公開日 2023/12/05 06:40
【インタビュー】LUMIX「S5M2」シリーズ購入者は半数が20・30代。高まるミラーレスカメラ購入意欲に訴える
DGPイメージングアワード2023 受賞インタビュー:パナソニック 津村敏行氏
DGPイメージングアワード2023
受賞インタビュー:パナソニック
定評を得る動画撮影に加え、撮って出しの色や話題を集める「リアルタイムLUT」など、静止画においても着実に高い評価を得るLUMIX。「DGPイメージングアワード2023」では「DC-S5M2X」が見事に総合金賞の栄誉に輝いた。カメラ市場が急速に勢いを取り戻すなか、さらなる飛躍や新規若年層の獲得へ向けた意気込みを、イメージングビジネスユニット長・津村敏行氏に聞く。
パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社
副社長執行役員
イメージングビジネスユニット長
津村敏行氏
プロフィール/つむらとしゆき 1968年生まれ、神奈川県出身。1991年4月 松下電器産業(株)入社。ポケットベル、携帯電話、スマートフォンなどの通信機器の設計開発・商品企画に携わり、2014年発売の「LUMIX CM1」の開発を機にイメージング事業に深く関わり現在に至る。好きな言葉は「日に新た」。趣味は写真/動画撮影、映画鑑賞、ランニングなど。
―― 「DGPイメージングアワード2023」の総合金賞をミラーレス一眼カメラLUMIX「DC-S5M2X」が受賞されました。おめでとうございます。
津村 ありがとうございます。「DC-S5M2X」は「DC-S5M2」とともに、「S5M2シリーズ」として2機種同時に企画を進め、共通となる基本性能を高めるためにキーデバイスはすべて新規に開発を行っています。イメージセンサー、エンジン、手ブレ補正の性能、アクティブ I.S.、さらにお客様から待望されていた像面位相差AFを搭載しました。
LUMIXは写真も動画も映像も思いのままに表現の自由を提供していくことを目指していますが、「DC-S5M2」はハイブリッド・スタンダードの中心に位置するモデルとして、そして、「DC-S5M2X」はクリエイターの高度な要求に応えることができる、さらに高い動画性能を極めた究極のハイブリッドモデルとなります。ライブストリーミングで自分自身をアピールするような使い方がどんどん増えていくなかで、最大5.9Kの解像度、12bitの動画RAWデータを対応した外部レコーダーにHDMI出力できる動画RAWデータ出力をはじめとする機能を、DC-S5M2と同じフォルムの中に積み込んでいます。
作品作りに没頭できる「無心」をコンセプトにしたブラックデザインも特長のひとつです。ノイズをすべて消し込んで“無心”で撮ることができる様々なデザイン面でのディテールにこだわりました。動画を中心に発想されたものですが、マクロで寄ったときにブラックマスクだとロゴが写り込まないといったスチル撮影でのメリットも想定していたところ、スチルを中心に撮影されるお客様からもブラックデザインに対して想像を上回る共感と高い評価をいただいています。
販売比率では価格の高い「DC-S5M2X」が「DC-S5M2」を上回ることも珍しくないほど強い引きがあります。
―― 10月27日には金賞を受賞されたミラーレス一眼カメラLUMIX「DC-G9M2」も発売され、こちらも鋭い立ち上がりを見せています。
津村 マイクロフォーサーズのユーザーに初めて「像面位相差AF」や「リアルタイムLUT」を提供するモデルとなります。マイクロフォーサーズファンの方もまだまだ多く、「リアルタイムLUTを待っていました」という声もたくさんいただきました。
「LEICAモノクローム」に対する反響も大きいですね。2022年5月のLEICA社との包括協業後、すぐにプロジェクトを立ち上げ、幾度もコミュニケーションを重ねてようやく実現に至りました。“締まっていながらも階調が出る”のが特長で、実際にタッチ&トライで試された方からは「何を撮ってもアーティスティックになる。自分がうまくなったみたいだ」と感想をいただいています。
―― デジタルカメラ市場が急速に勢いを取り戻すなか、店頭にも若い人の姿が増えてきているという声を聞きます。
津村 「DC-S5M2」「DC-S5M2X」でも、購入者のほぼ半数を20代・30代が占めており、想定していたよりもかなり若くなっています。ダブルレンズキットが一時品薄になるくらいに圧倒的な構成比を占めていることからも、若い方を中心に新規のお客様が入ってきていることを強く感じています。
今後、Z世代が購買層の中心になることを想定し、ニーズの拡がり方について分析を進めています。すでに、スマホで撮影し、編集・加工してVlogなどで自己表現を楽しむことはごく当たり前に行われており、「ミラーレスカメラが欲しい」という声を数多く聞きます。ミラーレスカメラで撮影しSNSに投稿した友達の写真や動画には「いいね」がすごく多いとか、クオリティがいいものほど反応がいいという意見が多いです。
「DC-G9M2」では発売前に東名阪でタッチ&トライのイベントを開催しましたが、そこにも若い人に大勢来ていただきました。大阪会場では、中学生が「DC-S5M2」を持参していてびっくりしました。さらに「DC-G9M2」をサブ機として検討しているとのことで、友達と一緒に参加してくれました。
東京会場では、カメラが趣味で知り合ったという高校生2人組が来場。1人は「DC-S5」を持参しており、「色がいいからLUMIXを選んだ」と話してくれました。うれしかったですね。
―― 自己表現の手段として、カメラがさらに拡がっていきそうですね。
津村 今、注目している機能が「リアルタイムLUT」です。使ってみると本当にとても楽しい機能です。オリジナルの色をつくって個性的な表現を出すことを、若い世代では普通に楽しんでいます。敢えてフィルムカメラや画質の粗いコンデジで撮ってレトロな表現を楽しむことも流行っているようです。自分の求める表現を得るために、カメラアプリでも大量のフィルターを駆使しています。
「リアルタイムLUT」は、元々は動画撮影後にプロが使っていた機能を、写真も映像も思いのままにというコンセプトの下、スチルであっても楽しいのではないかと、技術者がディスカッションを重ねて生み出した機能です。無限大の色を楽しめ、「この色だよ!」と発見する楽しみもあります。
エントリー層の若い世代のユーザーにとっては、コミュニケーションの手段として大きく広がっていく可能性もあります。カメラの文化やマーケットの発展にもつながるものと考えています。
―― 御社では「LUMIX BASE TOKYO」や「LUMIX Color Lab」など貴重な活動の場の提供にも注力されています。
津村 メーカーとして新しい技術を提供していくことはもちろんですが、やはり皆さんが求めているのは自分のコンテンツですから、それを楽しむための場を提供し続けることも重要な役割であると認識しています。
「LUMIX Color Lab」では、クリエイターが作ったオリジナルの絵作りを「こんな風に撮ったら楽しいですよ」とリコメンドしてあげたり、オリジナルのLUTをクリエイターや写真を楽しむユーザー同士で交換したり、イベントや好評をいただいているセミナー、写真・動画の撮影体験も開催しています。機能の提供にとどまらず、クリエイターと一緒に作品づくりを最後まで楽しんでいただく場であり、認知が着実に拡がってきました。
一方、2020年5月に立ち上げた「LUMIX BASE TOKYO」では、新型ウイルスの感染拡大のタイミングと重なり、集客に苦労した時期もありましたが、最近では大変多くの方に訪問いただけるようになりました。自分が想い描いていた写真や動画を手にすることができるコミュニティ、クリエイター同士の輪を広げる貴重な場となっています。
これからは、カメラを買ってみたい、使って見たいという方にももっとお越しいただきたい。本気になってカメラを手に入れようとするときに、タッチ&トライの場はとても大事になります。初めてという方が一度もカメラに触れることなく購入されることはまずないですからね。
―― こうしたサービスが拡大していくとうれしいですね。
津村 このほどオンラインによるコンシェルジュサービスも始めました。予約制で1枠30分です。トライアルで受け付けたところ、早い段階ですべての枠が埋まってしまい、北は北海道から南は九州まで、遠隔地の方からのニーズの高さを再認識しました。ここはしっかり大切にして、リアルの場を活性化するだけではなく、同時にオンラインも掛け合わせながら発展させていきます。
各地のルミックスファンをつなげてあげることも、メーカーの大きな役割のひとつであると認識しています。撮って楽しんでいただくことが本質。そのための様々なプロモーションを、工夫を凝らして提供していきます。
―― 市場展望についてお聞かせください。
津村 外出需要やイベント需要が復活して、カメラ需要もすっかり回復してきました。コロナ禍で生まれたライブ配信などの需要も落ち込むことなく健在で、新しい使い方が広がっています。ミラーレスカメラへのシフトが進んでいく過程では、ハイアマの人ばかりになり、高価なフルサイズを中心にした市場になってしまうのではないかとの危惧もありましたが、普及価格帯の需要も想定より増えてきて、不安も一掃されました。
年末・年始にかけては、カメラに関心を持ちながら購入を迷われている方にも活用いただけるようなキャンペーンも実施しています。また、年明け2月には「CP+ 2024」が開催されるなど、大きな波が何度もやって来ますので、そのタイミングに「カメラを買うなら今じゃないか」と一歩踏み出していただけるように、セミナーやイベントもさらに充実して参ります。
―― 交換レンズも大変好調ですね。
津村 「DC-S5M2」「DC-S5M2X」でも、ダブルキット購入後から短期間のうちに「LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.」などを買い増しされるケースが多く、交換レンズの旺盛な需要が確認できます。「DC-G9M2」の購入に合わせて、「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」を想定以上の注文もいただいております。自分が撮りたい作品のために、ボディにとどまらずレンズを購入するところまで一連で動いているのが特徴です。ぜひレンズを替える楽しさを知っていただきたいです。
「LUMIX BASE TOKYO」でも、すべてのレンズが試せるような態勢を整える一方、遠隔地のLUMIX BASE TOKYOの会員に対してオンラインでレンタルができる仕組みをご提供しています。オンラインでの施策については、クリーニング等のサービスも全国各地から郵送でできるようになりました。
―― 2024年2月に開催される「CP+ 2024」への期待も高まりますね。
津村 リアル回帰がさらに進んでおり、相当盛り上がるのではないでしょうか。前回も様々な新製品を取り揃えて、フルサイズとマイクロフォーサーズのそれぞれの楽しさを知っていただくだけでなく、会場内・会場外で様々なシチュエーションを準備し、撮影したデータはご自身の作品として持ち帰っていただけるようにしたところ、大変好評でした。
次回もさらにパワーアップした体験型のコーナーはじめ、お楽しみいただける企画を進めていますので、ぜひLIMIXブースにご来場いただきたいと思います。ご期待ください。
受賞インタビュー:パナソニック
定評を得る動画撮影に加え、撮って出しの色や話題を集める「リアルタイムLUT」など、静止画においても着実に高い評価を得るLUMIX。「DGPイメージングアワード2023」では「DC-S5M2X」が見事に総合金賞の栄誉に輝いた。カメラ市場が急速に勢いを取り戻すなか、さらなる飛躍や新規若年層の獲得へ向けた意気込みを、イメージングビジネスユニット長・津村敏行氏に聞く。
パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社
副社長執行役員
イメージングビジネスユニット長
津村敏行氏
プロフィール/つむらとしゆき 1968年生まれ、神奈川県出身。1991年4月 松下電器産業(株)入社。ポケットベル、携帯電話、スマートフォンなどの通信機器の設計開発・商品企画に携わり、2014年発売の「LUMIX CM1」の開発を機にイメージング事業に深く関わり現在に至る。好きな言葉は「日に新た」。趣味は写真/動画撮影、映画鑑賞、ランニングなど。
■静止画・動画性能を追求した究極のフルサイズミラーレス一眼「DC-S5M2X」
―― 「DGPイメージングアワード2023」の総合金賞をミラーレス一眼カメラLUMIX「DC-S5M2X」が受賞されました。おめでとうございます。
津村 ありがとうございます。「DC-S5M2X」は「DC-S5M2」とともに、「S5M2シリーズ」として2機種同時に企画を進め、共通となる基本性能を高めるためにキーデバイスはすべて新規に開発を行っています。イメージセンサー、エンジン、手ブレ補正の性能、アクティブ I.S.、さらにお客様から待望されていた像面位相差AFを搭載しました。
LUMIXは写真も動画も映像も思いのままに表現の自由を提供していくことを目指していますが、「DC-S5M2」はハイブリッド・スタンダードの中心に位置するモデルとして、そして、「DC-S5M2X」はクリエイターの高度な要求に応えることができる、さらに高い動画性能を極めた究極のハイブリッドモデルとなります。ライブストリーミングで自分自身をアピールするような使い方がどんどん増えていくなかで、最大5.9Kの解像度、12bitの動画RAWデータを対応した外部レコーダーにHDMI出力できる動画RAWデータ出力をはじめとする機能を、DC-S5M2と同じフォルムの中に積み込んでいます。
作品作りに没頭できる「無心」をコンセプトにしたブラックデザインも特長のひとつです。ノイズをすべて消し込んで“無心”で撮ることができる様々なデザイン面でのディテールにこだわりました。動画を中心に発想されたものですが、マクロで寄ったときにブラックマスクだとロゴが写り込まないといったスチル撮影でのメリットも想定していたところ、スチルを中心に撮影されるお客様からもブラックデザインに対して想像を上回る共感と高い評価をいただいています。
販売比率では価格の高い「DC-S5M2X」が「DC-S5M2」を上回ることも珍しくないほど強い引きがあります。
―― 10月27日には金賞を受賞されたミラーレス一眼カメラLUMIX「DC-G9M2」も発売され、こちらも鋭い立ち上がりを見せています。
津村 マイクロフォーサーズのユーザーに初めて「像面位相差AF」や「リアルタイムLUT」を提供するモデルとなります。マイクロフォーサーズファンの方もまだまだ多く、「リアルタイムLUTを待っていました」という声もたくさんいただきました。
「LEICAモノクローム」に対する反響も大きいですね。2022年5月のLEICA社との包括協業後、すぐにプロジェクトを立ち上げ、幾度もコミュニケーションを重ねてようやく実現に至りました。“締まっていながらも階調が出る”のが特長で、実際にタッチ&トライで試された方からは「何を撮ってもアーティスティックになる。自分がうまくなったみたいだ」と感想をいただいています。
■「S5M2シリーズ」購入者の半数が20代・30代
―― デジタルカメラ市場が急速に勢いを取り戻すなか、店頭にも若い人の姿が増えてきているという声を聞きます。
津村 「DC-S5M2」「DC-S5M2X」でも、購入者のほぼ半数を20代・30代が占めており、想定していたよりもかなり若くなっています。ダブルレンズキットが一時品薄になるくらいに圧倒的な構成比を占めていることからも、若い方を中心に新規のお客様が入ってきていることを強く感じています。
今後、Z世代が購買層の中心になることを想定し、ニーズの拡がり方について分析を進めています。すでに、スマホで撮影し、編集・加工してVlogなどで自己表現を楽しむことはごく当たり前に行われており、「ミラーレスカメラが欲しい」という声を数多く聞きます。ミラーレスカメラで撮影しSNSに投稿した友達の写真や動画には「いいね」がすごく多いとか、クオリティがいいものほど反応がいいという意見が多いです。
「DC-G9M2」では発売前に東名阪でタッチ&トライのイベントを開催しましたが、そこにも若い人に大勢来ていただきました。大阪会場では、中学生が「DC-S5M2」を持参していてびっくりしました。さらに「DC-G9M2」をサブ機として検討しているとのことで、友達と一緒に参加してくれました。
東京会場では、カメラが趣味で知り合ったという高校生2人組が来場。1人は「DC-S5」を持参しており、「色がいいからLUMIXを選んだ」と話してくれました。うれしかったですね。
―― 自己表現の手段として、カメラがさらに拡がっていきそうですね。
津村 今、注目している機能が「リアルタイムLUT」です。使ってみると本当にとても楽しい機能です。オリジナルの色をつくって個性的な表現を出すことを、若い世代では普通に楽しんでいます。敢えてフィルムカメラや画質の粗いコンデジで撮ってレトロな表現を楽しむことも流行っているようです。自分の求める表現を得るために、カメラアプリでも大量のフィルターを駆使しています。
「リアルタイムLUT」は、元々は動画撮影後にプロが使っていた機能を、写真も映像も思いのままにというコンセプトの下、スチルであっても楽しいのではないかと、技術者がディスカッションを重ねて生み出した機能です。無限大の色を楽しめ、「この色だよ!」と発見する楽しみもあります。
エントリー層の若い世代のユーザーにとっては、コミュニケーションの手段として大きく広がっていく可能性もあります。カメラの文化やマーケットの発展にもつながるものと考えています。
■注目高まる「LUMIX BASE TOKYO」「LUMIX Color Lab」
―― 御社では「LUMIX BASE TOKYO」や「LUMIX Color Lab」など貴重な活動の場の提供にも注力されています。
津村 メーカーとして新しい技術を提供していくことはもちろんですが、やはり皆さんが求めているのは自分のコンテンツですから、それを楽しむための場を提供し続けることも重要な役割であると認識しています。
「LUMIX Color Lab」では、クリエイターが作ったオリジナルの絵作りを「こんな風に撮ったら楽しいですよ」とリコメンドしてあげたり、オリジナルのLUTをクリエイターや写真を楽しむユーザー同士で交換したり、イベントや好評をいただいているセミナー、写真・動画の撮影体験も開催しています。機能の提供にとどまらず、クリエイターと一緒に作品づくりを最後まで楽しんでいただく場であり、認知が着実に拡がってきました。
一方、2020年5月に立ち上げた「LUMIX BASE TOKYO」では、新型ウイルスの感染拡大のタイミングと重なり、集客に苦労した時期もありましたが、最近では大変多くの方に訪問いただけるようになりました。自分が想い描いていた写真や動画を手にすることができるコミュニティ、クリエイター同士の輪を広げる貴重な場となっています。
これからは、カメラを買ってみたい、使って見たいという方にももっとお越しいただきたい。本気になってカメラを手に入れようとするときに、タッチ&トライの場はとても大事になります。初めてという方が一度もカメラに触れることなく購入されることはまずないですからね。
―― こうしたサービスが拡大していくとうれしいですね。
津村 このほどオンラインによるコンシェルジュサービスも始めました。予約制で1枠30分です。トライアルで受け付けたところ、早い段階ですべての枠が埋まってしまい、北は北海道から南は九州まで、遠隔地の方からのニーズの高さを再認識しました。ここはしっかり大切にして、リアルの場を活性化するだけではなく、同時にオンラインも掛け合わせながら発展させていきます。
各地のルミックスファンをつなげてあげることも、メーカーの大きな役割のひとつであると認識しています。撮って楽しんでいただくことが本質。そのための様々なプロモーションを、工夫を凝らして提供していきます。
■自分が撮りたい作品のために欠かせない旺盛なレンズ需要
―― 市場展望についてお聞かせください。
津村 外出需要やイベント需要が復活して、カメラ需要もすっかり回復してきました。コロナ禍で生まれたライブ配信などの需要も落ち込むことなく健在で、新しい使い方が広がっています。ミラーレスカメラへのシフトが進んでいく過程では、ハイアマの人ばかりになり、高価なフルサイズを中心にした市場になってしまうのではないかとの危惧もありましたが、普及価格帯の需要も想定より増えてきて、不安も一掃されました。
年末・年始にかけては、カメラに関心を持ちながら購入を迷われている方にも活用いただけるようなキャンペーンも実施しています。また、年明け2月には「CP+ 2024」が開催されるなど、大きな波が何度もやって来ますので、そのタイミングに「カメラを買うなら今じゃないか」と一歩踏み出していただけるように、セミナーやイベントもさらに充実して参ります。
―― 交換レンズも大変好調ですね。
津村 「DC-S5M2」「DC-S5M2X」でも、ダブルキット購入後から短期間のうちに「LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.」などを買い増しされるケースが多く、交換レンズの旺盛な需要が確認できます。「DC-G9M2」の購入に合わせて、「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」を想定以上の注文もいただいております。自分が撮りたい作品のために、ボディにとどまらずレンズを購入するところまで一連で動いているのが特徴です。ぜひレンズを替える楽しさを知っていただきたいです。
「LUMIX BASE TOKYO」でも、すべてのレンズが試せるような態勢を整える一方、遠隔地のLUMIX BASE TOKYOの会員に対してオンラインでレンタルができる仕組みをご提供しています。オンラインでの施策については、クリーニング等のサービスも全国各地から郵送でできるようになりました。
―― 2024年2月に開催される「CP+ 2024」への期待も高まりますね。
津村 リアル回帰がさらに進んでおり、相当盛り上がるのではないでしょうか。前回も様々な新製品を取り揃えて、フルサイズとマイクロフォーサーズのそれぞれの楽しさを知っていただくだけでなく、会場内・会場外で様々なシチュエーションを準備し、撮影したデータはご自身の作品として持ち帰っていただけるようにしたところ、大変好評でした。
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