PR車のエンジン音のリアリティがさらに高まる!
ネットワークアクセサリーはゲームにも効く? PS5のレースゲームやRPGで試してみた
PS5のLAN端子にネットワークアクセサリーを投入!
ネットワークオーディオ再生が発展するに従って、アクセサリーのジャンルも充実してきた。特に、オーディオユースを意識して作られていないルーターやLANケーブル周りに使用するアクセサリーは、音質向上の効果も大きい。
オーディオに効果があるのであれば、「映像やゲーム体験にも効果がありそうなのでぜひ試してほしい!」と企画を持ち込んでくれたのは、イギリスのケーブルブランド、CHORD COMPANYの国内輸入を担当するアンダンテラルゴの鈴木喜裕さん。休みの日には、オーディオはもとより、映画もゲームも幅広く楽しんでいるという。
だが、オーディオの音質向上に効くアイテムは、果たしてゲームにも効く…のだろうか? 今回鈴木さんが持ってきてくれたのが、English Electricの「EE1」。LANケーブルに「直列」で挟み込んで使用する小型のアクセサリーである。
ネットワークを使用するゲーム機ということで、今回は鈴木さんが自宅で遊んでいるPlayStation 5でテストすることにした。PS5では、接続の安定性のために有線LANケーブルを使っている場合も多いだろう。ネットワーク由来のノイズを減らしてくれるアイテムならば、PS5から出力される映像や音声にも効果があるのかもしれない。
ということで、実際にどんな効果が現れるのか、鈴木さん&ゲーム好きスタッフの遠藤さんと一緒に、PS5のゲームで遊びながら(?)早速検証してみた。
オーディオ的な素性をチェック。立体感や低域の安定感に効果あり
「EE1」というアイテムの基本性能を確認しよう。English Electricは、CHORD COMPANYのサブブランドという位置づけとなる。CHORD COMPANYのケーブルの強みは、何と言っても“高周波ノイズ対策”にある。携帯電話やさまざまな電子機器から発せられる無線電波は、目に見えないままにオーディオ機器に悪影響を与えてしまっている。そのノイズをシールドや素材の工夫でいかに除去していくかということはCHORD COMPANYの得意とするところであり、その技術はEnglish Electricのネットワーク関連アクセサリーにも多く盛り込まれている。
この「EE1」も、2023年の夏発表されて以来、ネットオーディオファンの間でスマッシュヒットになっているそうだ。
まずはアンダンテラルゴの試聴室で、いわゆる“オーディオ”的グレードアップをチェック。ネットワークプレーヤーはスフォルツァートの「DSP-Dorado」(RJ-45搭載モデル)を使用。「DSP-Dorado」の直近、RJ-45端子の手前に「EE1」を挟み込み、バルバラの『Live à Bobino, Paris』から「Parce que je t'aime」を聴く。
EE1を加えることで、特にベースなどの低域の音程感が安定し全体的に骨格がしっかりした印象。またステージの見通しが良くなり、ピアノとヴォーカルの距離感が感じられると同時に、奥行きも含めた三次元的な立体感がより立ってくるように感じられた。
『グランツーリスモ7』のエンジン音がより迫力満点に!
オーディオ機器での素性を確認したところで、今度はテレビとゲーム機が置かれている別の部屋に移動して、検証を続けよう。ステレオスピーカーをテレビの左右に配置、PS5からHDMIでテレビに繋ぎ、音声はテレビのミニジャックからLINNのアンプに入力されている(なお、最近流行りのHDMI搭載プリメインではない)。
まずは鈴木さん&遠藤さんも休みの日によく遊んでいるというPS5の『グランツーリスモ7』から。PS5にはRJ-45のLAN端子が装着されているため、その直近にEE1を追加してみた(ちなみに筆者はゲームをするとすぐ3D酔いする人間のため、プレイは慣れた遠藤さんにお任せし、音質・画質チェックに全力で当たっている)。
一番差を感じられたのは車のエンジン音のリアリティ。グランツーリスモは実車を用意してその音を収録しているというこだわりも売りで、もちろん車種ごとに音はまったく異なってくる。たとえば最初に乗ったシトロエン。EE1のありなしを比較すれば、エンジン音の低域の安定感、加速時の駆け上がりの滑らかさなどに大きな違いを感じられる。
また、急カーブを曲がる際のタイヤのきしみ、他の車と擦れ合ったりしたときの嫌な音も生々しいというか、“より嫌な音”がする。操作をミスって壁に激突したときは、心臓が縮み上がるほどだ。
画質面での違いも大きい。例えば空の色のグラデーションの細やかさ、あるいは首都高でトンネル内に入ると、白線と灰色の道のコントラストは一層はっきりする。また車体に外の景色が映り込み細かく変化していくのだが(この細かいレンダリング技術にも脱帽!)、この映り込みもEE1ありのほうがずっと精緻に見えてくる。
ゲームを変えて、今度は『Horizon Forbidden West』というグラフィックが美しいオープンワールドRPG。草木のディテールや水面に反射する周囲の景色の細やかさ、気味の悪い敵のグラフィック、バトル時に飛び散る火花や音の表現などにも違いを感じられた。元々4K/HDRで作られている映像ということもあり、アクセサリーによる伸び代も大きい。
ゲームの世界でのアクセサリーの効果は、単に綺麗になるというより、ゲームクリエイターのこだわった表現を、しっかり描き出してくれるように感じられる。
こうして実際に体験してみると、アクセサリーの追加は、特に「ホラーゲーム」などに効果がありそうだ。映像や音の質にこだわることで、より恐怖心が掻き立てられ、縮み上がるような体験をすることができるのではないか、と期待が高まる。
今回はあくまでテレビ+アンプ+ステレオ2chというシステムで、ドルビーアトモス等の空間オーディオはテストしていないが、これだけでも十分物語世界への没入感は大きい。
昨今ではFPSでの敵の動きをより素早くキャッチするために音の重要性が語られていたり、グループチャットの音質を高めることでコミュニケーションを円滑にする、というような形でゲームにもオーディオ製品が活用されることも増えてきた。
今回はそこまでシビアなゲームではなく、友人とワイワイ楽しみながらというシチュエーションを想定しているが、十分にアクセサリーの恩恵は感じられた。アクセサリーの追加でゲーム体験にどのような変化が生まれるか、ぜひみなさんもご自宅のゲームでぜひ検証してみてほしい。
(提供:アンダンテラルゴ)