公開日 2017/01/06 15:17
<CES>ソニー平井社長が語る'17年の展望。「ハードの存在意義を信じ、確かな結果を残す」
国内メディア向け記者会見
2017年のCESが現地時間1月5日に開幕した。すでに当サイトでは、ソニーが今年出展した製品を広くカバーしたレポートを掲載しているが、5日にソニーが邦人記者を集めて開催した共同会見では、平井一夫社長から、今年のCESの展示にかける意気込みや2017年の商品戦略に関する詳しい話をうかがうことができた。
会見の冒頭で平井氏は「ソニーのコンシューマーエレクトロニクスについては長らく苦戦が続く時期もあったが、ブラビア、αシリーズ、ウォークマン、PlayStationなどコンシューマー向けのイノベーティブかつ高品質を追求した“ソニーらしい製品”が収益改善の原動力になった」とソニーのエレキ復活を後押しした看板商品の飛躍をねぎらった。
「社長就任以来、コンシューマーエレクトロニクス領域が復活するためには“商品力の強化”と“差異化”のふたつが不可欠と唱え続けてきた。高度なネットワーク時代にはハードウェアがコモディティ化し、付加価値はクラウドやサービスに移ってしまうという声もあったが、ソニーがお客様と最も身近に触れ合える接点はハードウェアであるという信念を貫き、その存在意義を信じてきた。お客様に限りなく近い『Last One Inch(ワンインチ)』の距離感で、感性に訴えかけられるのがソニーの強みであると考えている」。
昨年のIFAでも、平井氏はプレスカンファレンスで「ハードウェア(エレキ)にはまだたくさんの可能性が残されている」というメッセージを、力を込めて発信していた。今年のCESのカンファレンスでは「HDR」のイノベーションに関する紹介に時間を多く割いていたが、今回も平井氏が壇上で最も強く訴えたかったのは、コンシューマーエレクトロニクスの明るい未来への展望だったのではないだろうか。
平井氏は自身の思いをこう語っている。「コンシューマーエレクトロニクスのハードウェアで“感動”していただける余地が、まだそこかしこにあると信じてやまない。一例としてHDRのことを今回のプレゼンテーションでは述べさせてもらったが、ソニーはコンシューマー商品からプロ用機器までHDR体験を全方位に推進している。有機テレビと合わせて4K/HDRの迫力を相乗効果で高められるサウンドバーやAVアンプなどの商品群も充実させる。映像や音楽を家庭の中の様々な場所へと広げるための取り組みとしては『Life Space UX』シリーズに引き続き力を入れる。今回のCESで発表した製品が、ハードウェアの豊かな可能性を多くのコンシューマーに感じていただけるものになれば嬉しい」。
以下からは記者の質疑に対する平井氏の回答を、テーマや商品カテゴリーごとにピックアップしてご紹介しよう。
■ソニーが有機EL“BRAVIA”をつくった理由とは?
記者から最も多く質問が寄せられた商品はやはり「有機ELテレビ」だった。既存ブラビアシリーズのラインナップの中で、これをどのポジションに位置づけるのか、なぜこのタイミングで発表、商品化を決定したのかという問いに対して、平井氏は次のように答えている。
「有機ELと液晶、どちらが上下という位置づけではなく、“BRAVIAのラインナップが広がった”と捉えて欲しい。もちろん液晶はこれからも力を入れてやっていくし、有機ELに全部シフトするという考えはない。より幅広いオプションを提供するという考え方の中で“BRAVIA OLED”と銘打って今回のCESで発表した」。
「このタイミングで有機ELテレビを商品化した理由についてはいくつか要点がある。パネルは当社で製造したものではないが、どうせ有機ELをやるのであれば“ソニーらしい画質”を追求したいというこだわりがあった。昨年『X1 Extremeプロセッサー』が完成したことで、液晶だけでなく有機ELでも、私たちが追求したい画質をかたちにできると判断した。『ソニー=高画質』というブラビアを軸としたブランド戦略に対して恥じない有機ELテレビが創れるタイミングが、満を持してやってきたというわけだ。そのうえで先ほど申し上げたとおり、ブラビアの一つのバリエーションとして有機ELの映像を提案したいと考えている」。
有機ELテレビのビジネス的な規模についてはどのような認識だろうか。この件に関して、平井氏は「まだ語るには時期尚早」としながら、有機ELが大きなポーションを持つことはないだろうが、ビジネスとして利益を追求するのは当然と指摘。「だから、まずは有機ELの魅力を理解いただけるこだわり層のお客様にしっかりとリーチしていきたい」と指標を示した。
テレビ市場全体を俯瞰した上で、有機ELテレビの可能性をどう評価するかという問いについては「おそらく今後、複数のテレビメーカーから有機ELテレビが発売されるので、単純に“有機ELであること”だけをアピールポイントにはできなくなるだろう」と見解を述べた。その上で平井氏は「ソニーとしてどんな独自性を持たせたテレビなのか、画質やデザインも含めた勝負をしなければならない。A1Eはパネル全面がスピーカーになる“アコースティックサーフェス”など、ソニーらしい魅力を仕込んでいる。胸を張れる商品ができたと思っている」と語った。
会見の冒頭で平井氏は「ソニーのコンシューマーエレクトロニクスについては長らく苦戦が続く時期もあったが、ブラビア、αシリーズ、ウォークマン、PlayStationなどコンシューマー向けのイノベーティブかつ高品質を追求した“ソニーらしい製品”が収益改善の原動力になった」とソニーのエレキ復活を後押しした看板商品の飛躍をねぎらった。
「社長就任以来、コンシューマーエレクトロニクス領域が復活するためには“商品力の強化”と“差異化”のふたつが不可欠と唱え続けてきた。高度なネットワーク時代にはハードウェアがコモディティ化し、付加価値はクラウドやサービスに移ってしまうという声もあったが、ソニーがお客様と最も身近に触れ合える接点はハードウェアであるという信念を貫き、その存在意義を信じてきた。お客様に限りなく近い『Last One Inch(ワンインチ)』の距離感で、感性に訴えかけられるのがソニーの強みであると考えている」。
昨年のIFAでも、平井氏はプレスカンファレンスで「ハードウェア(エレキ)にはまだたくさんの可能性が残されている」というメッセージを、力を込めて発信していた。今年のCESのカンファレンスでは「HDR」のイノベーションに関する紹介に時間を多く割いていたが、今回も平井氏が壇上で最も強く訴えたかったのは、コンシューマーエレクトロニクスの明るい未来への展望だったのではないだろうか。
平井氏は自身の思いをこう語っている。「コンシューマーエレクトロニクスのハードウェアで“感動”していただける余地が、まだそこかしこにあると信じてやまない。一例としてHDRのことを今回のプレゼンテーションでは述べさせてもらったが、ソニーはコンシューマー商品からプロ用機器までHDR体験を全方位に推進している。有機テレビと合わせて4K/HDRの迫力を相乗効果で高められるサウンドバーやAVアンプなどの商品群も充実させる。映像や音楽を家庭の中の様々な場所へと広げるための取り組みとしては『Life Space UX』シリーズに引き続き力を入れる。今回のCESで発表した製品が、ハードウェアの豊かな可能性を多くのコンシューマーに感じていただけるものになれば嬉しい」。
以下からは記者の質疑に対する平井氏の回答を、テーマや商品カテゴリーごとにピックアップしてご紹介しよう。
■ソニーが有機EL“BRAVIA”をつくった理由とは?
記者から最も多く質問が寄せられた商品はやはり「有機ELテレビ」だった。既存ブラビアシリーズのラインナップの中で、これをどのポジションに位置づけるのか、なぜこのタイミングで発表、商品化を決定したのかという問いに対して、平井氏は次のように答えている。
「有機ELと液晶、どちらが上下という位置づけではなく、“BRAVIAのラインナップが広がった”と捉えて欲しい。もちろん液晶はこれからも力を入れてやっていくし、有機ELに全部シフトするという考えはない。より幅広いオプションを提供するという考え方の中で“BRAVIA OLED”と銘打って今回のCESで発表した」。
「このタイミングで有機ELテレビを商品化した理由についてはいくつか要点がある。パネルは当社で製造したものではないが、どうせ有機ELをやるのであれば“ソニーらしい画質”を追求したいというこだわりがあった。昨年『X1 Extremeプロセッサー』が完成したことで、液晶だけでなく有機ELでも、私たちが追求したい画質をかたちにできると判断した。『ソニー=高画質』というブラビアを軸としたブランド戦略に対して恥じない有機ELテレビが創れるタイミングが、満を持してやってきたというわけだ。そのうえで先ほど申し上げたとおり、ブラビアの一つのバリエーションとして有機ELの映像を提案したいと考えている」。
有機ELテレビのビジネス的な規模についてはどのような認識だろうか。この件に関して、平井氏は「まだ語るには時期尚早」としながら、有機ELが大きなポーションを持つことはないだろうが、ビジネスとして利益を追求するのは当然と指摘。「だから、まずは有機ELの魅力を理解いただけるこだわり層のお客様にしっかりとリーチしていきたい」と指標を示した。
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