凡な “ファミリーマン” としての人生だった。自分が選ばなかった人生を経験していく中で、これまで感じたことのなかった想いが芽生え始めていくジャックであったが...。
■人生の分岐点
かつて訪れた人生の分岐点。その時に選ばなかった “もしもの人生” を追体験していく中で、本当に大切なことが何であるのかを見極めていく主人公・ジャック。クリスマスをひとりぼっちで過ごすことになったあなたにとっての分岐点とは一体何であったのか。何かしら思い当たることがあると思う。そう、あなたが今年のクリスマスを一人で過ごすのは、そうならざるを得ない選択をしてきたからに他ならない。
本作で目にすることになるのは、ジャックが歩む不思議な道のりであるけれど、そんな彼を通して感じられるのは、自分自身にも宿る可能性。「あの時こうしていれば、あの時ああしていれば」、そんな思考に囚われることは誰にでもあるが、ジャックに訪れたような奇跡はおそらく僕たちには訪れない。だが、自らの選択や決断次第で現状から抜け出せること、楽しくHAPPYなクリスマスだって迎えられることを、この作品は教えてくれると思います。
『her/世界でひとつの彼女』(2014年・アメリカ)
(配信:U-NEXT / hulu)
第86回アカデミー賞にて脚本賞を受賞したスパイク・ジョーンズ監督×ホアキン・フェニックス主演作。そう遠くない未来のロサンゼルス。妻と別れ傷心のセオドア(ホアキン・フェニックス)は、最新型の人工知能型OSを手に入れる。自らをサマンサと名乗るOSとの刺激的な時間はセオドアの心を癒し、やがて二人は惹かれ合っていくのだが…。
■他者との関わり
物語の中にクリスマスの要素はないが、本作にはクリスマスをひとりぼっちで過ごす人にとって大切なことがたくさん描かれている。最新の人工知能型OS「OS1」。分かりやすく言えば、SiriやAlexaなどのAIアシスタントが現状の何倍も発展し、人間と会話するのと遜色ないレベルにまで達したもの。生身の肉体がないことを除けば、人と変わらぬ関係性だって築けてしまう。
そんなOS・サマンサとの出会いを経て、徐々に活気を取り戻し、サマンサと恋仲になっていくセオドアの姿を見ていれば、「こんな恋愛もアリかもしれない」と思えてくることだろう。むしろ、一人でクリスマスを過ごす人ならば、きっとそう感じずにはいられない。が、そこで気が付くことになる。何であれ、他者と関わるしかないのだと。
傷付くリスクも大いに付きまとうが、他者と関わらなければ喜びだって得られない。酷く脆いセオドアは、間違いなくあなたの仲間。彼が喜ぶ様に、彼が傷付く様に、是非寄り添ってみていただきたい。そうすれば、自分自身の脆さにだって気が付けるはずだから。他者と本気で関わりを持ちたくなるはずだから。そのために必要なものが何であるのかが見えてくるはずだから。
■吹き替えで観るのもアリ!
余談ですが、スカーレット・ヨハンソン演じるサマンサの吹き替えを担当するのは、「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイ役や、「名探偵コナン」の灰原哀役などで知られるベテラン声優の林原めぐみさん。スカーレット・ヨハンソン演じるサマンサもエキゾチックでセクシーですが、林原さん演じるサマンサも大人の色気が漂うセクシーさ。あえて吹き替えで観るのもオススメです。
本コラムでは、クリスマスをひとりぼっちで過ごす予定のあなたを優しく迎え入れ、時には叱咤激励し、このクリスマスを乗り切るための勇気や気付きを与えてくれる「サブスクサービスで見れる」厳選タイトルをご紹介します!
『3D彼女 リアルガール』(2018年・日本)
(配信:Netflix / U-NEXT / hulu /dTV )
2次元を愛し、人と関わることが苦手なオタク高校生・筒井光(佐野勇斗)は、万引きの濡れ衣を着せられた超絶美少女・五十嵐色葉(中条あやみ)を庇ったことをキッカケに交際を申し込まれる。自分とは対照的な世界に生きる色葉からの猛烈なアプローチを新手のイジメだと疑いながらも、アニメやフィギュアに引くことなく対等に接してくれる姿勢に次第に心魅かれていく筒井。紆余曲折を経て徐々に恋人としての関係を築いていく二人であったが…。
■待っているだけでは良いことは訪れない
まず始めに、ヒロイン役の中条あやみが反則級に可愛い過ぎる! それだけでも見応えたっぷりで、非モテ×リア充の恋模様もコミカルで面白い。多少のツッコミどころはあれど、基本的には笑えてしんみりもできる程良い作品に仕上がっている。が、そんな風には受け止められない人も中にはいるだろう。もし仮に、「アニヲタでコミュ症で引きこもり予備軍」と蔑まれる主人公を他人だと思えないのであれば、本作はきっとあなたの胸を打つ。
リア充や陽キャ属性の人には笑って済ませられる作品に留まるかもしれないが、非モテ&陰キャ属性、ましてやクリスマスをひとりぼっちで過ごす人にとっては、胸を締め付けられる程切なく、それでいて勇気に満ち溢れた作品に感じられるはず。そもそも、中条あやみのような美女から交際を申し込まれることなどあり得ない。
仮に話す機会が訪れたとしても、上手におしゃべりなんてできやしない。話しかけたところで虫けら扱いされるのが関の山。と、そんな風に自分を卑下することばかりに囚われている内は、他人と本気で接することなど叶わない。だが、主人公・筒井は勇気を振り絞り、自分の殻に閉じこもっている者では決して開くことのできない扉の前へと歩みを進めていく。諸々こじらせている自覚がある人には、是非とも筒井が絞り出す勇気に触れてみていただきたい。
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008年・アメリカ)
(配信:Netflix / U-NEXT)
仕事にもプライベートにも「ノー」と答える後ろ向きな男、カール・アレン(ジム・キャリー)。 そんな彼を見かねた友人に連れて行かれたセミナーで、どんなことにも「イエス」と答えると強引に約束させられたことから事態は一変。人が変わったように運気をどんどん上げていくカールは、偶然知り合ったアリソン(ゾーイ・デシャネル)と恋仲に。だが、全てが好転し始めた時、思わぬどんでん返しが待っていた...。
■極端な変化がチャンスをもたらす
決断を迫られた際、全てに「イエス」と答えれば人生が変わる。そう言われ仕方なく実行していくものの、人生が激変し始めていくカール。無論、都合の良い展開のオンパレードではあるのだが、人生を大きく変えようと願うのなら、それ位極端な変化を自身に強いなければならないことに気が付くはず。例えば、思い切って断捨離するのもそう、引っ越しするのもそう、転職するのもそう、何かしらの変化を生じさせようとする際には、大きな行動を起こすもの。
だが、その極端さが決定的に欠けていたからこそ、今年のクリスマスをひとりぼっちで過ごす羽目になっているのではないだろうか。一つだけ言えるとすれば、全てに「イエス」と答えることに戸惑いながらも次第に変化していくカールは、常にリスクを背負っていた。安心・安定の場から自らを遠ざけ、常に挑戦をし続けていくからこそ成長だってしていける。
何のリスクも背負わず、「恋人ができたらいいな」「良い人いないかな」「来年はきっと大丈夫」などと漠然と願っているでは到達することのできない境地へと達していく。彼のように全てを「イエス」と返せとは言わないし、「イエス」と答えるだけでは解決できないことも山程ある。しかし、本作を観たのなら、一時的にでも全てに「イエス」と返してみたくなってしまうのをはじめ、それに匹敵する何かを自身に強いなければならないことを強く自覚できるはず。幸い次のクリスマスまでまだ1年の猶予がある。いくらでも挑戦していける。
『天使のくれた時間』(2000年・アメリカ)
(配信:Netflixx / U-NEXT)
ウォール街で成功をおさめ、誰もがうらやむ生活を送る独身のジャック・キャンベル(ニコラス・ケイジ)は、クリスマスイブの夜に “もうひとつの人生” に導かれる。それは13年前に別れた恋人・ケイト(ティア・レオーニ)と結婚し、タイヤの販売をしながらふたりの子供を養う平凡な “ファミリーマン” としての人生だった。自分が選ばなかった人生を経験していく中で、これまで感じたことのなかった想いが芽生え始めていくジャックであったが...。
■人生の分岐点
かつて訪れた人生の分岐点。その時に選ばなかった “もしもの人生” を追体験していく中で、本当に大切なことが何であるのかを見極めていく主人公・ジャック。クリスマスをひとりぼっちで過ごすことになったあなたにとっての分岐点とは一体何であったのか。何かしら思い当たることがあると思う。そう、あなたが今年のクリスマスを一人で過ごすのは、そうならざるを得ない選択をしてきたからに他ならない。
本作で目にすることになるのは、ジャックが歩む不思議な道のりであるけれど、そんな彼を通して感じられるのは、自分自身にも宿る可能性。「あの時こうしていれば、あの時ああしていれば」、そんな思考に囚われることは誰にでもあるが、ジャックに訪れたような奇跡はおそらく僕たちには訪れない。だが、自らの選択や決断次第で現状から抜け出せること、楽しくHAPPYなクリスマスだって迎えられることを、この作品は教えてくれると思います。
『her/世界でひとつの彼女』(2014年・アメリカ)
(配信:U-NEXT / hulu)
第86回アカデミー賞にて脚本賞を受賞したスパイク・ジョーンズ監督×ホアキン・フェニックス主演作。そう遠くない未来のロサンゼルス。妻と別れ傷心のセオドア(ホアキン・フェニックス)は、最新型の人工知能型OSを手に入れる。自らをサマンサと名乗るOSとの刺激的な時間はセオドアの心を癒し、やがて二人は惹かれ合っていくのだが…。
■他者との関わり
物語の中にクリスマスの要素はないが、本作にはクリスマスをひとりぼっちで過ごす人にとって大切なことがたくさん描かれている。最新の人工知能型OS「OS1」。分かりやすく言えば、SiriやAlexaなどのAIアシスタントが現状の何倍も発展し、人間と会話するのと遜色ないレベルにまで達したもの。生身の肉体がないことを除けば、人と変わらぬ関係性だって築けてしまう。
そんなOS・サマンサとの出会いを経て、徐々に活気を取り戻し、サマンサと恋仲になっていくセオドアの姿を見ていれば、「こんな恋愛もアリかもしれない」と思えてくることだろう。むしろ、一人でクリスマスを過ごす人ならば、きっとそう感じずにはいられない。が、そこで気が付くことになる。何であれ、他者と関わるしかないのだと。
傷付くリスクも大いに付きまとうが、他者と関わらなければ喜びだって得られない。酷く脆いセオドアは、間違いなくあなたの仲間。彼が喜ぶ様に、彼が傷付く様に、是非寄り添ってみていただきたい。そうすれば、自分自身の脆さにだって気が付けるはずだから。他者と本気で関わりを持ちたくなるはずだから。そのために必要なものが何であるのかが見えてくるはずだから。
■吹き替えで観るのもアリ!
余談ですが、スカーレット・ヨハンソン演じるサマンサの吹き替えを担当するのは、「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイ役や、「名探偵コナン」の灰原哀役などで知られるベテラン声優の林原めぐみさん。スカーレット・ヨハンソン演じるサマンサもエキゾチックでセクシーですが、林原さん演じるサマンサも大人の色気が漂うセクシーさ。あえて吹き替えで観るのもオススメです。
次ページ次項では一歩踏み出すために必要な “キッカケ” をくれる松岡茉優主演作からご紹介!