公開日 2017/09/30 09:00

<TIAS>オルトフォン、世界250個限定カートリッジ「SPU Wood A」/Estelonのスピーカー「YB」に注目

Sonus faberの聴き比べ試聴など
編集部:押野 由宇
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9月29日から10月1日の3日間にわたり開催されている「2017 東京インターナショナルオーディオショウ」。本稿では、オルトフォン、ノア、アーク・ジョイアのブースをレポートする。

オルトフォンの試聴ブース

オルトフォンのブースでは、同社が展開するアナログ・オーディオ関連機器を多数展示。注目を集めたのはHIGH END 2017で発表された、世界250個限定販売の「SPU Wood A」、SLM(セレクティブ・レーザー・メルティング)方式を用いた「MC Windfeld Ti」の2つのカートリッジだ(関連ニュース)。

「SPU Wood A」

SPU Wood Aは、「SPU 85 Anniversary」と同様のAタイプシェルを採用したカートリッジ。以前は樹脂製だったハウジングを天然ブナ無垢材削り出し・漆塗り加工としており、その生産は日本の匠がひとつひとつ仕上げているという。天然無垢材のため同じ木目、色目がない一点もので、漆塗り材が独特の豊かな響きをもたらすとしている。

内蔵ユニットはアルミカンチレバーに丸針を採用。出力電圧は0.18mV、チャンネルバランスは1.5dB。コイル線材にはOFCを使用する。10月中の発売を予定しており、価格は200,000円(税抜)。

MC Windfeld Tiは、金属などの粉末をレーザーで焼結、積層させて立体的にパーツを造形するSLM方式を用いて、センター部分のメインフレームをチタン粉末の立体成型としている。このメインフレームは軽量ながら剛性に優れ、高いダンピング性能により不要共振を排除。

さらに精密な立体成型を可能とするSLMは、ヘッドシェル接地点をフレームと一体構造とし、分割による鳴きやハウジング素材の違いによる音色差などを排除できるなど、カートリッジにとって理想的な共振ゼロのモノコックフレームを実現できるとする。価格は500,000円(税抜)。

また本日9月29日発売の新製品として、カートリッジの特性を確認するためのチェック用レコード「TEST RECORD」が展示された。価格は9,000円(税抜)で、日本ではまず30枚程度の数量を用意しているという。

カートリッジケース「SCK-2」も参考出品。2本用で価格は10,000円(税抜)を予定

オルトフォンが最終段階のテストで使用しているものと同一の「TEST RECORD」

試聴システムには同社が取り扱うAcoustic Solidのアナログプレーヤーを使用。日本での発売もまだ未定という「Solid Vintage」が参考展示された。同モデルはAcoustic Solidがラインナップする「アルミニウムライン」とも「クラシックライン」とも異なる、両タイプの良いところを受け継いだモデルだという。

日本での扱いは未定の「Solid Vintage」

Acoustic Solidのプレーヤーで再生

ノアのブースでは、Sonus faberのスピーカーを、audio researchやBurmester、Wadiaのプレーヤー/アンプで再生するシステムで試聴が行われていた。

ノアの試聴ブース

Sonus faberから今春発売された「HOMAGE Tradition(オマージュ・トラディション)」などを入れ替えて音出しするスタイルで、シリーズやモデルによる聴き比べが楽しめるようになっており、来場者はハイエンド・オーディオのサウンドにじっくりと耳を傾けていた。

「Guarneri Tradition」などシリーズが勢揃いした

audio researchのアンプ「VT80」などが組み合わせられた

また、サイドパネルを張り替えることができる「Chameleon」の“漆サイドパネル”モデルや、サテライトスピーカー搭載のワイヤレススピーカー「SF16」なども展示された。

サテライトスピーカーが特徴的な「SF16」

“漆サイドパネル”の特別仕様「Chameleon」

ほか、KLAUDiOのピボット式リニアトラッキング・トーンアーム「ARM-MP12」の実際にスムーズに稼働する様子がデモされていたり、ENIGMAcousticsの「Dharma D1000」と「Athena A1」の組み合わせでのヘッドホン試聴なども用意されている。

KLAUDiO「ARM-MP12」は実際に動く様子をデモ

ENIGMAcousticsのヘッドホンも試聴可能

アーク・ジョイアのブースでは、先日取り扱いが開始されたばかりのスピーカーブランド、Estelon(エステロン)のフロア型スピーカーシステム「YB」を出展。同社が取り扱うVOXATIVやFRANCO SERBLINなどのスピーカーも試聴できた。

アーク・ジョイアの試聴ブース

エステロンは、旧ソ連下から30年にわたってスピーカーの開発を続けてきたというAlfred Vassilikov氏が2010年に設立したスピーカーブランド。その導入第一弾製品となるYBは、3ウェイ・3スピーカー構成の密閉型/フロアスタンディング・スピーカー。

Estelon「YB」

エンクロージャーは、大理石パウダーなどの複合素材を用いてダイキャスト製法で鋳造。音響工学に基づいて非対称に設計されており、エステロンの経験豊富なスタッフによって、手作業で製造されているという。

アンプにはDANIEL HERTZやBESPOKE AUDIOなどを使用。カートリッジには、jan allaertsブランドから10月1日に発売となる「MC1 Boron Mk II」が用いられた。

jan allaerts「MC1 Boron Mk II」

jan allaertsは製品供給が不安定であることを理由に、日本での取り扱いが中止されていたが、多くのユーザーからの要望で、この度取り扱いが復活。MC型ステレオ・カートリッジ「MC1 Boron Mk II」は久々に登場の新製品となる。価格は560,000円(税抜)。

こちらも独特なフォルムのFRANCO SERBLIN「Accordo」

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