Android→iPhoneへの機種変、全然アリ
2024年、生まれて初めてiPhoneを使ってみる。Android歴14年のライターが感じた「iPhoneのよくできている」トコロ
■iPhoneによる音楽再生の今
続いては、音楽再生機能のポイントにも軽く触れておこう。かつては、母艦となるMacおよびiTunes(クラウド)とiPhoneを紐付けることで実現する、シームレスな楽曲管理と再生スタイルが魅力だった。自分はこの良さを享受できないまま過ごしていたわけだが、今や音楽再生ソースはサブスクの配信サービスが主流なので、この辺の重要度は下がっている気がする。
あと、ワイヤレス音楽再生スタイルの先陣を切った「AirPlay」のことも忘れてはいけない。現在の「AirPlay 2」も、引き続きスピーカーのワイヤレス再生における使い勝手の良さは強い。
ただ現在は、外出先でBluetoothイヤホンを使った再生シーンが多いのも事実。Bluetooth関連のスペックだけを見れば、iPhoneシリーズが高音質コーデックの「LDAC」などに非対応であることは、Android機と比較してウィークポイントにはなる。
……と言いつつ、今どきのBluetoothイヤホンは、iPhoneで音楽を聴くことも念頭に作られているモデルが多いと推察する(再生デバイスのひとつとして、圧倒的なユーザー数を誇る存在を無視しないだろう)。シビアな音質再現系よりは、エンタメ性の高い音作りのモデルを選ぶなど、好みに合わせてイヤホン側の選択肢を吟味することで、iPhoneのAAC接続でも十分に音楽を楽しめる……と個人的には感じる。
なので、この辺については、「Androidの方がLDAC対応機種を選べる自由度があるのは魅力だが、別にiPhoneでも音楽再生を楽しめるのは事実」という所感だ。
■大クラウド時代、スマホのOSはそこまで意識しなくて済む
さて、今やここが一番のポイントなのだが、日常的によく使用するサービスやアプリについては、もはやOSを意識せずに使えた。最後にこの嬉しさを語って、本記事を締めくくろう。
私がメインで活用しているメールクライアントはGmailだし、スマホで撮影した写真はAmazon Photoと自動連携してクラウドに保存している。サブスク系では、映像配信サービスはPrime VideoとNetflix、音楽配信サービスはAmazon Musicを使用。いずれのサービスも、Android機で使っているアカウントをiPhone側で引き継いで、特に難なく使えた。
そう、ぶっちゃけた話、GoogleアカウントとAmazonアカウントとの連携で使っているサービスが多すぎて、もはや端末のOSを意識せず使うことができたのだ。これこそ、クラウド全盛時代の使用感。このタイミングで、多くのiPhoneユーザーがAndroid機への乗り換えを視野に入れ始めたのも、これらクラウドサービスの普及が背景にあるだろう。
かつては上述の通り、MacとiPhoneのシームレスな連携を羨ましいと思っていた私も、ここ数年は「MacBook Air+Androidスマホ」スタイルのねじれをほとんど感じずに過ごしているのが事実だ。おおらかな時代になったなあ。
■今年の機種変、iPhone 16も視野に入れてみよう
というわけでまとめると、14年間Android派の自分からしたら、iPhoneはiPhoneでやっぱり魅力的だった。実は私、この11月で、現在使用しているPixel 6aの機種変タイミングが来る。なので、今回はiPhone 16への機種変がアリかどうか確かめたかった部分もあったのだが、結論としては十分に選択肢としてアリだった。
もちろん、古いiPhoneからiPhone 16シリーズに機種変を考えている場合は(そしてそういう人が大多数だろう)、機能性に対する前機種との価格差も重要なので、悩む部分は色々あると思う。それを踏まえた上で、あくまでも2010年からAndroid機を使い続けた私目線の結論ということで。何にせよ、「iPhoneからAndroid」「AndroidからiPhone」、双方の機種変スタイルがアリな時代になったのだと思うと、Android歴14年のユーザーとしてはただただ感慨深い。