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【第137回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

いつでも「好き」って言えたのに…!あと一歩が踏み出せない男女のすれ違いを描く感動作

公開日 2024/10/18 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2014年公開の『あと1センチの恋』をご紹介します!

『あと1センチの恋』(2014年・イギリス・ドイツ)
(配信:Amazon Prime Video / U-NEXT / Hulu )

『あと1センチの恋』Blu-ray&DVD発売中 Blu-ray 1,944円(税込)/DVD 1,296円(税込)発売元ファントムフィルム 販売元:TCエンタテインメント

『P.S. アイラヴユー』の原作者としても知られるセシリア・アハーンのベストセラー小説を映画化。6歳からの幼なじみであるロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)。友達以上恋人未満の距離のまま18歳を迎えた2人は酔った勢いで唇を交わすも、何事もなかったかのようにそれぞれ別の相手と恋仲になる。その後、大学進学を機に共にボストンへ渡ろうと約束する2人であったが、ロージーの妊娠が発覚し……。

もうとにかくじれったい!!互いに相手に好意を寄せながらも、些細なすれ違いの連続によって交わることのない2人の気持ち。その12年にも及ぶ歳月を見せつけられる本作。劇中の2人ほど長い期間こじらせた経験のある人は少ないと思うが、自身の気持ちに素直になれなかったり、ボタンのかけ違えによってタイミングを逃してしまった経験の一つや二つ、誰にだってあると思う。ロージーの妊娠や子供の存在に始まり、イギリスとアメリカという物理的な距離、新しいパートナーの存在、届かなかった手紙など、相手を思うが故に誤解し行き違い続ける2人の思い。

(C)2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH

そこに共感できるか否かは目にする方の恋愛経験に左右されるところも大きいが、すれ違い続ける2人の姿から見えてくることがきっとある。たとえその時はどうにもならなくても、時の流れが解決してくれることもあるということ。そして、自分の気持ちに素直になることの大切さ。また、その気持ちを誤解なく相手に届けることの難しさ。恋愛において、ひいては人生においても大事な指針の数々を、あと一歩、あと1センチ踏み出せない男女の姿が示してくれます。

(C)2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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