公開日 2020/07/10 12:00
澤野弘之が音質監修、Just earコラボイヤホンの魅力を本人に聞いた
カスタムIEM「XJE-MH/nZK」
ドラマや映画、アニメまで数多くの作品で劇伴を手がけてきた人気作家・澤野弘之さん。そんな澤野さんとカスタムIEMブランド「Just ear」がコラボし、オリジナルモデルを発売! 澤野さんがイメージする音のツボを押さえたカスタムIEMで、澤野さんの音楽世界を追体験しよう。
■低域成分を少し抑えて広がりある中高域に
――澤野さんは2017年末にもJust earのカスタムIEMをつくられましたが、その際はどんな音にしてほしいとエンジニアの松尾さんにオーダーしたのですか?
澤野弘之さん(以下、澤野) ステージで使うことを前提にしていたので、演奏時のテンションを上げられればと思い、バスドラムのキックやベースなどの低域が感じられるようにチューニングしてもらいました。
――今回、約2年ぶりにカスタムIEMをつくるにあたり、どのような部分をブラッシュアップさせましたか?
澤野 前回はライブ用につくったため、ベースなどの低域の成分が多くなっていたので、低域の成分を少し落としてもらいました。低域がドスドス来る感じは低域を感じられてよいのですが、中高域がこじんまりと聴こえるところがあると思うんですよ。だから、低域を抑えることによって、ボーカルやオーケストラなどの中高域をよりクリアに聴こえるようにしてもらったのが、今回のポイントです。
――松尾さんと音決めの際、どんなやり取りをしましたか?
澤野 2年前につくったカスタムIEMを聴きながら、その中高域を派手に、抜けをよくしたかったので、まず低域の成分を少し落としてもらいました。それだけでも十分だったんですが、カラッと明るく広がる感じを出したかったので、次に高域を調整してもらいました。最終的には、中高域を上げた分、低域を少し足してもらい、チューニングしていただきました。
――どんな曲を聴きながらカウンセリングしましたか?
澤野 最近の自分の楽曲だと、昨年公開の映画『プロメア』のメインテーマ曲『Inferno』や、SawanoHiroyuki[nZk]名義で出した近年のシングル曲が、どんな風に聴こえるのか確認しましたね。あと、『進撃の巨人』などのオーケストラの楽曲ですね。オーケストラの聴こえ方の確認では、ハンス・ジマーがサントラ・スコアを手がけた『バットマン』シリーズの曲、たとえば重低音がリズミカルに刻まれる楽曲なども聴きました。僕はもともと洋楽が好きなので、イマジン・ドラゴンズやフォール・アウト・ボーイ、ニッケルバックなどのロックバンドの楽曲がどういう風に聴こえてくるのかも確認しました。
■左右上下方向に広がる中高域の立体感に注目
――今回、澤野さんが音質の監修をしたモデルが「XJE-MH/nZk」として発売されることになりましたが、発売が決まった時はどんな気持ちでしたか?
澤野 自分がつくった楽曲も、イヤホンによっては音の聴こえ方が変わると思うんですよ。自分で「これがいい音だ」とイメージする音に近い音を、「XJE-MH/nZk」によって、リスナーの皆さんに届けられたらいいなと思いました。
――リスナーの皆さんには、「XJE-MH/nZk」で澤野さんの楽曲のどんな部分に注意して聴いてほしいですか?
澤野 僕自身の楽曲でいえば、オーケストラやロック、エレクトロニカなどさまざまなものをつくっているのですが、重要視しているのは低域の部分なんです。でも最近は、ハイレゾ音源などで聴いていただく場合も考慮して、中高域の成分にも重きを置いています。サウンドの派手さや明るさ、ステレオではあるけれども左右や上下方向への広がり、立体感を追求するようになりました。
「XJE-MH/nZk」では、オーケストラやパーカッションなどのベースの低域の聴こえやすさや、中高域の立体感や広がりを意識してチューニングしたので、「XJE-MH/nZk」で聴いていただけるのであれば、自分が皆さんに聴いてもらいたい部分、たとえば音の広がりやグルーヴ感などが伝わるのではないかと思っています。
――2019年秋にJust earでは、購入後もユーザーの要望に応じて再び音質をカスタマイズできる「音質更新サービス」を発表し、7月末よりサービスを開始します。「XJE-MH/nZk」も「音質更新サービス」に対応していますが、このサービスについてどんな印象をお持ちですか?
澤野 昔は低域が出ている方が気持ちよく聴こえていたと思っていても、数年経つと高域の方が聴きたいなと、聴いている音楽ジャンルや気分によって好みが変わると思うんですよね。カスタムIEMをつくった後からでも、音質を調整し直せるというのは、そういう意味でもありがたいサービスだなと思いますね。
――最後に、「XJE-MH/nZk」でできる音楽体験を一言で表すなら?
澤野 僕が普段スタジオでつくっている曲を、こういう風に聴いてもらったらいいなという部分をチューニングしてつくっていただけたので、そのあたりを「XJE-MH/nZk」でダイレクトに楽しんでほしいですね。
――発売がとても楽しみです。本日はありがとうございました。
<Infomation>
●Sony Just ear「XJE-MH/nZK」
¥250,000(税抜)*別途¥9,000(税抜)耳型採取費が必要/受注期間:7月1日 - 10月31日
澤野弘之さんが音質調整を行なったカスタムIEMを「XJE-MH/nZk」として発売。イヤホンのプレート部分には、作家活動15周年を記念して、“SH-15th-AVS”と刻印。さらに、ポストカードが付属する。バスドラムのキックやベースなどの低域がズシンとくる響きを重視しつつ、ボーカルやオーケストラなどの中高域がクリアで抜けのよいサウンドになるようにチューニング。オーケストラ編成やボーカル楽曲の多い澤野さんの音楽世界を堪能するのにうってつけだ。
【NEW RELEASE】
澤野弘之『BEST OF VOCAL WORKS [nZk] 2』
¥6,000(税抜)初回生産限定盤(3CD+Blu-ray) VVCL 1640-3
¥4,000(税抜)通常盤(2CD)VVCL 1644-5
澤野弘之の作家活動15周年を記念して、キャリア2枚目となるボーカル・ベストアルバム。DISC1に劇伴作家・澤野弘之名義で手がけた劇伴楽曲やアーティストへのプロデュース・提供曲、DISC2にアーティスト名義のプロジェクト・SawanoHiroyuki[nZk](サワノヒロユキヌジーク)の楽曲を収録。また、初回生産限定盤にはCD初収録の楽曲やBillboard Live Tokyoでのライブ映像を収めたブルーレイが同梱される。
| 澤野弘之 〜Profile〜 1980年生まれ / 東京都出身。ドラマ・アニメ・映画など映像の音楽活動を中心とし、その他にもアーティストへの楽曲提供・編曲など精力的に活動している。ボーカル楽曲に重点を置いたプロジェクト、SawanoHiroyuki[nZk](サワノヒロユキヌジーク)が2014年春より始動。 |
■低域成分を少し抑えて広がりある中高域に
――澤野さんは2017年末にもJust earのカスタムIEMをつくられましたが、その際はどんな音にしてほしいとエンジニアの松尾さんにオーダーしたのですか?
澤野弘之さん(以下、澤野) ステージで使うことを前提にしていたので、演奏時のテンションを上げられればと思い、バスドラムのキックやベースなどの低域が感じられるようにチューニングしてもらいました。
――今回、約2年ぶりにカスタムIEMをつくるにあたり、どのような部分をブラッシュアップさせましたか?
澤野 前回はライブ用につくったため、ベースなどの低域の成分が多くなっていたので、低域の成分を少し落としてもらいました。低域がドスドス来る感じは低域を感じられてよいのですが、中高域がこじんまりと聴こえるところがあると思うんですよ。だから、低域を抑えることによって、ボーカルやオーケストラなどの中高域をよりクリアに聴こえるようにしてもらったのが、今回のポイントです。
――松尾さんと音決めの際、どんなやり取りをしましたか?
澤野 2年前につくったカスタムIEMを聴きながら、その中高域を派手に、抜けをよくしたかったので、まず低域の成分を少し落としてもらいました。それだけでも十分だったんですが、カラッと明るく広がる感じを出したかったので、次に高域を調整してもらいました。最終的には、中高域を上げた分、低域を少し足してもらい、チューニングしていただきました。
――どんな曲を聴きながらカウンセリングしましたか?
澤野 最近の自分の楽曲だと、昨年公開の映画『プロメア』のメインテーマ曲『Inferno』や、SawanoHiroyuki[nZk]名義で出した近年のシングル曲が、どんな風に聴こえるのか確認しましたね。あと、『進撃の巨人』などのオーケストラの楽曲ですね。オーケストラの聴こえ方の確認では、ハンス・ジマーがサントラ・スコアを手がけた『バットマン』シリーズの曲、たとえば重低音がリズミカルに刻まれる楽曲なども聴きました。僕はもともと洋楽が好きなので、イマジン・ドラゴンズやフォール・アウト・ボーイ、ニッケルバックなどのロックバンドの楽曲がどういう風に聴こえてくるのかも確認しました。
■左右上下方向に広がる中高域の立体感に注目
――今回、澤野さんが音質の監修をしたモデルが「XJE-MH/nZk」として発売されることになりましたが、発売が決まった時はどんな気持ちでしたか?
澤野 自分がつくった楽曲も、イヤホンによっては音の聴こえ方が変わると思うんですよ。自分で「これがいい音だ」とイメージする音に近い音を、「XJE-MH/nZk」によって、リスナーの皆さんに届けられたらいいなと思いました。
――リスナーの皆さんには、「XJE-MH/nZk」で澤野さんの楽曲のどんな部分に注意して聴いてほしいですか?
澤野 僕自身の楽曲でいえば、オーケストラやロック、エレクトロニカなどさまざまなものをつくっているのですが、重要視しているのは低域の部分なんです。でも最近は、ハイレゾ音源などで聴いていただく場合も考慮して、中高域の成分にも重きを置いています。サウンドの派手さや明るさ、ステレオではあるけれども左右や上下方向への広がり、立体感を追求するようになりました。
「XJE-MH/nZk」では、オーケストラやパーカッションなどのベースの低域の聴こえやすさや、中高域の立体感や広がりを意識してチューニングしたので、「XJE-MH/nZk」で聴いていただけるのであれば、自分が皆さんに聴いてもらいたい部分、たとえば音の広がりやグルーヴ感などが伝わるのではないかと思っています。
――2019年秋にJust earでは、購入後もユーザーの要望に応じて再び音質をカスタマイズできる「音質更新サービス」を発表し、7月末よりサービスを開始します。「XJE-MH/nZk」も「音質更新サービス」に対応していますが、このサービスについてどんな印象をお持ちですか?
澤野 昔は低域が出ている方が気持ちよく聴こえていたと思っていても、数年経つと高域の方が聴きたいなと、聴いている音楽ジャンルや気分によって好みが変わると思うんですよね。カスタムIEMをつくった後からでも、音質を調整し直せるというのは、そういう意味でもありがたいサービスだなと思いますね。
――最後に、「XJE-MH/nZk」でできる音楽体験を一言で表すなら?
澤野 僕が普段スタジオでつくっている曲を、こういう風に聴いてもらったらいいなという部分をチューニングしてつくっていただけたので、そのあたりを「XJE-MH/nZk」でダイレクトに楽しんでほしいですね。
――発売がとても楽しみです。本日はありがとうございました。
<Infomation>
●Sony Just ear「XJE-MH/nZK」
¥250,000(税抜)*別途¥9,000(税抜)耳型採取費が必要/受注期間:7月1日 - 10月31日
澤野弘之さんが音質調整を行なったカスタムIEMを「XJE-MH/nZk」として発売。イヤホンのプレート部分には、作家活動15周年を記念して、“SH-15th-AVS”と刻印。さらに、ポストカードが付属する。バスドラムのキックやベースなどの低域がズシンとくる響きを重視しつつ、ボーカルやオーケストラなどの中高域がクリアで抜けのよいサウンドになるようにチューニング。オーケストラ編成やボーカル楽曲の多い澤野さんの音楽世界を堪能するのにうってつけだ。
【NEW RELEASE】
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¥6,000(税抜)初回生産限定盤(3CD+Blu-ray) VVCL 1640-3
¥4,000(税抜)通常盤(2CD)VVCL 1644-5
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